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広報文章の基本テクニック:初級編(10)

2017-04-28 10:39:48 | はとはあと最新情報
広報文章の基本テクニック:初級編(10)
自分を鍛え周りを明るくする文章道をゆく

良い文章をつくることは、暮らしにおいても、仕事の上からも、人と人の繋がりに関わるため、大切にしなければならない教養であることに違いありません。今回で10回にわたり文章の作り方のポイントを書いてきましたが、考えてみれば、常々自分が知っている、つまり気をつけている知識で、もっと他にも、色々と大切なことはあるのだろうと思います。ですから、それは自分に向けて書いたのであって、人様に伝えようというのは、とんでもない。こんなブログという便利な場があるからできたことだと思うのです。

それにしても、顔の見えない方々に向けて文を書くというのは、楽しい反面、どこかで怖い気もします。読み手が誰か、どんな人達かが分かっていれば、そんなに心配はないのかもしれませんが、その点ブログというのは、それなりに難しいことがわかりました。しかし、文章力を高めるということは、読み手が誰であろうが、自分の書いた文章に対して、どう受け取ったか、よかったのか悪かったのかが分からなければ、次なる表現がでてきませんから、そう考えると、ブログは「いい文章の道場」ということができるように思います。

突き詰めていくと、文章の修行というのは「自分との対話」ということができそうです。対話とは、他者に向き合うことですが、自分との対話となると、自分も他者? 自分のなかにもう一人の自分が存在するということになります。確かソーシャルワーカーの教育を受けていた時に、「人間は多くの存在とコミュニケーションをとる」ということを講師の先生から聞いて、その本を買って読んだこともあります。また、人間だけではなく、植物なども含めて命あるものはすべてがコミュニケーションをしているようです。

とするならば、文章の修行は生きることが勉強であり、自らの健康やQOLにも通じるのではないか、それはすべて自分が生きている役割に通じるし、自分のあり様は「表現」で決まる。しかし、それは絵描や踊り子のように人前で表現するのではなくても、文章の中に自分の経験や思いを表しそれを伝達して誰かに伝える。いや伝わらなくても表現し、なぜかを問う。つまり自分を問うことになるから、贅肉落としにいいかもしれません。少しマニヤックになり過ぎましたが、一旦、まことに身勝手なテーマを終わらせていただきます。

今日は午後から、病院広報の基本講座となる文章テクニックの講座を行います。


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第190回 HIS広報プランナー(PL)認定講座(基本講座)のご案内
内容:病院広報の基本知識の要点(講義とワークショップ)

日時:6月24日(金)午後1時~5時
会場:京都市山科区・京都市生涯教育総合センター(アスニー山科)・2階会議室
(JR京都から1駅5分・山科駅下車徒歩3分・外環三条角・ラクト山科C棟)
講師:石田章一(日本HIS研究センター・基本講座講師)
HIS会員は受講無料 (会員外お一人12,960 円税込)
※ 詳しくは http://www.j-his.jp/ トップの<information>で
※ 基本講座は“通信“もあります
※ 病院広報についての各種のご相談に応じています (無料・要予約)

広報文章の基本テクニック:初級編(9)

2017-04-24 16:36:47 | はとはあと最新情報
はとはあとブログ20170425
広報文章の基本テクニック:初級編(9)
いちばん相応しい言葉を探して伝える

伝えたい相手に、伝えたいことを、伝わるように伝えることは、人として最高の対話的コミュニケーションということになります。ときには楽しい時間を過ごす機会となることもあるでしょう。しかし現実には、伝えたい相手への思いや感情、自らが伝えたい事柄の意味、伝える使命、方法の適切さなど多様な認識ファクターとの確執で揺れ動く思考のなかを突き進むようなところがあります。必ずしも確かな自覚のもとにコントロールしてのことと限らない場合もあるかも知れません。表現とはそれほど不確かな体験に終始、満ちています。

たとえば、最近このブログに書かせていただく文章表現においても、人により場面により、また季節や自然環境によって、その対象は少しずつでも違った世界を構成していますし、また、時々一刻と目に見えるものは変化していますから、同じ人も脳も、「ある」とすること自体が、人間の手に負えるものではないはずです。いま一人の人間が感じ描こうとする世界は、もう二度とない永久の事態なのです。心の中を表現するなど、そのような認識をもってしかできない行為であり、その自覚ほど尊いものはないといえましょう。

少々過激ともいえる夢想的表現となりましたが、「表現」ならばこそ、生きている人間が味わえる最高の感覚なのです。天地左右もない、誰にも許された自在の地平が広がっているのです。発想の表現になんの縛りはありません。しかし、もう一方で共有感覚には、よりよい人間社会という制約条件と人間の適応条件にみあうことが求められてきます。いまは世界のどこへ行っても、快適で安全な社会システムが歓迎されています。情報の表現や伝達には、社会への配慮を真ん中に据えた営みとあり方が求められています。

ですから一つのアイデアとか表現法には、その求めには良の字が打たれても、地球のどこか、歴史の一ページでは、よくないこともある、かも知れないという意識をもって決定していくことが必要かもしれません。「知る」「解る」「考える」「伝える」「変える」。情報は「ともに生きる」という意味と同義なのです。人は、二人を隔てたドアの裏/表に立って情報を共有します。表現は自分だけに向けるのではなく、受け手の利益を共有する行為でもあります。開けやすく安全で快適な往来、できれば楽しく往来できる楽しいドアを共有したいものです。

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HIS広報プランナー(PL)認定講座(基本講座)のご案内
内容:わかりやすい文章表現の基本テクニック(講義とワークショップ)

日時:4月28日(金)午後1時~5時
会場:京都市山科区・京都市生涯教育総合センター(アスニー山科)・2階会議室
(JR京都から1駅5分・山科駅下車徒歩3分・外環三条角・ラクト山科C棟)
講師:石田章一(日本HIS研究センター・基本講座講師)
HIS会員は受講無料 (会員外お一人12,960 円税込)
※ 詳しくは http://www.j-his.jp/ トップの<information>で
※ 基本講座は“通信“もあります
※ 病院広報についての各種のご相談に応じています (無料・要予約)

広報文章の基本テクニック:初級編(8)

2017-04-23 16:46:27 | はとはあと最新情報
はとはあとブログ2017/04/23
読みやすい文章作成のポイントを考える

せっかく作った文章が読みにくいと、なんのために努力したかがわからなくなります。読みやすい文章を作るには、不要な飾りをなるべく排除してスリムにすることがいちばんです。考えすぎてあれやこれやと詰め込まないことです。また、形容詞を多用して肝心の表現がぼやけたりすることに気をつけることが大切です。まず、ワンセンテンス・ワンコンセプトの原則を守りましょう。ひとつの内容は、ひとつの文章の中で記述するのが原則です。そのうえで全体の流れが理解できるように適切な句読点(、。)を配置します。

つぎに、以前にも紹介した「漢字率30%」のコンセプトに配慮していきます。漢字の多用で、紙面が黒々としていては、読みやすい以前に、読もうとする意欲をなくしてしまいます。特に太いタイプフェース(書体)は、見出しなどで、存在感を示すには頼り甲斐がありますが、威張った漢字が多くなると要注意です。つぎは、「1行に点(読点)ひとつ、点3つで丸(句点)を打て」というもので、1センテンスは40〜50字(シゴジュウジ)くらいで丸(句点)がよい。段落から段落まで120〜200字を目安にするといいでしょう。

以上が「読みやすさの5原則」といっているものです。厳格な原則ではなく、守らないと意味が通じなくなる、などといったことはありませんが、概ねこのようなポイントに考慮していく姿勢が、読者にとって読みやすい文章づくりに役立つと考えます。ただ、「読みやすい文章」ではなく「読みやすい紙面」あるいは「誌面」ということになれば、少し話が広がってきます。「漢字率」もそうでうすが、この5原則は「原稿用紙」の世界、「紙面」や「誌面」は、印刷工程や製本になってのあり方を問うものと思いますので、そうした理解が必要です。

また、読みやすさは、なんといってもビジュアルなデザインや編集の質が絡んできます。ビジュアルといった場合は個別のページにおいて、また、編集といった場合は、各ページよりも、全体の流れや変化、ストーリー性が重視されます。しかし、読者は個々のファクターを見ているのではなく、全体の流れの中にあり、その流れのなかで、さまざまな印象を感じとりながら、気分を上下させている。知性にあふれた内容も、感性の高い芸術においても、すべては自らの五感のアンテナでその質を判別しているのではないでしょうか。

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HIS広報プランナー(PL)認定講座(基本講座)のご案内

内容:わかりやすい文章表現の基本テクニック(講義とワークショップ)
日時:4月28日(金)午後1時~5時
会場:京都市山科区・京都市生涯教育総合センター(アスニー山科)・2階会議室
(JR京都から1駅5分・山科駅下車徒歩3分・外環三条角・ラクト山科C棟)
講師:石田章一(日本HIS研究センター・基本講座講師)
HIS会員は受講無料 (会員外お一人12,960 円税込)
※ 詳しくは http://www.j-his.jp/ トップの<information>で
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広報文章の基本テクニック:初級編(7)

2017-04-21 10:27:19 | はとはあと最新情報
2017/04/21
自分と対話することで鍛える文章表現とは?

よく考えて見てください。私的なメールのやりとりは別として、仕事に絡む文章では何らかの配慮のあるなしが質を伝えることになります。男子の羽織ハカマ姿というのは大層だとしても、人前にでるには、それなりの身だしなみが求められるのと同じです。字の間違いがあるだけでなく、文脈にまとまりがなかったりすると、文章の中身からその分を差し引いた評価となってしまいます。特に対外文書には、それなりの社会的な配慮と公共意識が必要だということ。言いかえれば、文案は読み手の理解に頼らない姿勢がほしいということです。

そのことに関係するかも知れませんが、よく出会う言葉に「私が・・」があります。あちこちに「私が・・」「私は・・」が何度も登場するのです。(女性に多いかな) これは私を印象付けようとか、売り込もうというのではなく、もう口癖のようなものですね。そう書かないと「気持ちが収まらない」というわけです。文を手直しするのは簡単にできますが、問題は書き手の意識が「自意識」に汚染されすぎて自分が見えなくなっている。自分を突き放してでも客席からの自分の姿を見る目(世阿弥の離見の見)が必要、というあれです。

文字をそれらしく並べ文章と認識させるのは簡単です。しかし、頭の中にある感覚や概念を、他者にわかるように、また、自分にも納得がいくように文章を書くということ、それこそは生やさしい作業ではありません。毎日の表現活動は努力の積み重ねだということは簡単ですが、苦しみながらの自己主張や発見は、それを体験した人でなければ理解できないものがあります。それを理解しようとすれば、同じように文を書き続けて感覚を磨くしかありません。スポーツや職人の技の鍛錬にも似たとことがあるように思います。

必要なことは、書きたいことにとって不要な表現の1字も許さない文章表現を心がけることです。「ここにはそれしかない」というところまで、何度も推敲していくと、いつかふっと、いい“表現”との出会いがあるものです。疲れたら脳に命令して休み、そして深呼吸することです。人は、機械ではないことを想いなおすのです。表現して伝えることの意義は、よりよく向き合うことや生きることにつながる筈です。幸いにも広報は、コミュニケーションを主概念とします。さまざまな過不足を乗り越える確かなチカラとともにあると思います。

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HIS広報プランナー(PL)認定講座(基本講座)のご案内
内容:わかりやすい文章表現の基本テクニック(講義とワークショップ)
日時:4月28日(金)午後1時~5時
会場:京都市山科区・京都市生涯教育総合センター(アスニー山科)・2階会議室
(JR京都から1駅5分・山科駅下車徒歩3分・外環三条角・ラクト山科C棟)
講師:石田章一(日本HIS研究センター・基本講座講師)
HIS会員は受講無料 (会員外お一人12,960 円税込)
※ 詳しくは http://www.j-his.jp/ トップの<information>で
※ 基本講座は“通信“もあります
※ 病院広報についてのご相談に応じています (無料・要予約)

<訂正とお詫び>
当ブログ・2017/04/19の「広報文章の基本テクニック:初級編(6)は、適切でない解説になっていました。以下のように訂正いたし、お詫び申し上げます。

仕事のノウハウを説く書物やレポートの多くは、活字を使って、「(うまく行ったら)効果が上がる」とか、「条件が揃えば(成果が上がる)」と書いてあるように思います。つまり仮定された世界を前提にした場合の話になっています。話がうまい人でも、いつの間にか、主旨が異なったまま進んでいくこともあります。その点を配慮した文章なら、いま記述した内容は、そのままそこに残っているので、なんとか元の流れに戻ることは可能ですが、言葉が消えていく会話では、そのような訳には行かないので注意が必要です。

<HISメンバー・会員募集!>
お問い合わせフリーダイヤル:0120-976-629をご利用ください
(HISになると「病院広報の基本」を無料で学ぶことができます)

広報文章の基本テクニック:初級編(6)

2017-04-19 10:08:53 | はとはあと最新情報
はとはあとブログ2017/04/19
多用すれば効果的!箇条書きのルールを知っていますか?

文章表現に関わらず、仕事のノウハウを説く書物やセミナーの多くは、活字を使って、「(うまく行ったら)効果が挙がる」とか、「条件が揃えば(成果が上がる)」と書いてあるように思います。つまり仮定された世界を前提にした場合の話になっています。話がうまい人でも、いつの間にか、主旨が異なったまま進んでいくこともあります。その点、文章の場合は、いま記述した内容は、そのままそこに残っているので、なんとか元の流れに戻ることは可能ですが、言葉が消えていく会話では、そのような訳には行かないのです。

会議で交わされた議論や発言を議事録にして残すことは、昨今では、ほぼ常識になっています。テープに記録して残すことも常識化していますが、聞くだけで同等の時間がかかってしまいますから大変です。市民活動センターに相談にいって聞いた話ですが、最近、公的な会議でも議事録は、A4判1枚に入るよう、なるべく簡潔に記述するよう指導されているのだそうで、感動に近いものがありました。と同時に人の話を記号化し、折りたたんで合議の証とする場合、人間らしい叫びや願いはどうなるのだろうと、要らない心配をしてしまいました。

こんな書類には「箇条書き」が多用されるものです。採り上げたい項目の列挙は、ダラダラと続きがちな本文の塊に比べて、概念の確保には、この上なく効果的で有益な方法です。事実その成果は文中の記述には叶わないものがあります。大した話ではないのですが、箇条書きに少しですが、ルールがあるのをご存知ですか? 内容ごとに、①数字や記号で記した短文で構成する、②「ですます体」は使用せず、“名詞止め”または「である体」で終わる ③行の終わりには句読点を打たない、の3点です。誰がつくり決めたのか知りませ〜ん。

以上のことを正式な“箇条書き”にして再度表記すると、
① 数字や記号で記した短文で構成する
② 「ですます体」は使用せず、名詞止めまたは「である体」で終わる 
③ 行の終わりには句読点を打たない

となりますね。知っている人にとってはごく当たり前のレールであっても、知らないと教養レベルを疑われることも考えられます。
では皆さん、早速何か文案を「箇条書き」にしてみてください。今回はここまでにします。



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講師:石田章一(日本HIS研究センター・基本講座講師)
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