病院広報(はとはあと)評価支援情報

「はとはあと」は、市民の暮らしに必要な、誠実で適切な医療情報を評価し、支援することで参加施設の透明性と“信頼を高めます。

病院広報で医療情報の目線を上げる2018

2017-12-28 13:55:46 | はとはあと最新情報

いつも、<大変ご支援ありがとうございます。年末年始のご挨拶>

 時代のうねりを受けて、これからの医療や介護のあり方に関心が高まっています。書いて字の如しで、「人間」という言葉には、人と人との間に生起する「ふれあい」という期待が含まれています。求める者と求められる者との心地良いサービスの理解・協働の質こそ、医療・介護に今、求められるべきテーマではないでしょうか。
 
 しかし、特に医療は、市民・利用者にとって高度な価値観や専門的理解には近づき難い面があり、一般に言われるように情報も届き難い現状は否めません。一般に医療情報といえば、現場の専門が取り扱う限られた情報であり、市民には直接、用のない資料やデータであり、別世界の事柄でした。今後もそうした情報を減らしたり、双方のやりとり利用するというようなことは考えられませんが、より利用者の心理や知識レベルに近づいて、わかりやすく適切に加工するか、いかにも配慮したデザインを施してみる程度で、そこに切り込んで理解を深めていくことはかえって問題を困難にしてしまいそうです。
 
 また、社会全体への医療の成果を考えるべきこの先、医療の情報価値への改革は、待ったなし、今後いっそう重要になるだろうと言われています。つまり医療・介護サービスの利用者が必要性を満たす情報メディアやカテゴリの拡張がこれから必要になるのです。言いかえれば専門家から真価を引き出すための知識やモラルの獲得が求められてくるのだといえます。もちろん医療サービスの提供側もこの動向には、力を貸していくことが求められますが、それでは理解にバイヤスがかかってしまう可能性もある。利用者側も自立した視点からの価値観や理解を広げて社会貢献の輪を広げることです。
 
 いいかえれば、医療などの専門職が、なんのために何をしようとしているのか、そのためにサービスのユーザにどんな理解と行動をしてほしいのか、ということを対等かつ自律的に学習し判断するべきです。とはいえこれは知識の競合と考えることが目的ではありません。たとえば仏教の言葉に「門前の小僧、習わぬ経を読む」というのがあります。お経は全てをいちいち理解しなくても、それを唱えた者にご利益があるというのです。でも、理解を深めれば、もっとご利益があるはずです。お経がもっている有難い響きが、その人その一団のプラスにつながり、信念が有効に働いていくという具合です。
 
 他のサービスと異なり、医療・介護というサービスは人が人に直接接して、一体となって進める場面も多く、その点でまず信頼ありきです。人がそこにいることの圧力は相当なものです。利用者は信頼感(最大公約数的)を覚悟に変えて受診します。来院の間にその信頼に値する事実をさがし納得を求めています。信頼できない事実とは、その過程で手触り感によって発見されていきます。  
 
その事実が改善されそうにないときに落胆し、クレーマーさんに変身することがあります。雨の中、遠い道のりを傘をさしても受診にくるのは、期待と信頼の脳の鼓動によって来院行動が起ったからです。外からは何も見えません。 
 
しかし、この輪郭が見えてしまう人、それがプロのスペシャリストであるというべきです。最初に述べた「ふれあい」こそが人と人の本質であり、健康のもと。地域包括ケアでは、みんなが求める「心地良い」そのようなあり方・暮らし方が示唆されてくるようです。人は医療に向かって何を見てしますのか(続きは次回に)。

■ HIS広報プランナー認定「実践講座」ご案内

1月26日(金)午後1時〜5時 京都市山科区の京都市生涯学習総合センターで、
上記を内容とするHIS-PL講座・ワークショップを含む認定3単位を開講します。研修指導:石田章一
詳しくは、http://www.j-his.jp/ のトップに案内があります。

写真は、秋田県大久保にある調剤薬局のために創ったキャラクターです。


当然のこと、病院広報にも「基礎と基本」が大切

2017-12-19 14:41:09 | はとはあと最新情報
当然のこと、病院広報にも「基礎と基本」が大切

 年明けの2018年は、平昌(ピョンチャン)において、第23回冬季オリンピックが開かれます。Host cityは平昌郡で、オリンピックの名称には「平昌」の地名が冠されていますが、競技会場は江陵市と旌善郡にも配置されるようです。過去数大会の冬季五輪は規模の大きな都市で行われていたのですが、平昌郡は人口わずか6,141人の小さな村がメイン会場になるということです。スポーツ選手にとっては、どこが開催地であろうが、勝ち上がることだけがすべてになりますが、応援や観戦の人々には、楽しみな体験が待っていることでしょう。
 
 ご承知のとおり、オリンピックは、それらの要素が絡み合って、たとえ馴染みのない国々や民族間においても友好に寄与する祭典にもなるのですから、ぜひ成功を納めたいものです。オリンピックに限らず、スポーツ競技はただ単に楽しむための仕組みではなく、そこには多くの修練の結果を勝敗という過酷なルールで勝ち抜くべき掟があります。結果を出すには、やはり基礎・基本がいかにミッチリ行われてきたかに大きく左右されます。
 
 少し話に飛躍もありますが、病院広報の成果においても同様に、基礎・基本レベルの対応がいかに確立しているか、が重要になります。なぜでしょうか、多くの技術も同じですが、広報は書物に書いてある知識・情報を丸暗記したから、成果が上がるという筋合いのものではありません。
 とくに広報は、義務教育で習うこともなく、就職してもたまたま広報に関係する仕事に配属されたとか、希望していたところにそれなりの出会いがあったという稀有な機会にでも出会わないかぎり、目指して就ける仕事ではなく、たとえ就いたとしても現場で広報の基礎を習うなどということはあまり考えられません。
 
 広報における基礎は、現場にいてあちこちの情報から、担当者自らが匂いを嗅いで深めるしかない仕事になります。たとえ優しい先輩がいたり環境があったとしても、その背中を見てその学びとるにはそれなりの時間が必要ですし、基礎と応用における整理・認識は自らの努力ということいなります。
 
 たとえば病院などの医療機関の組織内で広報の実務マニュアルを具備・運用され、日々の実務に活用されているでしょうか。規模の大小を自覚して、誰が行っても一定の成果、質が保持されるように行動がマネジメントされているでしょうか。そんな手付かずの中で、上位の「成果」だけが問われても答えようがないと思います。
日本HIS研究センターでは、まず広報理解における最低限の知識として、図に示した概要をお伝えしています。
 
 ご覧いただけばわかるように、体系的な関係値だけでなく、行動そのものがメディアとして情報を発信するのだという概念と理解を重要視しています。情報の行く先は、私たち人間の脳であるということを考え、言語的体系的なコミュニケーションだけだはなく、非言語による感覚的な伝達や行動様式に傾倒しています。もちろん医療や介護の場、環境や関係が、関わる人の行動を規制することを常に意識して、日常のプランや行動を決定していきます。

 それが私たちの「ヒトメディア・ヒトブランド」によるコミュニケーションであるのです。カウンターの隣の席に座った人とコミュニケーションできますか? でも実際は、すでに話している。どんな人か、すでに知ってるのは、すでにコミュニケーション(対話)があるからです。危なさそうな人、安心できそうな紳士、今にも話しかけて来そうなオバさん・・・。きっと向こうも、何かを受け取っているはずです。私たちは、医療・介護の場の、その広がりこそが広報であり、ヘルスケア・コミュニケーションと考えていきたいのです。

続きは次回に

1月26日(金)午後1時〜5時 京都市山科区の京都市生涯学習総合センターで、
上記を内容とするPL講座を開講します。
詳しくは、http://www.j-his.jp/に案内があります。



第194回広報プランナー認定・実践講座のご案内

2017-12-07 13:35:32 | はとはあと最新情報

「病院広報」は、企業の広報とどのように違うのでしょうか。企業は得た利益と今
後の予測から主体的に予算化して広報施策を行うことができます。しかし、医療
機関では、定められた診療報酬体系の中で得た報酬の一部を広報施策に充てざる
をえないという限界があり、企業のようなダイナミックな展開は、ほとんどでき
ません。まして地域社会や患者さんという限られたステークホルダーとの共存を
考えれば・・・という現実があります。
そのうえ、医療サービスには健全な市場の育成という理由から広告規制があり、
公衆への文言・表現にも一定の制限が掛かってきます。
とはいえ「知らせること」は重要な課題であり、自らの立ち位置を示す熱意です。
広告規制をよく理解し、健全な健康社会の育成や最新医療の動向や取り組みを伝
える中で、社会的責任としての自院の役割りを示すこと、それが今後の地域連携
や包括ケアへの意志と意欲を伝えて行くことになります。
進行する少子高齢化の変容に対応する地域包括ケアシステムでは、各種の資源や
多機能が連携する仕組みによって新たな事業を創発したり、互いに知り合い、生
み出していう企画提案の交流も可能になることでしょう。石田章一


講座のポイント
1.誰でもがいつでも共有の理念を確認できる(経営理念の共有) 
2.いつも視覚から伝わる情報も考慮している(メラビアンの法則)
3.全員広報により信頼と安心の醸成をはかる(院内広報の実践)
4.専任担当者が常時の諸対応に当たっている(危機の時こそ広報)
5.予算や成果は一定の仕組みにより運用する(管理組織的な対応)
6.地域や外部との協働関係を大切にしている(マスコミとの交流)
7.健康社会と暮しの向上に繫がる広報である(社会的責任の全う)



日時:1月26日(金)午後1時〜5時
■会場 : 京都・アスニー山科(2F多目的室)

京都市山科区外環状三条角(JR山科駅から徒歩3分・地下鉄東西線山科・ラクト隣接)
■講義・ワークショップ:石田章一(日本HIS研究センター代表理事)
受講料:一般12,960円(税込)・HIS会員8,640円(税込)
認定 : 1講座3単位(12単位修得+修了レポート合格でHIS広報プランナー認定)
基礎知識を習得する講座となりますので、広い知識を、どなたにでも理解できるようお伝えしていきますので、ご検討ください。

★受講申し込み:
規定の申込書により、日本HIS研究センター宛ファックス(075-741-8229)でお申し込みください。
詳しいことは、http://www.j-his.jp/
またはフリーダイヤル0120-976-629で下記までご相談ください。

NPO法人日本HIS研究センター
病院広報企画室
電話075-741-8219・mail:info-his@j-his.jp