翌年度新入社員入社式の総合司会は緊張の中でも楽しんだ雰囲気で無事終わった。
実はこの話題には後日(年)談がある。
相方を務めた同期の女性と打ち上げに招待されるとこのイベント・企画に携わったスタッフ達がいた。
同期ながら見事な采配で「会社間違えたんじゃないの?」と思うほど「デキる」連中だった。
そんな経験も思い出としては忘れかけた3年後。。。
人事部の今度は別の課長から電話があり、相方のマナミちゃん(仮称)とまた来てほしいという。
「今度は何なんだ?」と待ち合わせて行くと、驚いたことにこれまで数年間の代々の総合司会が集められている。
担当が言うには・・・
次年度は今までよりも景気よく、凝ったイベントにしようとプロにも演出をお願いしている。
MC(マスターオブセレモニー)も今年の新人ではなく、これまでの経験者から選抜して起用したい。
今日はその説明と役割分担や協力体制の確認をしたい。
ふーん。ようするにオーディションか。。。入社5年目にもなるとそれなりに仕事もあるし、忙しいからこんなのやんなくていいんだけど・・・
台本みたいなものを渡されて次回テストをするから覚えてくるように言われた。
人のことを悪く言いたくないが、その担当はいかにも「キミ達にはセレクションに参加させてやる」という態度だった。
「どうしたものかねえ?」と相方に尋ねると、結構気の強い彼女は
「何か失礼しちゃうと思わない?別にやりたくて来たわけじゃないのにさ。。。」
新人のときは新鮮にいい経験だと思ったが、少し会社事情がわかってきた今では人事部の高圧的な態度が気に入らなかったようだ。
そしてしばらくたって、案内が来たが都内のスタジオ?に集合時間はなんと夜の8時。。。
我々は当時東京にいたから終業後中途半端に時間が余ってしまう。
「何なんだよ、この時間はよぉ。まあ、ゆっくり夕飯でも食って行くか」待ち合わせた我々は近くのサッポロ直営のLIONに入った。
台本を覚えてきたわけでもなく、いつもは顔を合わさない我々は久々に今の仕事の話をしているうちに。。。
「なあ、別に今回はどうでもいいから、飲んじゃうべーか?」と聞く私に、さすが私の相方は
「そうだねっ。もう仕事終わったんだもんね!」
大ジョッキを並べ出した。。。8時ぎりぎりに二人、赤い顔をしてスタジオに現れることになる。
別にそのことは何も言われなかったが、マイクの前に立って台本のセリフを二人でしゃべらされ、ずいぶんダメ出しされた。
セリフが棒読みとか、テンポが安定していないとか、噛み過ぎるとか。。。
他のペアも含めシーン1がひと通り終わってシーン2の審査?に移行しようとしたとき、私達は二人同時に立ち上がった。
「私達、帰ってよろしいですか?」と彼女が口火を切った。
「どういうこと?」ちょっと首を傾げて意味がわかっていないような担当者に
「帰るって言ったんだよ。別にやりたくて来てるんじゃないんだよ。『人事』の名前出しゃ皆ビビると思ったら大きな間違いだぜ」
「そうは言ったってキミら・・・」
「立候補したい方を差し置いてまで選考してほしいとは思いません」彼女は毅然と言い放った。
「その通り!」
私は「アタック25」の児玉清風にカッコよく振り向き様セリフを決めて留めを刺した。
その日、最も息のあったテンポでたたみかけ、あっけにとられる担当を尻目にとっととスタジオ出口のドアに向かった。
ビルの外に出たとき、ハイタッチして再びLIONに向かったのは言うまでもない。
実はこの話題には後日(年)談がある。
相方を務めた同期の女性と打ち上げに招待されるとこのイベント・企画に携わったスタッフ達がいた。
同期ながら見事な采配で「会社間違えたんじゃないの?」と思うほど「デキる」連中だった。
そんな経験も思い出としては忘れかけた3年後。。。
人事部の今度は別の課長から電話があり、相方のマナミちゃん(仮称)とまた来てほしいという。
「今度は何なんだ?」と待ち合わせて行くと、驚いたことにこれまで数年間の代々の総合司会が集められている。
担当が言うには・・・
次年度は今までよりも景気よく、凝ったイベントにしようとプロにも演出をお願いしている。
MC(マスターオブセレモニー)も今年の新人ではなく、これまでの経験者から選抜して起用したい。
今日はその説明と役割分担や協力体制の確認をしたい。
ふーん。ようするにオーディションか。。。入社5年目にもなるとそれなりに仕事もあるし、忙しいからこんなのやんなくていいんだけど・・・
台本みたいなものを渡されて次回テストをするから覚えてくるように言われた。
人のことを悪く言いたくないが、その担当はいかにも「キミ達にはセレクションに参加させてやる」という態度だった。
「どうしたものかねえ?」と相方に尋ねると、結構気の強い彼女は
「何か失礼しちゃうと思わない?別にやりたくて来たわけじゃないのにさ。。。」
新人のときは新鮮にいい経験だと思ったが、少し会社事情がわかってきた今では人事部の高圧的な態度が気に入らなかったようだ。
そしてしばらくたって、案内が来たが都内のスタジオ?に集合時間はなんと夜の8時。。。
我々は当時東京にいたから終業後中途半端に時間が余ってしまう。
「何なんだよ、この時間はよぉ。まあ、ゆっくり夕飯でも食って行くか」待ち合わせた我々は近くのサッポロ直営のLIONに入った。
台本を覚えてきたわけでもなく、いつもは顔を合わさない我々は久々に今の仕事の話をしているうちに。。。
「なあ、別に今回はどうでもいいから、飲んじゃうべーか?」と聞く私に、さすが私の相方は
「そうだねっ。もう仕事終わったんだもんね!」
大ジョッキを並べ出した。。。8時ぎりぎりに二人、赤い顔をしてスタジオに現れることになる。
別にそのことは何も言われなかったが、マイクの前に立って台本のセリフを二人でしゃべらされ、ずいぶんダメ出しされた。
セリフが棒読みとか、テンポが安定していないとか、噛み過ぎるとか。。。
他のペアも含めシーン1がひと通り終わってシーン2の審査?に移行しようとしたとき、私達は二人同時に立ち上がった。
「私達、帰ってよろしいですか?」と彼女が口火を切った。
「どういうこと?」ちょっと首を傾げて意味がわかっていないような担当者に
「帰るって言ったんだよ。別にやりたくて来てるんじゃないんだよ。『人事』の名前出しゃ皆ビビると思ったら大きな間違いだぜ」
「そうは言ったってキミら・・・」
「立候補したい方を差し置いてまで選考してほしいとは思いません」彼女は毅然と言い放った。
「その通り!」
私は「アタック25」の児玉清風にカッコよく振り向き様セリフを決めて留めを刺した。
その日、最も息のあったテンポでたたみかけ、あっけにとられる担当を尻目にとっととスタジオ出口のドアに向かった。
ビルの外に出たとき、ハイタッチして再びLIONに向かったのは言うまでもない。