超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

香ばしき人々

2009-10-03 07:22:26 | 職場
職場で私のいる部門には40人ほどのスタッフがいる。
至ってありきたりの人達ばかりだと思っていたが、先日の岩手紀行で同行した二人が身近なところで意外と「香り高い人たち」だったので紹介しよう。
一人は自黒の九州男児イワさん、もう一人は虚弱系の優男Tちゃんだ。

小岩井農場まきば園のレストランで修学旅行らしき女子中学生に囲まれて小さくまとまってジンギスカンを食っていたときの話。
次週、我が家の息子が修学旅行を予定していがインフルが怖いという話から、それぞれ修学旅行どこへ行ったという話、そして海外旅行や出張などの話へ発展していった。
どう見ても最近の仕事量は超人的なんだけど、飄々と顔色に出さないタイプのイワさんに

「そう言えば、イワさんって入社後『海外青年協力隊』でどこかに行ってたんだよな」

「マラウィですよ。マイナーな国です・・・」

「それって・・・・どこ?」

アフリカの東部、ザンビアとモザンビークにはさまれた細長い小さな国だそうだ。
2006年、世界銀行の報告では8%台の経済成長を遂げたが、依然として世界で最も貧しい国のひとつらしい。
国民の健康状態も良好ではなく、HIVが蔓延しているために、平均寿命も40歳に満たないんだって。

「何でまたそんなところに行ったの?」

聞くと、中学生のときに地理の先生から「ペルーの女性は美しい」と聞いて、将来必ずお嫁さんとして連れてくることを決意し、青年海外協力隊に志願したそうだ。
残念ながら本命のペルーは別の協力隊が既に渡航していて、数年は機会がないということで断念したらしい。
そしてある日、事務局から「アフリカでよければ・・・」と紹介されたのがマラウィだったんだって。

インターネットで調べたら確かにあった。。。(当たり前か)
マラウィ湖というそのまんまの湖が国土の20%を占めるようだ。首都リロングェも公用のチェワ語も聞いたことないし・・・
イワさんが言うにはチェワ語の面白いのは「ン」で始まるモノが結構あること。

トウモロコシの粉をひいて炊いた主食(南部アフリカでは定番のよう)は「ンシマ」という。
この手の話の大好きな人が聞いたら大喜びする、首都リロングウェの北にある「ンコマ」、マラウィ湖のほとりにある「ンカタベイ」
さらに中部には「ンチシ」、「ンチュウ」などという都市があり、南部には「ンサンジェ」という地名もある。

マラウィに行った人が日本で「しりとり」をやったらほとんど無敵だろな。
「ンシマ」を主食にマラウィ湖の「チャンボ」という鮒みたいな魚をおかずにした食事だったそうだ。
そして最後にマラウィのカラスって白黒なんだって。日本では権力に屈するようなとき、「烏の頭白く・・・」秦王もビックリ!

そんな話で色々盛り上がった矢先、大人しくラムを食っていたTちゃんが、独特な高くか細い声で「実はボクも海外で勤務したことがあるんです・・・」
聞いたら、なんと第3●次南極越冬隊!すげえ経験したもんだ。紅白歌合戦「白組がんばれ」って出たかな?
もともと、研究・観測目的の昭和基地滞在、学者や研究員が主役だが、酷寒の地で生活するために様々なサポートチームがおり、その一つの業務だったそうだ。

南極観測船「しらせ」には輸送のための海上自衛官と観測隊を乗せて航行している。観測隊には色々な分野のエンジニア、調理師、医師や看護師はもちろん理容師もいるそうだ。
ひ弱で色白のTちゃんが普段マイナス40度くらいな過酷な環境での任務など志願するわけはなく、仕事の関係で業務命令に従っただけだそうだ。
それでも基本的に運動はせず身体が蓄積型になる上に、高カロリー食品ばかり摂取するので今よりは5,6kgは太って帰ってきたそうだ。大抵の人が行きに持って行ったジーパンがはけなくなるんだって。

「そもそも訓練って無かったのかよ。「いきなり」はないだろ?途中でめげることないの?」

ひと通りの知識を詰め込むことはあり、訓練は長野の冬山で孤立して一晩をしのぐものだったそうだ。それはまたの名を「遭難」という。。。
念のいったことに、その訓練に入る前には映画「八甲田山」を見させられるという。うーむ。恐るべし越冬隊。。。
何か面白ことやらなかったか尋ねたら、

「氷河に削って長ーい溝を作り、『流しそうめん』やりましたが・・・」

いきなり満塁ホームラン的なネタを披露してくれた。水で流すと途中で凍って止まっちゃうので熱湯を流すのがコツだそうだ。
他にも氷上ソフトボールとか色々やってきたようだが、やはり気になったのは何万年も昔の南極の氷。。。
何回も冬を越しているベテランに、「どこの氷河のどのあたりの氷が極上質か」をマップにしているツワモノがいたようだ。「ここの氷はラスコー●万年モノでね。。。」とか言うのか?

氷は一人段ボール2個分、持ち帰ることができたそうだ。むろん、何万年も巨大な氷河の圧力で圧縮されていた空気が解放されるときに本当に「パキーン」という音がなるという。。。
うーむ。琥珀系のスピリッツでは好物のジャックダニエルでやりたいものだ。

両名とも見た目は何の変哲もない人なんだが、なかなか香り高い経験を持つ人だな。しかもその二人は隣り合う席に座っている。
他ににも探しようによってはこの近辺に「香ばしき人々」はいっぱいいるんじゃないか?
今まで一斉メール(仕事中迷惑な話だが)で色々なケースをサーチしてきたが、だーれも検出できなかった。。。
「パイレーツのおっぱいパンを知ってる人」「ウルトラサイダーのゾフィー缶を見つけた人」「先祖に歴史上の有名人物がいる人」・・・

さて「隠れアロマン」これからどうやって探そうか?