超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

花を愛でる

2014-03-13 21:16:02 | 旅行お出かけ
私は年に何度か思い出したように「花や草木を愛でる」時がある。昨年前半まで勤務していた土地では見事なつつじの公園やバラの咲き誇る広大なガーデンもあった。また紅葉の季節になるとそれなりには見に行くことにしている。皇居の紅葉も鎌倉の紅葉、そして大雄山最乗寺の紅葉も素晴らしい。昨年などは母親とわざわざ角館まで二人旅で武家屋敷に燃えるような紅葉を楽しんだ。また梅雨時になると明月院の鮮やかなアジサイや菖蒲も素晴らしい。江ノ島のサミュエルコッキング苑も多少「ケバい」がどの季節でもたくさんの花が咲き乱れている。「花心編」でも紹介したが、もう「天命を知る」年齢にも近くなり、ここ数年でちょこちょこと花を見に出かけるようになった。

桜の花見以外にはあまり興味を持たなかった私もずいぶん昔から毎年のように訪れた唯一の場所が「曽我梅林」である。父も母も何故か桜よりも梅の花の方が好きだった。春の訪れと同時に一斉にばーっと咲き乱れ、あっと言う間に散るソメイヨシノよりも寒い季節から渋く咲き初め長い期間咲き続ける上に色んな種類のある梅の方を私も好んだ。この辺りだと梅園で有名なのは熱海や湯河原なのだが、「寒いから」というそれだけの理由で常に訪れるのは別所・曽我梅林だった。確かに3万本という関東屈指の広大な梅林で、日当たりのよい平地だから何となく暖かく、しかも昔はマイナーだったのであまり訪れる人も少なかった。最近は「小田原梅まつり」としてかなりメジャーとなり、もともと観光用に周辺を整備されていないから、この季節は大混雑となってしまう。ここ数年は「梅まつり期間」をわざと外し、終了した直後に行くことにしていた。昨今は梅の咲く時期が遅れがちでお祭り会場を片付けられた後でも十分堪能できるのである。

今年もこの季節、同じ場所に行こうと「小田原梅まつり」HPを調べていたら、どうやら別所をメイン会場として他に2か所あるようだ。もう一つの場所は「小田原城址公園」で、こちらは今までに何度か訪れている。梅の季節でなくても割と混雑しているところだ。息子甘辛にとっては(来ないけど)あまり相性のよくないところで、幼い時に天守閣を見学しようと入り口を通ろうとしたら立っていた鎧姿の門番があまりに恐ろしい顔をしていたので、周囲数十メートルにわたる大音響で大泣きし、結局入れずじまいだったこと苦い思い出があるのだ。3つめの「梅まつり」会場は「小田原フラワーガーデン」なるところだ。この地に半世紀近く住んでいるが、あんまり聞いたことないな。最寄りの駅は・・・大雄山線「飯田岡」だと?道了尊の手前だと思うが、全く聞いたことがないいかにもマイナーな駅だ。名前からすると「花の公園」なんだが、「渓流の梅林」というゾーンに480本ほどある梅の花が今、最盛期だという。

毎週母と早朝行っている竜泉寺の前に足を伸ばして開園と同時に行ってみることにした。久々、赤いライオン号での西湘バイパス疾走である。小田原は「一夜城ヨロイヅカファーム」のように海岸線から比較的近くにも公園があるからインターからすぐだと思っていたら、意外に内陸の方だった。カーナビには登録があったが、道路に看板が出ているわけでもなく、いかにも知名度に低いところのようだ。開園と同時には到着しなかったが、園内はあまり人はいなかった。駐車場も入園も無料、天気もよいし中々の隠れ名所のようだ。お年寄りグループが会場の案内係と一緒にガイドツアーに出るようだったので、何となくついて行った。曽我梅林のように3万本の梅が圧倒的なボリュームで咲き誇っているわけではないが、広々とした庭園に観賞用に整備されていて、何よりも200種類という関東屈指のバリエーションがすごい。ホントに一本一本種類が違うようにも見えた。これはこれで素晴らしい。

    

「ねえねえ、この木、紅梅と白梅が同じ枝に咲いてるぞ。そんなの初めて見た。」我が家の梅の木は白い花しか咲かない。幹ごとに異なるのはよく見るが、一本の木のそれも同じ枝から色の違う花が咲くというのは不思議な感じがした。池の周囲には見事に満開となった豪華な梅の木が並んでいた。文字通りあまりの豪華さに「見て驚く」から「見驚」という種類だそうだ。花も大きく派手で満開となるとそれはすごいボリュームだ。しかしガイド曰く「この時期はですね。『松田山ハーブガーデン』の河津桜にお客様がみんな流れてしまって・・・この花は寂しい思いをしてるんです。皆さん今日は予定にありませんか?今週来週くらいが最高ですよ。」(よーし、来週はそちらへ行ってみよう。また楽しみが増えたな)

           

紅梅、白梅に枝の形も枝垂れていたり、横に広がっていたり、また花の形も様々で30分で1周する間に実に楽しめた。渓流の梅林エリアを1周し、中央にあるトロピカルドームで「ヒスイカズラ」という珍しい花が開花しているという。ガーデンのメインフラワーだそうで、関東屈指の美しさを誇る「神秘の花」だそうだ。不思議な色をしているが、変わった形をしている花だ。咲いている期間はわずか数日、花びらの奥で甘い蜜を分泌しているので、落ちた花には蟻がたかっている。一つ拾い上げて中を広げ舐めてみると微かに甘い味がする。。。巨大な花弁が下を向いたのは「チョウセンアサガオ」という花、複雑でよく見るとグロテスクな花弁がランの種類だそうだ。正直綺麗な花だけではあまりピンとこない。。。

            

          
 

端っこの方に「ウツボカズラ」の一種があった。食虫植物であり、どちらかという「こっち系」の方が興味は湧いてくるのだ。虫取り器は葉っぱの先端がツルのように伸びて形成するというのが実に面白い。東南アジアに生育する世界最大のウツボカズラはネズミですら消化できるという。(ぞぞぞーっ)
圧倒的な梅の花もよいが、きちんと整備されている庭園に200種類が咲き誇るのも素晴らしい。季節ごとの花も楽しめるみたいだし、5月には「世界最大級のネギ坊主」というのが開花するらしい。ここは開業してから18年の新しいガーデンだそうだ。場所もイマイチマイナーなので、知っている人もあまりいないようだが、一部観光バスのコースにはなっているらしい。ここお勧めです!
大震災から3年。。。先日、とある被害甚大の港を訪れたら、ビルは真横に倒れたままになっていて、「まだまだ・・・」と感じるところも多かった。東北にも「花を愛でる」名所がこの近辺以上にあるはずである。1日も早く、人々がのんびり梅を楽しむ時が来てほしいものだ。