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広報文章の基本テクニック:初級編(2)

2017-04-11 13:35:52 | はとはあと最新情報
広報文章の基本テクニック:初級編(2)
何が、人の読む気を惹きつけるのか

漢字率が50%という状況を考えてみましょう。文章を構成する文字のうち、半分が漢字だとしたら読み手はどんな心境になるでしょうか。少しイメージしてみてください。病院の掲示板にそんな文章をときどき見受けることがあります。画数が多い漢字が文面(字面)を占めてくると、紙面は自ずと黒っぽくなり、少し目をやっただけでは正確な認識は困難、というよりも、読み始めて数行で文字を追う意欲がそがれて、無意識のうちに次の行くべきポイントに目が行かなくなってしまうのです。

しかし、同じ文章にある同じ語なのに、この漢字率の調整にこだわって、やたらと仮名で表記するというのも、また読みにくい一因になります。つまり私たち現代の日本人は、仮名だらけの字面にも馴染めない一面をもっているといえます。通常はありえない表現に出会うと、発信人の配慮のなさが前にでて、文字を追うことをやめてしまいます。文章自体の理解もさることながら、余計な表現や間違った強調などが目立つようでは、本末転倒、何のための文案作成かがわからなくなってしまいます。

漢字率30%とは、ちょうでクルマの運転と同じで、進むべき状況判断が重要で、安全第一の心がけを大切にすることですが、そのわりには結構、神経を使います。早く誰にも読んでもらえる文章作成のコツを会得するよう頑張るしかありませんね。漢字率は違反しても、文字の間違いなどに比べて、周囲からはあまり指摘がないのでツイツイ怠りがちになりますが、本当に読んでほしい文章なら「頑張る」、「キャリアを積む」、「他人の文をよく読む」といった基本的な努力をすることです。

また、素直な文章(これまた分かりにくいかな)に心がけるということも大切にすることです。「文章を書く」、それで「何かを主張する」などと力が入りすぎるのは、文を書き進めるうえで決して良いことではありません。それは読者に教えてもらおう、くらいの気軽な感覚でいると、自然に湧き出てくるものです。とらわれず自然に書いて、後から読み返して、そのような点を改良して行くという余裕が身についてきたら、その方がいいかもしれません。ある程度、キャリアを積んでくると、自然と洗練されてくるものですが、このような文章執筆の基本ルールに触れることも洗練に役立つのだと思います。

私がこのように偉そうに、文章の基本などを講釈する原点は、若いころ某電機メーカーの人事部門に勤務していて、製造部門の職制に通達を書いていたことのあります。課長が毎日のように通達文を一案を書かせるのですが、跡形もなく再提出となる日々が続いていました。「何を、シンプルに伝えるか」を厳しく指導されたおかげで、次第に書き直しはなくなりました。文例づくりのような繰り返しの毎日でしたが、実は仕事の課題を乗り越える訓練でもあったのです。多くの仕事や技術は、単純な繰り返しのなかで命を育み成長していくものです。

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