以前(成人の日?)紹介したことがある「へんないきもの」についての話題だ。
年末のクリスマス会に呼んでいただいたお友達の家にこの不思議なタイトルの本が並んでいた。
子供向けの本なのかな?と思いながらちょっとパラパラめくってみると、結構専門的なことも書いてあるが実に面白い本であった。
ほとんどが聞いたこともないような奇妙な生物だが、これまた以前に息子甘辛と朝連をやりながら海浜公園で発見したヒモのような奇妙なヤツ(コウガイビル)が載っており、親近感が持てた。
イラストがものすごくリアルで、こんなヤツと遭遇したらビビるだろな、という見た目も性質も怖いモノがメジロ押しだ。
本文は著者の独特なセンスが光り、大人向けのウィットや社会風刺、皮肉っぽい表現も結構見られ中々知的好奇心をくすぐられる。
たまたま図書館で続編を見かけたので借りてきて、面白いから初編も読み、さらに小説版「へんないきもの三千里」も読破した。
子供の頃から普通に「いきもの」には興味があり、ペットも飼ったし虫も捕ってきたが、最近少しずつ虫や小動物が触れなくなってきたことに気付いた。
トンボやバッタなどメジャーなヤツはOKなのだが、コオロギ、スズムシあたりになると既に怪しくなり、最初の押し出しが強烈なカエルや蛾などに至っては逃げ回るていたらくだ。
「オーシャンズ」という映画もあるように、昔から動物ものの番組はコンスタントに生き続け、やはり何となくよく見てきた。
古くは「野生の王国」、「わくわく動物ランド」「動物奇想天外」・・・それほどハマり込んだわけではないが、害がないので見る番組があまりないときのツナギとして親しんできたようだ。
いつの時代も「動物の面白い習性」というのは興味を持たれるらしい。
「へんないきもの」シリーズはそのうちのゲテモノだけを集めたようなものだ。音波兵器を持つエビ、足が85本のタコ、目から血を吹くトカゲなど・・・
本を紹介してもしょうがないが、私がどうも気になったベストスリーは
クマムシ:ぼくとつな名前の超生命体
体長は1.7ミリほどだが、摂氏150度の高熱にも絶対零度にも、真空にも乾燥にも6000気圧もの高圧や人間の致死量をはるかに超える放射線にも耐えることができる不死身の生物だ。
地球が破滅しても宇宙空間を漂い、別の惑星で繁栄できそうだ。
キロネックス:骨なしの悪魔
前にテレビで特集していたのを見たことがある。触手が2メートルもある地球で最も危険な生物と書かれている。刺されると四の五の言う暇なく呼吸困難、意識混濁などに陥るという。生息地のオーストラリア北部には生命の危険があることを表す標識もあると言う。これ自体が好きなわけではないが、この猛毒をものともせずに平らげるのが、ハワイ島で見たウミガメだと言うのが気に入った。
クダクラゲ:(株)深海浮遊事業KK
地球上で一番長大な生物はクジラでもヘビでもなく「クラゲ」だという。何せ体長40メートルにもなるそうだ。
成長の過程で分裂して増える期間があり、それぞれが別々の固体にならずに、融合を繰り返して体を構成する各器官に変身し1匹の生物として振舞うんだって。
まるで怪獣映画のモデルそのものだ。
どれもこれも「変」ではあるが、考えてみれば生物そのものがすべからく奇妙なものだ。
人間は60兆の細胞からできていて奇妙さはかなりなもんだが、それぞれ機能を持つ器官は実に合理的にできており、かなり完成に近いとことろまで進化してるような気がする。(医学知識は無いけど)
惜しむらくは大脳が発達し過ぎたために「余計なこと」を考えるようになったこと。ネオダーウィニズムがホントならこの先ヒト科が何万年も存続するためには、脳を若干退化させる必要があるだろう。
本の中では途中で、「へんな名前のいきもの」も取り上げられている。
「ヨーロッパタヌキブンブク」から「エンカイザンコゲチャヒロコシイタムクゲキノコムシ」
宴会ばかりやっている山に住むこげ茶の浩子が、ムクゲに生えたキノコを敷いて御迎えした虫?!
傑作なのはやはり「ウルトラマンボヤ」・・・群体性のホヤの一種らしい。
姿がそのもの(顔)ズバリで「シュワッ」「アワッ」「デヤッ」や虚ろな顔で「ゾフィゾフィゾフィ・・・」と言うヤツもいそうだ。
最後に読んだ「へんないきもの三千里」は小学生の少女が主人公のかなりリアルな物語だ。
好きな男の子と仲良くなるために究極のおまじないとして調べた「カエルの背中を舐める」暴挙に及んだ「いきもの」の大嫌いなセレブ少女が、生き霊のように身体を抜け出し生物界に放り投げられる物語である。
それはそれは散々な目にあうことになる。サムライアリの奴隷にされたり、ヒトに食われて免疫防衛軍と闘ったり取引したり・・・
色々なところで目にする生命どおしの関わりは「壮絶」の一言につきる。ここではこれまで取り上げられた「へんないきもの」がよってたかって主人公の少女にその生態を見せつけるのだ。
少女の実際の家族が不和で崩壊していく様など、かなりリアルでえぐいが、相当深みのある読み物だ。
単なる生き物賛歌ではない。「生き物の食べ物は生き物」というくだりがズンと重く響く。
うまく言えないが読み終わるとなるほど、このシリーズがすごく売れた理由がわかるような気がする。
このサイトのモデルとなったウルトラセブンの「超兵器R1号」。
地球防衛のために超兵器開発競争に明け暮れる防衛軍を見て、嘆き悲しんだモロボシ・ダンが放った名セリフ
「それは・・・血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ。。。」
そしてダンがうわごとでも言ったこの言葉をキリヤマ体長から聞いた、兵器開発の女性博士は
「参謀、人間という生物はそんなマラソンを続けなければならないほど愚かな生物なのでしょうか?」
「へんないきもの」の代表選手は人間だろうが、自滅しない賢さは持ちたいものだ。
年末のクリスマス会に呼んでいただいたお友達の家にこの不思議なタイトルの本が並んでいた。
子供向けの本なのかな?と思いながらちょっとパラパラめくってみると、結構専門的なことも書いてあるが実に面白い本であった。
ほとんどが聞いたこともないような奇妙な生物だが、これまた以前に息子甘辛と朝連をやりながら海浜公園で発見したヒモのような奇妙なヤツ(コウガイビル)が載っており、親近感が持てた。
イラストがものすごくリアルで、こんなヤツと遭遇したらビビるだろな、という見た目も性質も怖いモノがメジロ押しだ。
本文は著者の独特なセンスが光り、大人向けのウィットや社会風刺、皮肉っぽい表現も結構見られ中々知的好奇心をくすぐられる。
たまたま図書館で続編を見かけたので借りてきて、面白いから初編も読み、さらに小説版「へんないきもの三千里」も読破した。
子供の頃から普通に「いきもの」には興味があり、ペットも飼ったし虫も捕ってきたが、最近少しずつ虫や小動物が触れなくなってきたことに気付いた。
トンボやバッタなどメジャーなヤツはOKなのだが、コオロギ、スズムシあたりになると既に怪しくなり、最初の押し出しが強烈なカエルや蛾などに至っては逃げ回るていたらくだ。
「オーシャンズ」という映画もあるように、昔から動物ものの番組はコンスタントに生き続け、やはり何となくよく見てきた。
古くは「野生の王国」、「わくわく動物ランド」「動物奇想天外」・・・それほどハマり込んだわけではないが、害がないので見る番組があまりないときのツナギとして親しんできたようだ。
いつの時代も「動物の面白い習性」というのは興味を持たれるらしい。
「へんないきもの」シリーズはそのうちのゲテモノだけを集めたようなものだ。音波兵器を持つエビ、足が85本のタコ、目から血を吹くトカゲなど・・・
本を紹介してもしょうがないが、私がどうも気になったベストスリーは
クマムシ:ぼくとつな名前の超生命体
体長は1.7ミリほどだが、摂氏150度の高熱にも絶対零度にも、真空にも乾燥にも6000気圧もの高圧や人間の致死量をはるかに超える放射線にも耐えることができる不死身の生物だ。
地球が破滅しても宇宙空間を漂い、別の惑星で繁栄できそうだ。
キロネックス:骨なしの悪魔
前にテレビで特集していたのを見たことがある。触手が2メートルもある地球で最も危険な生物と書かれている。刺されると四の五の言う暇なく呼吸困難、意識混濁などに陥るという。生息地のオーストラリア北部には生命の危険があることを表す標識もあると言う。これ自体が好きなわけではないが、この猛毒をものともせずに平らげるのが、ハワイ島で見たウミガメだと言うのが気に入った。
クダクラゲ:(株)深海浮遊事業KK
地球上で一番長大な生物はクジラでもヘビでもなく「クラゲ」だという。何せ体長40メートルにもなるそうだ。
成長の過程で分裂して増える期間があり、それぞれが別々の固体にならずに、融合を繰り返して体を構成する各器官に変身し1匹の生物として振舞うんだって。
まるで怪獣映画のモデルそのものだ。
どれもこれも「変」ではあるが、考えてみれば生物そのものがすべからく奇妙なものだ。
人間は60兆の細胞からできていて奇妙さはかなりなもんだが、それぞれ機能を持つ器官は実に合理的にできており、かなり完成に近いとことろまで進化してるような気がする。(医学知識は無いけど)
惜しむらくは大脳が発達し過ぎたために「余計なこと」を考えるようになったこと。ネオダーウィニズムがホントならこの先ヒト科が何万年も存続するためには、脳を若干退化させる必要があるだろう。
本の中では途中で、「へんな名前のいきもの」も取り上げられている。
「ヨーロッパタヌキブンブク」から「エンカイザンコゲチャヒロコシイタムクゲキノコムシ」
宴会ばかりやっている山に住むこげ茶の浩子が、ムクゲに生えたキノコを敷いて御迎えした虫?!
傑作なのはやはり「ウルトラマンボヤ」・・・群体性のホヤの一種らしい。
姿がそのもの(顔)ズバリで「シュワッ」「アワッ」「デヤッ」や虚ろな顔で「ゾフィゾフィゾフィ・・・」と言うヤツもいそうだ。
最後に読んだ「へんないきもの三千里」は小学生の少女が主人公のかなりリアルな物語だ。
好きな男の子と仲良くなるために究極のおまじないとして調べた「カエルの背中を舐める」暴挙に及んだ「いきもの」の大嫌いなセレブ少女が、生き霊のように身体を抜け出し生物界に放り投げられる物語である。
それはそれは散々な目にあうことになる。サムライアリの奴隷にされたり、ヒトに食われて免疫防衛軍と闘ったり取引したり・・・
色々なところで目にする生命どおしの関わりは「壮絶」の一言につきる。ここではこれまで取り上げられた「へんないきもの」がよってたかって主人公の少女にその生態を見せつけるのだ。
少女の実際の家族が不和で崩壊していく様など、かなりリアルでえぐいが、相当深みのある読み物だ。
単なる生き物賛歌ではない。「生き物の食べ物は生き物」というくだりがズンと重く響く。
うまく言えないが読み終わるとなるほど、このシリーズがすごく売れた理由がわかるような気がする。
このサイトのモデルとなったウルトラセブンの「超兵器R1号」。
地球防衛のために超兵器開発競争に明け暮れる防衛軍を見て、嘆き悲しんだモロボシ・ダンが放った名セリフ
「それは・・・血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ。。。」
そしてダンがうわごとでも言ったこの言葉をキリヤマ体長から聞いた、兵器開発の女性博士は
「参謀、人間という生物はそんなマラソンを続けなければならないほど愚かな生物なのでしょうか?」
「へんないきもの」の代表選手は人間だろうが、自滅しない賢さは持ちたいものだ。