超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

爽やかな楽走16キロ?!

2015-01-28 23:16:38 | スポーツ・健康
自分の書いてきた記事は普通読まないのだが、あえて昨年のレースを読み返すと準備期間からして似たり寄ったりの行動で、全くもって進歩していないのが分かる。息子が合宿等で不在となり、夫婦で飲みに行って直前まで未調整というのも変化なし。「ドナドナ音」による不眠に悩まされながら、6時の目覚ましで起床・・・湘南藤沢市民マラソンの日がやってきた。昨年と異なるのは10マイルという距離が初めてという緊張感がないこと、前回の経験を活かし、沿道その他レースそのものをじっくり「見て楽しむ」余裕があることである。何せ「この姿を見たら声かけて」ととあるSNS上で宣伝してある。スタート2時間前に前夜、妻の製作した特製中華丼(三河産にら入り)を軽く一杯、野菜ジュースとともに腹に入れ、家を出る直前に前日買ってきた「スポーツようかん」を口に入れた。小夏師匠のアップされた両口屋是清さんの「ささらがた」を思い出し購入したのだが、中身はなんと普通の羊羹!うーむ。。。エネルギー171kcalとあるが、単なる糖分ではあるまいか・・・

そのままウルトラTシャツを着るつもりだったが、正月の箱根駅伝で山登りの選手がアンダーウェア抜きで走ったために「低体温症」でふらふらになってしまった例を思い出し、下に黒いアンダーシャツを身に着けた。ランニング用アパレルを持たない私は、これまで妻子が父の日にプレゼントしてくれたスポーツジム用ウェア上下にゼッケンを着けて走っていたのだが、今回は沿道の声援を稼ぐためにこのスタイルとしてある。これに昨年完走した時にもらったファイテンのネックレスとゼッケンと共に送られてきた足首用シール、前日に購入した(もはや効力をあまり感じない)バンデルのストリングブレスレットを身に着けて江ノ島に向けチャリを走らせた。このゴム(バンデル)ホントに効くんかなー。かなりやられたような気がする・・・真っ直ぐ道を進み出た134号線はまさしくマラソンコースである。ボランティアの方々がドリンク所や救護班などの準備を行っている。全く彼らのおかげで気持ちよく走ることができるのはありがたいことだ。

  

昨年同様天気は快晴、風もなく絶交のマラソン日和である。観光大使のつるの剛士さんが親子ランを走り、FM横浜のDJハギーさん、ホズミンが10マイル走るのも前回と変わらず、ただ今回は「どこにいる?」と連絡を取り合う知人もおらず、後ろから2番目のEゾーンでワイワイガヤガヤグループで楽しそうに身体を動かす人たちにポツンと交じった孤独感あふれるスタートだった。号砲が鳴ってからスタートラインを通過するのに10分近くかかり、その後さらに10分くらいは完全にノロノロ状態だ。取りあえず「スタートだ!」と某SNSサイトに投稿し、しばらくスマホを握ったまま走っていた。少し時間がたつと(たぶん)応援メッセージを投稿してくれた合図のようにスマホがブルブル震え始め、何となく独りぼっちのような気分だったのが元気が出てきた。スタート直後たくさんのランナーでひしめく弁天橋を渡り、イル・キャンティの近くまで走ってきた時に突然頭上から「磯辺さぁーん!」と大声がかかった。ジムで話していた人が昨年よりも派手なキラ星を顔中につけてメガホンを振っており、思わず「Mラさぁーん、ありがとう!」と叫び返していた。

          

私は昨年走って色々あった愉快な経験からこのレースで成し遂げる5つのミッションを自分に課していた。
1. 全ての給水所でドリンクを受け取り、ボランティアの人(たぶん中学生)に名前を呼んで「ありがとう」と伝える。
2. 沿道で飴やドリンクを差し入れてくれる子供から受け取って「ありがとう」と伝え頭をなでる。
3. 「ウルトラマン」という声援に対し、必殺技のポーズをしてみせる。
4. ボランティアで警備員をやっているKちゃんパパを見つけ、こちらからその様子を写真に撮ってあげる。
5. ゴール後ずらりと並んで「ギブミーファイブ」してくれる人たちと写真を撮る。

江ノ島水族館の手前あたりで、たくさんのランナーと向こうに聳える富士山が収まるポイントがあり、思わずスマホを取り出してシャッターを切っていた。最初の給水所はスタートからわずか2キロ・・・コップの水を受け取って野球部のようないがぐり頭のネームカードを確認し、「ありがとう!●石くん」とにっこり笑って走り去った。「ランナーのみなさん、がんばってください」と書かれた紙の箱を持つ小さな子供に走り寄り飴玉をつまんで「(んっ?この子、昨年もいなかったかな)」と思いつつ、「ありがとうねー。」と頭をさらっとなで、横にいた親御さんらしき人に軽く頭を下げて走り出した。

  

海浜公園のトンネルを超えるとどこかにスピーカーがあるのかラジオの中継のような声が聞こえてくる。声のする方角へ少しスピードを上げていくと。。。「ただ今、脈拍115、消費カロリー336、1キロあたりのペース6分45秒、走り始めて25分経過です・・・」などとスピーカーから流れている。周辺のランナーは物珍しがって近寄ってきたが(もしかして宣伝?)、私は一人「ウルトラセブン」の最終回、モロボシ・ダンが自分の脈拍、体温などを自己計測し体調不良を認識するシーンを思い浮かべていた。(たしか地球人にはありえない、とんでもない値だった。)
箱根駅伝では海岸コースに出る地点として登場する浜須賀で1回目の折り返しだ。手前に給水所があり、「あと半分でーす。頑張ってください」と声をあげる「○橋さん」からスポーツドリンクを頂いた。最初の折り返し点を過ぎると沿道には家族連れや見物客もたくさん登場してくる。「あーっ、ウルトラマンだよ!」「えっ?どこどこ?」最初の子供の声援に私はすかさずスペシウムポーズで応えた。



思ったより距離があったが、海浜公園のトンネルが現れた。Kちゃんパパはトンネルから入口の間で警備していると聞いていたが、トンネル内は保安上の理由からか応援者は入ってはいけないようだ。トンネルを通過してきょろきょろ探していると、はるか向こうにKちゃんパパが手を振っていた。足を止め、スマホを取り出してパチリ・・・警備員は職務上、記念写真などは撮ってはいけないことになっているそうなので、逆にこちらからその雄姿を撮ってあげる約束をしていたのだ。「こんなところで、うろうろしてて大丈夫なんですかぁ?」げらげら笑うパパとハイタッチして再びコースを江ノ島に向かった。天気は良くて風もなく走るには気持ちよかったが、警備の為に数時間立っているのは寒かろう。たぶん朝からゴミ拾いなどしてコースを整備してくれるのだろう。8600人余りのランナーが走るが、我らを支えるボランティアの人たちの数もものすごい。「熱い男」はロードバイク(でいいのかな)が趣味のようで、この後ご自身もランナーの興奮気分で県の最果てまで走ったようだ。次はぜひ一緒に出場したいものだ。



さらに進んだ先の竜宮橋が2回目の折り返し地点になっているため、ゴールに向かう人とこれから江ノ島入口で折り返す人が車線で分けられた結果、少しスピードに乗りかけたペースがまたダウンした。この辺りから沿道の声援や関係者の活動もさらに活発になってくる。黄色い声援はなかったが、「ウルトラマンがんばれー!」というたくさんの声を頂いた。数えていなかったが20回はくだらないだろう。。。私は律儀に声をもらうために光線技ポーズをとっていたが、初代マンの技だけでは足りなくなりウルトラ兄弟まで範囲を広げていた。自分に向けられた応援と分かると確かに元気100倍だ。ちょっと自分が円谷プロの宣伝マンにも思えたが、初代マンのTシャツは作戦通り沿道の声援を集めるのに絶大な威力を発揮した。これを着ていればさらに同じ距離くらいは走れる気がした。

しばらく走っていると大き目の箱を持った男の子が「スパイダーマン!」と大声をかけていた。見るとホントのスパイダーマンのコスチュームを着たランナーが近寄って行って「ありがとー!」と飴玉をもらって行ったが「あれっ、オレ食えねえや!」(ちゃんとマスクもしていったので)と頭をかいて周辺を笑わせていた。道の真ん中を走っていた私は笑いながら走り過ぎようとしたが「ウルトラマーン」という声に思わず180度反転し、コーラ飴をもらいに走った。さらにそのすぐ先に一人の女性が佇んで(という表現が合っているように見えた)おり、何かを皿に乗せたお盆を持っていた。距離が縮まってきて、何なのか目を凝らしてみるとオレンジが3切れくらい乗っかっているようだ。うーむ。。。申し訳ないが、たった一人でポツンと立たれるとちょっと恐い感じがしたが、気が付いたら魔女に吸い寄せられるように接近しており、パシっと目が合ってしまった。

「あのーぅ、これ頂いてもいいですか?」「どうぞ、どうぞ!」と笑って差し出す彼女は少なくともメドゥーサよりはアテナに近かったと思う。一切れ口にして思わず(羊年だけに)「うんめぇ」と言ってしまった。疲れた時に果物の糖分はこんなに美味く感じるのか。そう言えば高校時代サッカー部のマネージャーは試合のハーフタイムでよく「輪切りレモンの蜂蜜漬け」を配ってくれた。彼女は昔、どこぞの運動部のマネージャーだったかもしれないなどと考えつつ新江ノ島水族館手前の上り坂にかかった。この辺が10キロ地点だろうか、そろそろしんどくなってきたかなーと腕をぶらぶらしているとイル・キャンティ前にまだいたMラさんがメガホンで「皆さん、ここが頑張りどころ!皆さんなら必ずやれます。もう一度富士山を眺めましょう!」ははは。あの人元気だな。ところで何で自分で走らないのかな。。。。
2回目の折り返し点(江ノ島入口)を過ぎ、早い人たちは弁天橋を渡ってそのままゴールに向かう。我々は最後の折り返し点(さっきの竜宮橋)に向かう群れだが、走る人数は半分近くになり道路が空いてる感じがしてくる。

おーっ、Mラさんが言うように再び霊峰富士の雄姿が・・・ここまでくればもう大丈夫だ。いけるだけスピードアップしてみるか。いつも波乗りするスケートボードパーク前が最後の給水地点だ。大きなテーブルが2か所並んでいて、手前がただの水、向こう側がスポーツドリンクだ。ランナーは最初、手前から水を受け取って走り続けるが、2週目は要領が得て、奥側にスポーツドリンクがあるのを知っているからそちらへ殺到することになる。私はガラガラになっても水コップを差し出している人に余裕で走り寄ったら「これで最後、残り3キロでーす。がんばってください!」「●○君、ありがとうなー。このままいけそうだよ。」とサムズアップして力強く加速した(自分ではそのつもりだった)。申し訳ないが沿道へのサービスはこれまで、竜宮橋で折り返してからは持てる最高速(と言ってもそう変わらない)でゴールを目指した。弁天橋の歩道では観光客がたくさん物珍しそうにこちらと富士山を交互に眺めている。

そのまま(自分のイメージでは)風のようにゴールを切り、すかさずスマホを取り出して向こうに並ぶハイタッチっ娘軍団をパチリ、鳩サブレてぶくろを脱いで、ギブミーファイブ攻めを味わったのである。終わってみれば色んなところで道草を食っており、初回に比べてずいぶん楽走だったと思う。ランナーでは誰一人として知っている人とは会わなかったが、ボランティアや関係者、沿道の人たち全員と何かつながっているような気のするアットホームな大会だ。何せ我が家のすぐ前だし・・・私は帰宅して妻とスーパー銭湯に身体をほぐしに行った。「楽勝、楽勝、もう10マイルくらい走れるぞ。ちょっとこの後ヨーガでも行ってくるかな」「この人、16キロ走った後にもジム行こうとしてるよ・・・」呆れて冷やかに笑う妻も実はここのところ少しずつランニングを始めている。かのタイソン氏は何と来月の東京マラソンに抽選が当たり、フルマラソンに挑戦するそうなのだ。私は来年もこの134号を必ず走る。ボランティアの警備はいずれお手伝いするがまだ先の話だ。次回はぜひお友達全員でハイタッチと行きたいところである。

 


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (小夏)
2015-01-30 22:41:04
先日は名札の件で訳のわかんないメッセージを送り失礼いたしましたぁ

いよいよ出発、なんて素敵な景色、大きく広がってほんと気持ちよさそうです!!
三河産にら、、ウフフ、このような日に登場するとは誇らしいです
それに、な、な、なーんと、「ささらがた」をご覧になってスポーツ羊羹をお求めになられたのですか!?師匠から伺って知ったのですが、あれは井村屋、、そう、あんこもトーストの上に乗せる我が県民とは切っても切れない会社なのですぞ ワハハハハ

一気に読み終えましたっ
わっ、わっ、たっのしぃ~~~~
これはひとえに師匠のお心がけのおこぼれも多分にあるように思います。
来年私もドアラの耳付けてスポーツ羊羹ネックレスでハイタッチの輪に入りたいです

人さまも爽やかにする完走、おめでとうございます
返信する
Unknown (磯辺太郎)
2015-01-31 08:30:10
小夏さま

師匠、ご指摘ありがとうございました!完全に見落としておりました・・・
このレースの日はなぜかいつも天気も景色も最高なんですね。走る最中に写真撮ってる人たくさんいます。

特製中華丼のにら、前夜と当日朝ご飯に登場です。そうそう、羊羹を見たらメーカーは井村屋でした。おー、師匠と切っても切れない会社でしたか~

マラソンって周辺の見物人、応援隊とのつながりがすごく楽しいです。暖かくなったら妻と相模原のマラソンに出場することになりました。
ドアラの耳着けて走ったら応援もらえるかな。。。
返信する
Unknown (KICKPOP)
2015-02-01 14:00:09
師匠、完走おめでとうございます!そして・・・な~んて楽しそうなマラソンでしょう!私はマラソンに出場したことはありませんが、一度だけボルダーボルダーという大きなコロラドのマラソン大会に応援に行ったことがあり(ハニーが出場しました)、応援団がにぎやかで本当に楽しかったです。

奥様もマラソンを始められているのですね。ご夫婦でマラソン大会に出場されるなんて、ワクワクしますね。(一緒に練習されるのでしょうか?)
返信する
Unknown (磯辺太郎)
2015-02-02 22:23:52
KICKPOP様

ありがとうございます。ホントに楽しかったです。私も師匠と同様?ただ走るだけは好きでないんですが、沿道の応援やボランティアの人たちとの触れ合いがいかにもローカルであったかい感じがします。
もっと大きなマラソン大会では色んな催しがあって楽しいんでしょうね。

来年はこのマラソン、妻と走るべく彼女も練習を始めました。4月に試しに県内の大会、出場するんです。
ワクワクしますが、たぶん一緒に走ったり練習することはないんです。速い方は遅い方に引っ張られ、遅い方も速い方に引っ張られ互いにペースを乱して共倒れするから、スタート以外はめいめい勝手に走ると思います。そんなもんですよね。
返信する

コメントを投稿