先週に引き続き、朝から母を連れて「花を愛で」に出掛けることにした。小田原梅まつり会場でガイドに「この時期は河津桜にお客さんが流れてしまう」とされた「松田山ハーブガーデン」とはいかなるところか?!こちらも約1ヶ月「松田桜まつり」が行われていたが、どうやら3月16日をもって終了のようだ。地図で調べると、なるほど毎年訪れる「曽我梅林」の通りをそのままずーっと北上したような位置にある。東名「大井松田インター」の近くと聞くとえらい遠くに感じていたが、西湘バイパス国府津インターからのルートでは我が家から1時間かからない手頃さだ。先週と同様、開園時間と同時にぱーっと見学し、竜泉寺に寄ってどこかで昼食をとって帰るつもりだった。妻は休日仕事が入ることが多くなり、甘辛は部活に余念がないから、こういう時は母と一緒に行くと出不精解消にもなってお互いの利害が一致するのだ。
国府津インターを降りると5分くらいで、広大な曽我梅林が現れる。梅まつりは10日以上前に終わってしまったから、私有地である梅林の中に入れないが、広めの農道にちょっと止めることはできるので寄って見た。先週の小田原はまさしく見頃だったのだが、こちらは種類が少ないのか大半が散ってしまっていた。3万5千本の梅の木が所狭しと花を咲かせ向こうに見える富士山と相まって素晴らしい景色な曽我梅林だが、元々観賞用ではなく梅の実を収穫するために植えられた農地なので、1年に1ヶ月「祭り」で観光客が押し寄せるとそれは大変らしい。ちなみに小田原に梅が多いのは、伊勢宗瑞(いわゆる北条早雲)が梅干しの栄養価と保存性に目をつけ兵士に持たせるために領地内の至るところに植えさせたのが発端だそうだ。しだれ梅系が多かったが、わずかに残った梅の花が健気にも咲いていた。
くだんの桜まつり会場までは曽我梅林から10キロちょっとだったが、そちらの方面には今まで一度も足を運んだことがない。途中から山々の向こう側に富士山が見え隠れするようになり、松田の町に入ると山の中腹に鮮やかなピンクに染まった部分が遠くから見えた。「どうも、あれがそうみたいだよ」初めてのところだったので、要領は分からなかったが、前週の小田原フラワーガーデンの閑散とした様子から考えて、開園と同時に行けばそれほど混んではいないだろうと考えていた。しかし驚いたことにし山の上にある会場の登り口は既に「満車」の看板がおかれ、係員が臨時駐車場に誘導していた。。。最終日ということもあったのか、さすがに「客がほとんど流れる」と言われた河津桜の名所だけある。臨時駐車場は会場入り口からかなり離れた河川敷の広場で歩くと登り道25分もかかると言われたので、大人しく往復のシャトルバスに乗り込んだ。
「こんなところ普段は絶対走ってないよね」とい言うような急ヘアピンカーブの登り坂を大型バスは器用に切替しを繰り返して会場入り口に向かう。それほど大きくない駐車場で降りた私達は思わず歓声を上げた。気温が上がったのか少し霞がかかっているが、箱根連山とその後ろの富士山、相模湾や酒匂川周辺の町並みが一望できる。「こりゃー、すげえ!さすが言うだけのことはあるねえ」
最初はこどもの館で「飾り雛」を見学したが、前職の土地に「地球屋」という変わった顔をした雛人形や世界最大のつるし飾りなどもあったのを思い出した。ふだんは昔のおもちゃ体験や小さな子向けの遊具で遊んだりできるらしい。満開と言われた河津桜だが、前週の雨風で3割くらい散ってしまい、ホントに「これで見納め」という時だったようだ。
園内にところどころ満開の桜が見られるが、メインは山の中腹に固まっているから、ジグザグに設けられた小路を歩いて観桜することになる。まるで桜のトンネルにいるようで、ところどころ隙間から見える富士山や相模湾、箱根連山などが見事な景観だった。そして途中からだが桜の木の足元には満開の菜の花が群生しているのである。菜の花の鮮やかな黄色と桜のピンク、空の青色のコントラストが素晴らしい。私は超兵器を携えていたが、露出やこういう時に美しく撮影する術を知らず、残念ながらただオートマチックモードでシャッターを押すだけだった。ただ写真が趣味に見える、ものすごい高そうなプロ仕様みたいなカメラを構えた人の背後で待機し、いなくなった後に同じようなアングルで撮るように(これは盗撮とは言わないよな)心がけた。
「あの辺まで下りて、引き返そうか」あまり下まで降りると老母は登ってくるのが大変なので、下から3分の1くらいのところまで行ってみた。昔、相模湖ピクニックランドにあったようなローラー滑り台の小さいヤツがあった。実は中腹の斜面は遊具がところどころにあって、普段は子供がアスレチックできるようになっているようだ。今は満開の桜の中を滑り下りることになり、お年寄りが孫を抱えながら幸福そうな顔をして降りていた。私も母もさすがに乗ろうとはしなかったが、二人とも「甘辛なら立ったまま滑り降りようとするだろな・・・」と眺めていた。中腹にも見事に咲き誇った菜の花群があり、結構急な傾斜面に足場が組んであり、柵の中に大型の脚立が立てられ、人が並んでいる。近づいてみると「撮影ポイント」と書いてあり、観光客でも登って撮影してもいいそうだ。ただし安全確保は自己責任らしい。
コンデジを持つ人、携帯カメラをかざす人、プロ仕様のカメラを向ける人、一様に同じような方角を向いていたが、どんな景色なんだろか?「てっぺんまで行かずに3,4段登ったところがいいよ」下にいた係のおじさんに言われ、恐る恐る登ってみると、どぶゎーっと咲いた満開の桜の谷合に世界遺産がどーんと見えるではないか。こりゃーすげえ!カレンダーにもできそうな風景だ。私は母から預かった携帯も取り出して見事な風景を写真に撮ってやった。「今日は少しだけ霞んじゃってるけど、天気の悪い週末ばかりだったから、最後としては最高の景色だよ。先週の雨風で3割くらい散っちゃったんだけど、ここはまだ全部残ってるからねー」真っ黒に日焼けしたおじさんはにこにこと話しかけてきた。
「菜の花が満開なのも素晴らしいですよねえ」母親がおじさんに話すと「こっちはね。先週、大雨が降って急に丈が伸びてわーっと咲いたんですよ。桜にとっちゃ足元の栄養分取られていい迷惑なんだけどね。人間様は喜ぶよねえ。自然館の方にも桜が40本くらいあって、あっちの方はホントに満開だからぜひ見に行ってください。」傾斜面を登りまつり本部まで戻って上へ行く道を歩くと、何やら長い行列ができている。近づいていくと「ふるさと鉄道」というミニチュアの列車のようだ。ロマンスカー型の列車が今まさに発車するところだったが、小さな子供も混じっているものの乗客は大人、それもお年寄りばかり・・・つまり花見列車ということらしいのだ。まあ、この桜で一杯の山を一周できるなら、ビール片手にゴトゴト走るのも楽しいだろう。改めてポスターを細かく見ると、この場所は「西平畑公園」といい、松田山ハーブガーデンというのはその中の一施設らしい。富士と箱根連山、相模湾の大パノラマに加え、一番よい時は早咲きの桜に加えて菜の花と梅の花まで見られるという、バース、掛布、岡田のいたタイガースのようなところだった。
2週に渡り「スライディングセーフ」だったが、来年はぜひ最盛期にやって来ようと期待できる名所を見つけた。半世紀近く住んでいるこの県にもまだまだ足を運んでいないスポットがたくさんある。世界遺産や国宝めぐりなどもやっつけていきたいが、まずは足元にも宝の山は転がっているようだ。3月半ばを過ぎてようやく暖かくなってお出かけ日和も増えてきた。近場の隠れ名所を探してまた歩き回ることにしよう。
国府津インターを降りると5分くらいで、広大な曽我梅林が現れる。梅まつりは10日以上前に終わってしまったから、私有地である梅林の中に入れないが、広めの農道にちょっと止めることはできるので寄って見た。先週の小田原はまさしく見頃だったのだが、こちらは種類が少ないのか大半が散ってしまっていた。3万5千本の梅の木が所狭しと花を咲かせ向こうに見える富士山と相まって素晴らしい景色な曽我梅林だが、元々観賞用ではなく梅の実を収穫するために植えられた農地なので、1年に1ヶ月「祭り」で観光客が押し寄せるとそれは大変らしい。ちなみに小田原に梅が多いのは、伊勢宗瑞(いわゆる北条早雲)が梅干しの栄養価と保存性に目をつけ兵士に持たせるために領地内の至るところに植えさせたのが発端だそうだ。しだれ梅系が多かったが、わずかに残った梅の花が健気にも咲いていた。
くだんの桜まつり会場までは曽我梅林から10キロちょっとだったが、そちらの方面には今まで一度も足を運んだことがない。途中から山々の向こう側に富士山が見え隠れするようになり、松田の町に入ると山の中腹に鮮やかなピンクに染まった部分が遠くから見えた。「どうも、あれがそうみたいだよ」初めてのところだったので、要領は分からなかったが、前週の小田原フラワーガーデンの閑散とした様子から考えて、開園と同時に行けばそれほど混んではいないだろうと考えていた。しかし驚いたことにし山の上にある会場の登り口は既に「満車」の看板がおかれ、係員が臨時駐車場に誘導していた。。。最終日ということもあったのか、さすがに「客がほとんど流れる」と言われた河津桜の名所だけある。臨時駐車場は会場入り口からかなり離れた河川敷の広場で歩くと登り道25分もかかると言われたので、大人しく往復のシャトルバスに乗り込んだ。
「こんなところ普段は絶対走ってないよね」とい言うような急ヘアピンカーブの登り坂を大型バスは器用に切替しを繰り返して会場入り口に向かう。それほど大きくない駐車場で降りた私達は思わず歓声を上げた。気温が上がったのか少し霞がかかっているが、箱根連山とその後ろの富士山、相模湾や酒匂川周辺の町並みが一望できる。「こりゃー、すげえ!さすが言うだけのことはあるねえ」
最初はこどもの館で「飾り雛」を見学したが、前職の土地に「地球屋」という変わった顔をした雛人形や世界最大のつるし飾りなどもあったのを思い出した。ふだんは昔のおもちゃ体験や小さな子向けの遊具で遊んだりできるらしい。満開と言われた河津桜だが、前週の雨風で3割くらい散ってしまい、ホントに「これで見納め」という時だったようだ。
園内にところどころ満開の桜が見られるが、メインは山の中腹に固まっているから、ジグザグに設けられた小路を歩いて観桜することになる。まるで桜のトンネルにいるようで、ところどころ隙間から見える富士山や相模湾、箱根連山などが見事な景観だった。そして途中からだが桜の木の足元には満開の菜の花が群生しているのである。菜の花の鮮やかな黄色と桜のピンク、空の青色のコントラストが素晴らしい。私は超兵器を携えていたが、露出やこういう時に美しく撮影する術を知らず、残念ながらただオートマチックモードでシャッターを押すだけだった。ただ写真が趣味に見える、ものすごい高そうなプロ仕様みたいなカメラを構えた人の背後で待機し、いなくなった後に同じようなアングルで撮るように(これは盗撮とは言わないよな)心がけた。
「あの辺まで下りて、引き返そうか」あまり下まで降りると老母は登ってくるのが大変なので、下から3分の1くらいのところまで行ってみた。昔、相模湖ピクニックランドにあったようなローラー滑り台の小さいヤツがあった。実は中腹の斜面は遊具がところどころにあって、普段は子供がアスレチックできるようになっているようだ。今は満開の桜の中を滑り下りることになり、お年寄りが孫を抱えながら幸福そうな顔をして降りていた。私も母もさすがに乗ろうとはしなかったが、二人とも「甘辛なら立ったまま滑り降りようとするだろな・・・」と眺めていた。中腹にも見事に咲き誇った菜の花群があり、結構急な傾斜面に足場が組んであり、柵の中に大型の脚立が立てられ、人が並んでいる。近づいてみると「撮影ポイント」と書いてあり、観光客でも登って撮影してもいいそうだ。ただし安全確保は自己責任らしい。
コンデジを持つ人、携帯カメラをかざす人、プロ仕様のカメラを向ける人、一様に同じような方角を向いていたが、どんな景色なんだろか?「てっぺんまで行かずに3,4段登ったところがいいよ」下にいた係のおじさんに言われ、恐る恐る登ってみると、どぶゎーっと咲いた満開の桜の谷合に世界遺産がどーんと見えるではないか。こりゃーすげえ!カレンダーにもできそうな風景だ。私は母から預かった携帯も取り出して見事な風景を写真に撮ってやった。「今日は少しだけ霞んじゃってるけど、天気の悪い週末ばかりだったから、最後としては最高の景色だよ。先週の雨風で3割くらい散っちゃったんだけど、ここはまだ全部残ってるからねー」真っ黒に日焼けしたおじさんはにこにこと話しかけてきた。
「菜の花が満開なのも素晴らしいですよねえ」母親がおじさんに話すと「こっちはね。先週、大雨が降って急に丈が伸びてわーっと咲いたんですよ。桜にとっちゃ足元の栄養分取られていい迷惑なんだけどね。人間様は喜ぶよねえ。自然館の方にも桜が40本くらいあって、あっちの方はホントに満開だからぜひ見に行ってください。」傾斜面を登りまつり本部まで戻って上へ行く道を歩くと、何やら長い行列ができている。近づいていくと「ふるさと鉄道」というミニチュアの列車のようだ。ロマンスカー型の列車が今まさに発車するところだったが、小さな子供も混じっているものの乗客は大人、それもお年寄りばかり・・・つまり花見列車ということらしいのだ。まあ、この桜で一杯の山を一周できるなら、ビール片手にゴトゴト走るのも楽しいだろう。改めてポスターを細かく見ると、この場所は「西平畑公園」といい、松田山ハーブガーデンというのはその中の一施設らしい。富士と箱根連山、相模湾の大パノラマに加え、一番よい時は早咲きの桜に加えて菜の花と梅の花まで見られるという、バース、掛布、岡田のいたタイガースのようなところだった。
2週に渡り「スライディングセーフ」だったが、来年はぜひ最盛期にやって来ようと期待できる名所を見つけた。半世紀近く住んでいるこの県にもまだまだ足を運んでいないスポットがたくさんある。世界遺産や国宝めぐりなどもやっつけていきたいが、まずは足元にも宝の山は転がっているようだ。3月半ばを過ぎてようやく暖かくなってお出かけ日和も増えてきた。近場の隠れ名所を探してまた歩き回ることにしよう。