病院広報(はとはあと)評価支援情報

「はとはあと」は、市民の暮らしに必要な、誠実で適切な医療情報を評価し、支援することで参加施設の透明性と“信頼を高めます。

コミュニケーションに有効な"見える言語"

2018-09-29 16:58:17 | はとはあと最新情報
眼力という言葉がある。いわゆる見る目のこと。同じモノを見てもその対象の本質を見抜く力のこという。人の目に見えるものは一定の姿をしているのではなく、見ようとするものへの思いや見る側の意思によって違ってくるということなのだろうか。また、存在する背景や環境によって、見え方も変わってくるというのだろうか。であるとすれば、今この目の前にあるパソコンの姿は、固定した一定の姿をしている物体ではなく、眼力により、また接する人の目力より全て違った情報を伝えているといえるのだろうか。

その人らしいちょっとした仕種や癖のような動きが見てとれると、どこか安心することがある。親しげな言葉を投げかけられた時のように、心から納得してしまうことがある。AさんとBクンの見た目の違いは、その周囲にさまざまな情報の変化を発信する。そうなると、そこに確かな言葉があるかのように場が進むことがある。その最高のものが笑顔でもあるが、反対にその笑顔を言葉にしろと言われると困ってしまうのである。このように本当の言葉が見当たらないのに、いま懐かしい野道を歩いてきたような時がある。

いま、お釈迦さんが言ったという「五蘊」、人間の身体と精神を5つの集まりに分けて示した訓えがあったことを思い出した。色・受・相・行・識という5つの概念である。人は心と体の作用を組み合わせて外界との回路により認識を進めている、といった原則を語っていたように思う。見えるをはじめ、聞く、触れる、嗅ぐ、味わうの五感に近い法則であろうか。今流に言ってしまえば、印象でありイメージに輪郭をつけたような感覚がある。とかく「実体や実態」という計測可能な世界にあって、実感する文法の肌触りが楽しい。

見える化とは、いかにも取って付けたようでイライラする。言ってみれば、「図解」のことである。百の言葉よりも一目瞭然、図に示すことが近年の「生産性」に合致しているようだ。例えば地図や平面図のほか、時計の文字盤などは暮らしに入り込んでいる図解の例といえる。言葉ではなく図で瞬時に理解を促してくれる。正確なノン・バーバルである。また、交通規則やユニバーサルデザインなどの普及にも貢献してる。コミュニケーションには、その機能性とともに心地よい仕組みと適切なデザインが求められ、高度な社会適応が必要になる。

BHI賞2018「参加者審査シート」
10月27日、京都でのHISフォーラム(病院広報事例発表会)では、
希望の参加者には、審査員と同様の審査シートを使って採点し、自身の広報理解を確かめる「参加者審査シート」を提供します。
この参加者審査シートへの参加は無料ですが、10月12日までにお申し込みの参加者に限らせていただきます。シートは当日受付でお渡しします。ぜひ挑戦してみてください。HIS事務局

BHIデザイン賞2018(病院広報誌コンクール)入賞発表

2018-09-21 15:29:34 | はとはあと最新情報
BHIデザイン賞2018の入賞作品を発表します。

BHIデザイン大賞2018 
地域で支える医療ガイド すまいりんぐ(Ring)!2 
上手なお医者さんへのかかり方
地方独立行政法人 長野市民病院(長野県長野市)

優秀賞
Re+

医療法人祐基会 帯山中央病院(熊本県熊本市)

企画賞 
さんあい

社会医療法人三愛会 大分三愛メディカルセンター(大分県大分市)

企画賞
すいどうみち

医療法人豊隆会 (愛知県名古屋市)

企画賞
あした元気になあれ

地方独立行政法人 長野市民病院(長野県長野市)

特別奨励賞
つばさ

社会医療法人ペガサス(大阪府堺市)


写真はBHIデザイン賞に輝いた長野市民病院の「上手なお医者さんへのかかり方」表紙

なお、BHIデザイン賞2018の応募作品は、来たる10月27日(土)に京都市左京区聖護院御殿荘での
HISフォーラムの会場において展示します。

●HISのお知らせ
第198回広報プランナー認定講座(実践)
テーマ:医療介護施設の統合デザインのすべて
日 時:11月16日(金)午後1時30分〜17時30分
会 場:京都YWCA 217号室
指 導:NPO法人日本HIS研究センター
詳しくは、HIS事務局または今後のHISサイトでどうぞ!

病院の内外の「見た目」を志向の基礎にする

2018-09-20 15:01:01 | はとはあと最新情報
病院の内外の「見た目」を志向の基礎にする

いま書き始めたこの文章、どこの誰に読んでもらえるのか分からない。しかし、文章の多くは、まず読んでもらい、こちらの意図するところを理解してもらえるという前提で書き始める。おなじ読んでもらえるなら、いい印象で向き合い関心を高めてもらいたいと意識が高まってしまう。文章そのものの品性もさることながら、無駄なく流れるように読みやすい表現への配慮が欠かせない。とかく自分勝手な表現は伝わりにくいし、読もうとする気迫を削いでしまうので、多くの書き手は、その点で独り苦労しているのだろう。

と考えると、文章を書くことは、所謂「サービス」を提供することでもある。もちろん覚書のように自分だけが見る文章もあっていいが、多くは他者に向けて書かれた情報である。しかも様々な相手やその場によって表現の配慮は違ってくる。文面は、通常の付き合いのように礼儀正しく、可能な限り品性を保つことがなければならない。分かりやすく丁寧、しかも嫌味なく流れに馴染むことが求められよう。とくに心地よい印象のためには、調べる、考える、創るというクリエーティブがなければ、相手の脳には届かないのだ。

しかし、文章がサービスだからといって、意味のない、なくてもよいような飾りの文脈や言い回しが散りばめてある文章はいただけない。いまその文章という道程を、一歩一歩踏みしめていく人にとっては、散乱する石コロのようなもの。邪魔以外の何者でもない。疲れが溜まるような途は、目的地をめざす人には最悪であり、それらを途というかどうかも疑わしくなる。これらは文章の話ではあるが、医療サービスの話にも置き換えることができてしまう。本質を忘れた過剰な奉仕は、相手を困らせる仕組みにもなるからだ。

やはり文章の作成(ライティング)は、サービス提供に似ている。不要な要素を控えめにしてシンプルにすることで、利用者は快適にサービスを享受する。サービスとは人の快感、つまり期待度に対する充足度であるが、多くの期待度は「目を通して」高められる。本質を忘れた過剰な奉仕によって見た目による期待値が競り上がり、充足度が追いつかなくなる。そこに快適性に対する不満や物足りなさが湧き上がることになる。病院に付帯する一切の情報機能を、「人の目」を中心に考え直すことが、利用者の適正な選択の早道のように思う。Mitameya 180920


写真は、京都市中京区三条通り御幸町角にあるギアの全景。
2階はおしゃれなカフェなどが入ってる時には映画やショウもある。

HISのお知らせ
第198回広報プランナー認定講座(実践)
テーマ:医療介護施設の統合デザインのすべて
日 時:11月16日(金)午後1時30分〜17時30分
会 場:京都YWCA 217号室
指 導:NPO法人日本HIS研究センター
詳しくは、HIS事務局またはHISサイトでどうぞ!


専門職とサービスの質が病院のファンを育てる

2018-09-16 14:44:24 | はとはあと最新情報
専門職とサービスの質が病院のファンを育てる

人は考える葦である。そうか知れないが、考えるには、それなりの下描きが必要になる。頭かどこか知らないが、ありったけの精度を求めながら想像をするものだ。頭がいいとかわ悪いとかは別にして、誰でも可能なかぎり下絵となりそうな概念を探している。成人でも年寄りや子どもでも、目線を上に向けてそれなりのイメージを特定し、その思いつきを現実に近づけようするものではないだろうか。しかも、それは革新的で斬新、時代を動かすような思いつきでなくても、これから始める、ちょっとした打ち合わせの関係においても、である。

会議においても、議案書などこれから始まる時間や環境がどのような経過を共有するのかが把握できる資料、できれば文字情報だけでなく、図解によって説明できる情報があれば、さらにそれぞれの行動は活性化する。また、司会となる人が、その場での形式ばかりの説明ではなく、より具体的なメディアを使って解説を入れたりすると、みんなの目線が集中し、雰囲気が熱をもちハイレベルなものとなり盛り上がってくる。その場のなにやら重々しかった空気が、急に活気づいたものとなる。

人に何かの行動を求めるには、その対象となる人々にいい印象につながるイメージの下絵が、明快に示される必要がある。数値目標や手順の明示だけでは、誰もが動きようがない、というより動く気になれないのだ。もちろん組織が動くなかで、「動きたくない」などの発言はないが、多く行動が感情でできている人間相手ではそうはいかない。つまり、組織行動の成果をあげるには、まず思考の入り口である印象心理(イメージ)への重点施策が必要になる。どちらを向いても「わかりにくい」とされる情報や環境が学問的にも先ではないか。

例えば、どの病院にもある貼り紙広報や広報誌の重要な役割である「文案」はいかがだろう。楽しくレイアウトされた文案、どこの施設にも言えることであるが、およそ対外向情報とは言えない質のものが多い。配慮がなく適正でかつ品性に目がいっていないケースは、病院サイトにも目立つ。こうなってくるとイメージ以前の深い話は場違いになってしまいそうだ。もう間もなくHISのBHIデザイン賞2018の入賞事例の発表をおこなうが、企画、編集、デザインとして一貫した質への想いはどうなっているのか、気が気ではない。

業務の現場で「イメージ」というと、組織戦略としてのブランディングやCI計画などということになる。最近、そうしたことに関心を示す医療機関もでてきているが、医療の場ではまず、医療者のモチベーションとしてのイメージが重要である。専門職としてのサービスの質を上げることがファンを育て、利用者の安定確保の戦略が普通である。まず、目に見える足下の地固めなしに、大企業ばりの広報展開は難しいだろう。ただ医療は、「目に見える」どころか、身体に触れるサービスであり、それまでの「見え方」が重要であるのだが、作り話しと見られては。 mitameya

写真は、筆者が終戦から高校2年の頃まで住んでいた
京都・西陣地区の中心地・千本通中立売角に今も残る(当時の百貨店丸物)時計台

BHI賞2018 一次審査を通過入選10事例一覧

2018-09-12 17:49:59 | はとはあと最新情報
BHI賞2018 〜一次審査を通過した入選10事例一覧

1) 三愛会大分三愛メディカルセンター(大分・大分市)
「“ファン”からはじまる口コミ広報〜医療のこと、かたって語ろう「メディかたる」

2) ハートフル・アマノリハビリテーション病院(広島・廿日市市)
「魅力ある動画を活用した広報活動」〜もっと職場・仕事・指導内容を楽しく伝えたい!〜

3) 偕行会(愛知・名古屋市)
「食が育む社会との絆〜医食同源を実践する偕行会グループの管理栄養士〜」

4)杏嶺会一宮西病院(愛知・一宮市)
「地域社会のヘルスIQ向上を目指して」

5) 友愛記念病院(茨城・古河市)
「ヘルスリテラシー向上の鍵は、診療情報の共有にあった」

6)博愛会(北海道・帯広市)
「ありが隊に願いを込めて」〜いつまでも社会に役割をもってイキイキ過ごしてほしい地域包括ケアシステムへ〜

7)安城更生病院(愛知・安城市)「目指せ!戦略的広報〜限られた資源で院内・院外広報を活性化する〜

8)京都大原記念病院グループ(京都・京都市)
「ウェブサイトから広がった広報活動〜わかりやすく、見つけやすい情報発信をめざして」

9)松藤会入江病院(兵庫・姫路市)
「これからの地域の健康を支える子どもたちへ『病院探検隊』を通して伝えたいこと

10)洛和会ヘルスケアシステム(京都・京都市)
「超高齢社会を見据えた広報!〜ツールを有効活用して接点を増やす!包括的広報戦略〜

以上入選事例が「入選」。10月27日午後からのHISフォーラム2018で発表し各入賞が決まります。

NPO法人日本HIS研究センター
事務局