病院広報の理解の要点は、「伝える」「聴く」「変わる」にあります。広告のように「伝える」ことを目的とするのではなく、広報は、対話をめざして常に要望を「聴く」ことを重要します。その結果、双方の利益のために「変わる」あるいは「変える」ことによって「信頼」と「絆」を深めようと考えます。これ実は、個人レベルで大切な相手に対してごく当たり前にやっている“処世術”なのです。
病院広報の私たちのHISフォーラム、今年は11月に長野市で開催することが決まっています。広報誌の出来映えだけではなく、さまざまな広報活動をふくめた広報実績で、BHI賞は事例発表に参加した演題の中から選考することになっています。広報誌、ホームページ、イベント、各種調査活動・・・いずれも医療施設の広報活動として審査し、その「目的」、「プロセス」、「成果」の面から評価することになっています。
目的は、組織の課題や問題解決を意図し、また役立てたかどうか、「プロセス」は、実際の活動、広報誌であれば、企画編集の手順やスケジュール、関わった人材などの特筆を、「成果」では、定量的な結果だけでなく、連携先や利用者の声など定性的に有効であったという実績を評価します。審査は、予選にあたる第1審査と、フォーラム・フロアからBHI賞など各賞を選考する第2審査があります。また、広報誌の出来映え、デザインの質評価については、事例として申込があった応募にかぎり事務局により委嘱した専門審査員により「デザイン賞」を別途提供することになっています。
言いたいことは、「はとはあと」評価に参加いただいた施設の方には気づいていただいたように、広報とはただ広報誌を発行することではないということです。社会との対話を通じてよりよい関係を創造する活動全般をいいます。
医療の利用には「情報が重要」であるというだけでなく、その情報活動は、いつも「健全でなければならない」ということがあります。いわば病院広報は、健全で明快であろうとする医療環境が本来もつ“免疫性”を高め、医療の質の向上と価値共有をめざす参加者の意識のアップスパイラルであり、医療や福祉経営にこそ軸として必要な活動です。
これらの一連の企画運営には多くの資金とエネルギーを必要としています。会員の皆さま、またそれぞれの関係先の皆さまの参加はもっとも有益なエネルギーとなります。当日会場へお運びいただくことがいちばんですが、事例発表にチャレンジすることこそ相互の利益になることです。最新の情報を前にした全国の医療施設の実例と体験談、またその交流にご期待ください。 (HIS研会員情報バイブレーションより)