超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

お仕事です!フランス(パリ~グルノーブル)編Ⅱ

2009-10-30 04:00:00 | 旅行お出かけ
「一生に一度はやるかんねシリーズ」に堂々エントリーされていたTGVの旅。。。列車は山間の国鉄グルノーブル駅に滑り込んだ。
グルノーブルはパリとは全く違う、山々が近くに見える田舎町だ。
ホテルも街中の少しさびれた風の建物で市街地もそれほど大きくないのだが、グルノーブルには日本代表の松井大輔や大黒が所属したことがある「グルノーブル・フット38」というプロサッカーチームがある。

フランスの片田舎で、しかも料理や名物店など全く知らぬ「おっさん二人」は別便で来仏し合流した同社の邦人社員のお薦めで、大黒が在籍していた頃好んで通ったという店にたどり着いた。
結局のところは「チャーハンと焼き鳥を出す店」だった。。。
翌日は車でお迎えがやってきて市街からさらに外れた敷地にあるソフトウェアの研究所に見学に訪れた。

1時間ほど見学した後会食だ。さすがワインの国、昼食でも平気でワインを喰らっているではないか。。。
その後、ブリーフィングルームで用意していたプレゼンを行い、ディスカッションに入ったがすっかりワインによって口が滑らかになった私は「番組編集」しなければならない「ピー」となるやばいことをへらへらしゃべってしまった。。。
約2年前、我が社の施設で共同研究を行っていたという日本語ペラペラの仏人研究員が、その日はとっておきのディナーを用意してくれると張り切った。

終業後、タクシーを手配してもらい乗り込み、異動すること1時間、市街地を反対側まで突き抜け山道をひたすら登ると中腹に「えっ?」というような神秘的なレストランが現れた。
神田正輝の「旅サラダ」に出てくる大物女優でも絶対に紹介できないような独特な雰囲気のお店だ。
だいたいこんなところに店を構えて、お客さんは来るのだろうか?まるで空中都市パチュピチュなんだが。

真っ暗な店内に明かりがつき、どこからともなく店員が現れていつの間にかメニューを説明し始める。
全然わからないので、その研究員に「板さんお勧めコースでいいよ」とニッコリ笑う。

彼は流暢まフランス語で(あたりまえか!)シェフを呼んで話し込み、いくつかコースメニューを注文した。なんと奥さんは日本人だって。

地元でも有名なフルコースであるらしい。ふーむ。何が本場なのかよくわからぬが、中々の美味だ。
料理が運ばれるたびにそれと合う色んな種類の違うワインを注いでいくのがすごい!最後に修道女が飲むという特別なリキュールが運ばれてきた。
外国の田舎町って素晴らしいよなあ。いい気分になって、また45分かけてホテルへ。

翌日は午後のTGVで再びパリへ帰る予定だった。
グルノーブルなんて「地球の歩き方」には4ページしかないのだ。都市名は知ってるんだがなあ。
まず、朝一でバスティーユ城塞へ、ゴンドラで数分で着く、グルノーブル唯一の観光地のようだ。
景色は見事の一言に尽き、「モンブラン」という山を始めて見た。
日本は味覚の秋だ。我が母は大昔からケーキと言えば「モンブラン」が大好きだった。

今でこそ「モンブラン」という栗?を使ったケーキはメジャーなようだが、私が子供の頃は近所の「サフラン」という洋菓子屋にしかそれは無かった。
再び来ることはないような気がするので、何かご当地の御土産をと「外し王」の私は探したがさすがにこれと言ったキワモノがない。。。
前日ご一緒した研究員に電話で聞くと、「グルノーブル・フット・38」のオフィシャルショップがあるという。
場所を聞くとトラムで街を一周するコースとなる。時間ギリギリだ。

しかし、自分で言うのも何だが、再び無いかもしれない時の私の行動力は群を抜く。。。
迷わず市電に乗り、言われたショップへ。。。昼食時間が少し過ぎていた。
海外では普通の話なんだが、お店は「休み」と定義された時間は全くやる気がない・・・
フランス語しかしゃべれない店員に懸命に英語で

「オレは1時間後にTGVでパリに帰んなきゃいけねえんだよ!ユニフォーム売ってくれ!」

英語が分からなきゃ日本語で言っても思いは通じたんだろうが。
息子甘辛のために、二度とは買えない土産を無理やり購入した。

どこへ行ってもロクな土産を買って来ない私も、息子甘辛への土産はあるときの閃きから統一されて困ることがない。
「訪れたその国、都市のプロサッカーチームの公式ユニフォームを土産とする」
そんなのメジャーなやつは東京でも売っているんだが、「現地の店」で「現地の通貨」で「現地のサイズ」で買うことに意義がある。
ヨーロッパの各国はこれですべてイケる。ダメなのは米国なんだが、あそこはしょうがないから大リーグのキャップを買っていく。

復路の列車中は、すぐに日が暮れて真っ暗になったこともあったが、山ほどビールを買い込み、何に乗っているかを忘れて、見学していた研究施設やソフトウェア開発のありかた、なーんて話題に沸騰した。
しまった。。。TGV名物携帯ストラップ(そんなのあるかい!)でも買っとけばよかった・・・
こうして「世界一速い列車での旅」は終了し、私の銀河鉄道はメーテルとは程遠い40過ぎのおっさんとともに終着駅パリの99番ホーム(うそ!)に到着したのだった。

花の都に戻った我々は翌日、夕方のフライトまで別行動にした。
今お度は中心部の地下鉄を駆使し、ノートルダム寺院などを観光し、私でも知っている高級ブランド、エルメスやルイ・ヴィトンなどを偵察した。
シャンゼリゼ通り沿いにある、パリのプロサッカーチーム「サンジェルマン」の公式ショップでユニフォームを再び求め、最後に「地球の歩き方」にあったメゾン・ド・ファンファンというヴィンテージ屋で妻用のエルメスのキューブネックレスを買い込んだ。

エルメスは本物だが本店では気おくれがして買いに行く勇気がなかったのだ。
地下鉄駅ではストリートキッズ?!の魔の手(スリはホントにいた!)を振り切り、昼食の時間がなくなったのでオペラ・ガルニエそばの札幌ラーメンで最後の食事。。。
シャトルでド・ゴール空港へ向かって、このお仕事は無事完了したのだった。