血圧やカロリーコントロールを行う者にとって、極悪な食べ物とされてしまうカレーライスだが、ふっくら炊き上がったご飯にアツアツのカレーをかけてハフハフ食べる幸福感は何モノにも代えられない、心ときめくものだ。カレー用スパイスのみを使用した本格インド料理風のカレーもあるが、味噌汁のような家庭の味(母の味)のようなものがあり、それが一番美味いと言う人も多いことだろう。私もそうだったが、母や妻の作成したカレーライスには遠慮なく好みの注文をつける。長年にわたりこの注文に従って改良されてきたのだから、本人にとっては最も美味しいと感じるのは当然である。そして一般的な家庭でこの味を大きく左右するのはやはり「ルウ」だと思う。特別な処方をしない限り、箱に書いてあるカレーの作り方など似たようなものだから、「ルウ」の味が家庭の味の源泉となると思われる。前回の「周辺の生き物とペット談義」編で多少話題となった「昭和のカレー」(なんでこんな話題になったんだろう?だが、忘れないうちに書き留めておこうと思う。
そうだ、ことの始まりは「10万円7万円5万円 運命の分かれ道!」で知られるいとしこいしさんの「グリコがっちり買いまショウ」からだった。スタジオにお置かれた数々の商品の値段を自分で想定し、合計金額がオーバーせずに一定範囲に入っているように「買い物」をするのだが、スポンサーのグリコのサービスなのか、何となく(というかドンズバ)価格の分かっている「グリコワンタッチカレー」を価格調整用に使用することができた。私は仕事の上で明らかに「帳尻合わせ」と見られるモノの購入を「ワンタッチカレー」と呼んで冷かしているが、説明を省くので昭和の人でも気が付く人はまずもっていない。。。子供の頃は誰でもそうだと思うが、私もカレーライスは大好物で、しかも色んな種類の「ルウ」を買ってきては晩御飯に作ってもらっていた。母親はピーマンやコーンなど時々妙なモノを入れるのには閉口したが、特別な味付けなどしない人だったから、「気に入ったルウ」を見つけ出すまでは試行錯誤(というのかなの連続だった。また子供だったから、コマーシャルでカレーを食べる映像には多分に影響を受けていた。
くだんのワンタッチカレーは「がっちり買いまショウ」の微調整役以外に我が家にも登場したはずなのだが、どうもあまり印象が残っていない。「子供会」のキャンプなどで大鍋で大量に作られる時に使われるイメージがあった。一方、西城秀樹さんの「ハウスバーモントカレーだよ〜」はコマーシャルにおいて印象が強くCM効果は高かったが、「辛くなければカレーでない」と信じていた私にはあの「8つくらいに割れたリンゴに上からハチミツがとろーりとかけられる」シーンをみて「あんな甘ったるいカレーなんか食べられるかい!」と退けていた。辛口で作ってもらってもかなり甘目に感じた記憶がある。この二つのルウはS&Bゴールデンカレーを加えて、どうにも私には存在が薄い「マイナートリオ」だった。CMやパッケージに印刷されたカレーライスの色がちょっと黄色く安っぽいイメージがあったのも影響している。S&Bゴールデンカレーはルウそのものは悪くなかったと思うのだが、母が栄養のためか刻んだピーマンをぶち込んでしまい、世にも奇妙な味で再び「買ってくれ」とは言わなかった。
こうして幼い頃から色々なルウを食べ重ねて行き着いたのは「ハウスジャワカレー」である。当時のCMはどれもジャガイモやニンジンの角切り、四角い肉の入った「ごろごろカレー」だったが、ちょっとマイナートリオに比べて色が黒っぽく濃いめ味もかなり辛く「大人のカレー」という感じがした。千葉真一さんのCMが美味しそうで印象が深く、私の好んだこのカレーライスのルウのCMは皆夫婦だったように思う。その後、ザ・カリーとかディナーカレー(メーカーはどこか忘れた)などがあったと思うがどれもそれほど特徴のあるものではなかった。どの「家カレー」もそうだと思うが、作った日よりも翌日の方がなぜか味が沁み込んでいて美味しい。我が家の習わしでは初日はカレーとサイドディッシュが何かついて、翌日は純粋にカレーライスのみ、そしてさらに次の日はさすがに硬めになってしまうので少しだけ水で薄めて、トンカツをのせてカツカレーにして締めるのである。ちなみに週末に実家に行って戸棚を見たらあったのは何と「ゴールデンカレー」と「ディナーカレー」だった・・・(オレの好み、全然覚えてないのね)
そして昭和の時代、子供の頃に母が作る「家カレー」に平行して画期的な食品が登場する。「ボンカレー」である。そして確かしばらくしてもう一つの巨頭として現れたのが「ククレカレー」だったと思う。味覚の適当だった私はどちらも似たような味だと感じたが、圧倒的に「ククレカレー」を好んだ。もちろん見た目とCMからである。ボンカレーは何か「前掛けのおばさん」の田舎臭いパッケージであり「3分間待つのだぞ」という子連れ狼のようなCMであり、ククレカレーはなんたって「おせちもいいけど・・・カレーもね♪」のキャンディーズだからである。子供を対象にしたハウスの宣伝勝ちだったように思う。レトルトカレーと言われたこの食品はカレーとは言っても私に言わせるとどれも同じ味にしか思えなかった。その後バブルを迎える時代となって、色んなレトルトものが登場した。何十倍などと辛さばかり追いかける品もあったし、高級料亭の味を思考した種類もあったが、所詮はレトルト・・・あの独特な共通風味が本物の家カレーとはそもそも比較の対象にもならなかった。「中華三昧」がお店のラーメンとは比較にならないのと同じである。我が家を物色したら、以前買ってきた佐渡島の「ぶりカレー」や観艦式の「護衛艦カレー」などもあったが、所詮は邪道、そして味はやはりレトルトである。
我が家のカレーは私と息子甘辛の味の好みに加えて妻自身の好みも多分に入っている。と、いうより甘辛はお子様味覚で辛いヤツは食べられないし、私の注文はあまり採用されない。昔の「ごろごろカレー」というよりは、レストランのようなカレーライスを作る。と、言うこと自体が昭和の世界で、最近は「レストランでカレー」などファミレスくらいしか思いつかないかもしれないが、そんな名残りはゴルフ場のクラブハウスで出すカレーライスである。むろんアラジンの魔法のランプみたいな器(あれ、何という名前なんだろ)に入って、一つも食べられない、紅ショウガ、福伸漬、ラッキョウが3つ並ぶガラスの四角い小物入れと共に登場する。我が「家カレー」はファミレスや某ファーストっぽいカレーハウスのように申し訳程度の具材ではなく、マッシュルームや牛バラ肉のようなちょっと上品系なものがたくさん入っている。時々焼き野菜や目玉焼きのような若干亜流アイテムも乗っかっていたりするが、中々味の深い手の込んだ一品だと思う。あまり製作に関する情報は教えてくれないが、複数種類のルウを使用し、いくつかの香辛料と隠し調味料を入れているらしい。ちなみに市販のルウは「とけ込む」があったが、あまり製品自体に拘りはないらしい。実家のようにカツカレー化はせずに、終わりまで平らげた後に「カレーうどん」にするのが特徴だ。たぶん牛乳を使っているのだが、かなりまろやかでコクがあり、甘辛の好物でもある。
私は時々野菜と肉の「ごろごろカレー」が恋しくなると、パッケージに書いてある「作り方」に忠実に自分でカレーを作ったりもする。我が家のカレーとは異なるし、母親の「家カレー」」とも違う何か深みのないものとなってしまう。実家では何か特別なことをしているようには見えなかったが、やはり何かが違う。ずーっと前に書いたが、グンマ単身赴任時にこれをやって散々な目にあった。一人で鍋一杯に作成するといつまでたっても無くならないのである。さすがに3日目ともなると同じ味には飽きてきて、パンや餅に乗せたり、ラーメンやうどんにかけたりしていたが、約1週間ちょっとたってようやく底をついたときは身体中がカレー臭くなったような気がした。またそういう時に限って週末に自宅に帰ると「カレーライス」だったりするものである。あれ以来、単身マンションで再びカレーを製作することはなかった。
昭和期の食卓や食堂にカレーライスとともにあったのが「ハヤシライス」だった。この手のものは「辛くあるべし」と思い込んでいた私はハヤシイスなど「お子様」の食べ物だとし、あまり見向きもしなかったが、さらに後期になってハッシュドビーフやビーフストロガノフなる謎の一品料理が登場した。アラジンのランプで別々に出されることはあっても、カレーやハヤシは白米にかけて食べるものだが、これらのニューフェイスはおかずとしてご飯とは別々に口に入れることもあるし、かけて食べることもあるハイブリッドメニューである。しかも不思議なもので同じものでも別々に食べるのとかけて食べるのとでは、どうも味が違うような気がするのは私だけだろうか?「家カレー」というのは多くの人が語れる昭和(今でもあるけど)を代表する晩御飯だろう。学校から帰宅して玄関を開けた時にプワーンと漂っているカレーの香りで、アドレナリンが全開となったものだ。反対にカレーハウスなどの前を通り過ぎると「たまらない香り」にふらふら立寄りたくなるのだが、実際に席に座って注文すして出てきたものは「大したことがない」という思いが結構ある。血圧レコーディング作戦で減塩中の身だが、試しにグリコワンタッチカレーを購入し今度、普通に作成してその味がどんなものだったが検証したいと思う。(ちなみに話のタネに、帰りがてらクイーンズ伊勢丹に寄ってみたけど「ワンタッチ」は見当たらなかった・・・
そうだ、ことの始まりは「10万円7万円5万円 運命の分かれ道!」で知られるいとしこいしさんの「グリコがっちり買いまショウ」からだった。スタジオにお置かれた数々の商品の値段を自分で想定し、合計金額がオーバーせずに一定範囲に入っているように「買い物」をするのだが、スポンサーのグリコのサービスなのか、何となく(というかドンズバ)価格の分かっている「グリコワンタッチカレー」を価格調整用に使用することができた。私は仕事の上で明らかに「帳尻合わせ」と見られるモノの購入を「ワンタッチカレー」と呼んで冷かしているが、説明を省くので昭和の人でも気が付く人はまずもっていない。。。子供の頃は誰でもそうだと思うが、私もカレーライスは大好物で、しかも色んな種類の「ルウ」を買ってきては晩御飯に作ってもらっていた。母親はピーマンやコーンなど時々妙なモノを入れるのには閉口したが、特別な味付けなどしない人だったから、「気に入ったルウ」を見つけ出すまでは試行錯誤(というのかなの連続だった。また子供だったから、コマーシャルでカレーを食べる映像には多分に影響を受けていた。
くだんのワンタッチカレーは「がっちり買いまショウ」の微調整役以外に我が家にも登場したはずなのだが、どうもあまり印象が残っていない。「子供会」のキャンプなどで大鍋で大量に作られる時に使われるイメージがあった。一方、西城秀樹さんの「ハウスバーモントカレーだよ〜」はコマーシャルにおいて印象が強くCM効果は高かったが、「辛くなければカレーでない」と信じていた私にはあの「8つくらいに割れたリンゴに上からハチミツがとろーりとかけられる」シーンをみて「あんな甘ったるいカレーなんか食べられるかい!」と退けていた。辛口で作ってもらってもかなり甘目に感じた記憶がある。この二つのルウはS&Bゴールデンカレーを加えて、どうにも私には存在が薄い「マイナートリオ」だった。CMやパッケージに印刷されたカレーライスの色がちょっと黄色く安っぽいイメージがあったのも影響している。S&Bゴールデンカレーはルウそのものは悪くなかったと思うのだが、母が栄養のためか刻んだピーマンをぶち込んでしまい、世にも奇妙な味で再び「買ってくれ」とは言わなかった。
こうして幼い頃から色々なルウを食べ重ねて行き着いたのは「ハウスジャワカレー」である。当時のCMはどれもジャガイモやニンジンの角切り、四角い肉の入った「ごろごろカレー」だったが、ちょっとマイナートリオに比べて色が黒っぽく濃いめ味もかなり辛く「大人のカレー」という感じがした。千葉真一さんのCMが美味しそうで印象が深く、私の好んだこのカレーライスのルウのCMは皆夫婦だったように思う。その後、ザ・カリーとかディナーカレー(メーカーはどこか忘れた)などがあったと思うがどれもそれほど特徴のあるものではなかった。どの「家カレー」もそうだと思うが、作った日よりも翌日の方がなぜか味が沁み込んでいて美味しい。我が家の習わしでは初日はカレーとサイドディッシュが何かついて、翌日は純粋にカレーライスのみ、そしてさらに次の日はさすがに硬めになってしまうので少しだけ水で薄めて、トンカツをのせてカツカレーにして締めるのである。ちなみに週末に実家に行って戸棚を見たらあったのは何と「ゴールデンカレー」と「ディナーカレー」だった・・・(オレの好み、全然覚えてないのね)
そして昭和の時代、子供の頃に母が作る「家カレー」に平行して画期的な食品が登場する。「ボンカレー」である。そして確かしばらくしてもう一つの巨頭として現れたのが「ククレカレー」だったと思う。味覚の適当だった私はどちらも似たような味だと感じたが、圧倒的に「ククレカレー」を好んだ。もちろん見た目とCMからである。ボンカレーは何か「前掛けのおばさん」の田舎臭いパッケージであり「3分間待つのだぞ」という子連れ狼のようなCMであり、ククレカレーはなんたって「おせちもいいけど・・・カレーもね♪」のキャンディーズだからである。子供を対象にしたハウスの宣伝勝ちだったように思う。レトルトカレーと言われたこの食品はカレーとは言っても私に言わせるとどれも同じ味にしか思えなかった。その後バブルを迎える時代となって、色んなレトルトものが登場した。何十倍などと辛さばかり追いかける品もあったし、高級料亭の味を思考した種類もあったが、所詮はレトルト・・・あの独特な共通風味が本物の家カレーとはそもそも比較の対象にもならなかった。「中華三昧」がお店のラーメンとは比較にならないのと同じである。我が家を物色したら、以前買ってきた佐渡島の「ぶりカレー」や観艦式の「護衛艦カレー」などもあったが、所詮は邪道、そして味はやはりレトルトである。
我が家のカレーは私と息子甘辛の味の好みに加えて妻自身の好みも多分に入っている。と、いうより甘辛はお子様味覚で辛いヤツは食べられないし、私の注文はあまり採用されない。昔の「ごろごろカレー」というよりは、レストランのようなカレーライスを作る。と、言うこと自体が昭和の世界で、最近は「レストランでカレー」などファミレスくらいしか思いつかないかもしれないが、そんな名残りはゴルフ場のクラブハウスで出すカレーライスである。むろんアラジンの魔法のランプみたいな器(あれ、何という名前なんだろ)に入って、一つも食べられない、紅ショウガ、福伸漬、ラッキョウが3つ並ぶガラスの四角い小物入れと共に登場する。我が「家カレー」はファミレスや某ファーストっぽいカレーハウスのように申し訳程度の具材ではなく、マッシュルームや牛バラ肉のようなちょっと上品系なものがたくさん入っている。時々焼き野菜や目玉焼きのような若干亜流アイテムも乗っかっていたりするが、中々味の深い手の込んだ一品だと思う。あまり製作に関する情報は教えてくれないが、複数種類のルウを使用し、いくつかの香辛料と隠し調味料を入れているらしい。ちなみに市販のルウは「とけ込む」があったが、あまり製品自体に拘りはないらしい。実家のようにカツカレー化はせずに、終わりまで平らげた後に「カレーうどん」にするのが特徴だ。たぶん牛乳を使っているのだが、かなりまろやかでコクがあり、甘辛の好物でもある。
私は時々野菜と肉の「ごろごろカレー」が恋しくなると、パッケージに書いてある「作り方」に忠実に自分でカレーを作ったりもする。我が家のカレーとは異なるし、母親の「家カレー」」とも違う何か深みのないものとなってしまう。実家では何か特別なことをしているようには見えなかったが、やはり何かが違う。ずーっと前に書いたが、グンマ単身赴任時にこれをやって散々な目にあった。一人で鍋一杯に作成するといつまでたっても無くならないのである。さすがに3日目ともなると同じ味には飽きてきて、パンや餅に乗せたり、ラーメンやうどんにかけたりしていたが、約1週間ちょっとたってようやく底をついたときは身体中がカレー臭くなったような気がした。またそういう時に限って週末に自宅に帰ると「カレーライス」だったりするものである。あれ以来、単身マンションで再びカレーを製作することはなかった。
昭和期の食卓や食堂にカレーライスとともにあったのが「ハヤシライス」だった。この手のものは「辛くあるべし」と思い込んでいた私はハヤシイスなど「お子様」の食べ物だとし、あまり見向きもしなかったが、さらに後期になってハッシュドビーフやビーフストロガノフなる謎の一品料理が登場した。アラジンのランプで別々に出されることはあっても、カレーやハヤシは白米にかけて食べるものだが、これらのニューフェイスはおかずとしてご飯とは別々に口に入れることもあるし、かけて食べることもあるハイブリッドメニューである。しかも不思議なもので同じものでも別々に食べるのとかけて食べるのとでは、どうも味が違うような気がするのは私だけだろうか?「家カレー」というのは多くの人が語れる昭和(今でもあるけど)を代表する晩御飯だろう。学校から帰宅して玄関を開けた時にプワーンと漂っているカレーの香りで、アドレナリンが全開となったものだ。反対にカレーハウスなどの前を通り過ぎると「たまらない香り」にふらふら立寄りたくなるのだが、実際に席に座って注文すして出てきたものは「大したことがない」という思いが結構ある。血圧レコーディング作戦で減塩中の身だが、試しにグリコワンタッチカレーを購入し今度、普通に作成してその味がどんなものだったが検証したいと思う。(ちなみに話のタネに、帰りがてらクイーンズ伊勢丹に寄ってみたけど「ワンタッチ」は見当たらなかった・・・