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「複眼で観る」今春の夢を求めて

2019-02-11 13:46:39 | はとはあと最新情報
「複眼で観る」今春の夢を求めて

前号で個人的な若い経験をあえて捻じ込んで紹介したのは、柔道もアートも、方程式では解けない感覚の世界を追求した“身体知性”の成果物であること。いずれも論理の形式を束ねるだけの、科学一点張りの世界で説明のつくものではない。私なりの理解を経験の中で説明したに過ぎない。だが、こう書いてしまえば、「なんだ、当たり前の話」でないかと叱られそうだが、時にはこのような「複眼」でモノを見ていくコト、または行動していくコトが全体または要点理解・全体認識に求められることにも多々あることはご存知のとおりである。

このことは医療や介護サービスの場でも欠かせないテーマである。「患者様第一のサービスは何より大事」であり、その施設がもっとも重視する理念である旨を掲げない病院経営はないし、それなりの職員教育が行い院内掲示にも謳われていて、サービスの場に集う人々の文化としても育ってきているのは間違いない。サービスの利用者のサイドに立った専門サービス(商品)の提供という視点から評価できるのではないか。つまり医療の目的である本質部分ではないが、サブサービスとしての付加価値においていえることである。

では、医療の本質つまり病態の改善や予防、患者教育など医療が本来的に担うべき使命の部分ではどうだろうか。医療の本質は医学の適応であり、論理的な仕組みとして社会に適応している。すべてにこの本質を外すことはできない。しかし、現実には利用者の心地よさに配慮して、それなりの満足や納得感により、共感的で協力的な受療を進めることが必要である。ここに利用者の心理や感性など心身の快適性を理解した医療が求められることになる。付加サービスの満足を上げることが受療の満足を上げるという研究成果もでている。

「複眼で観る」ことこそ現実の眼差しではないだろうか。世はまさに科学全盛でありテクノロジーの時代である。好きなことが科学でできる。この理想を享受するためには、好奇心によるテーマの受け入れ、掘り下げとともに、審美眼や非言語によるコミュニケーションへの参加が欠かせない。「科学の進展が全てではなく、科学自体がアートの資質を備えている社会」が待たれるのかも知れない。人に備わった理性と感性は「複眼で観る」ものである。要は、知性を土台にした高い感性による心地よい情報社会に求められる。春よ早く来い。
mitameya190211


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