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医療の場に必要なデザインによる問題解決力を

2019-02-03 15:47:02 | はとはあと最新情報

医療の場に必要なデザインによる問題解決力を

若い頃の話で恐縮、武蔵野美術・工芸デザインの過程でデッサンの日々を過ごしたことがある。成長に役立ったのか、いまさら確証するすべもないが、これでこの世界に踏み込んだという自覚が生まれた気がしている。関西を離れ、友人の顔ぶれもコロッと変わり、身なりも目にする世界も一変した頃である。「見ること」、「見えた印象」に強い関心と自覚を持ちはじめたのである。実はそれは初めての孤独感であったかもしれない。冷たいモチーフの石膏に何度も触れながら、自分の存在を確かめるようなアトリエでの日々があった。

京都の府立高校を出た。進学を諦め柔道の縁で大阪の某電器メーカーに就職。実業団選手から東京オリンピックを目指したのだが、会社側の無理解から思うような(約束通りの)練習をさせてもらえず、折角の軽量級への機会をあきらめた経緯がある。その後、たまたま人事異動で自己申告による希望が叶い、短い期間であったが、宣伝業務を体験することとなる。偶然「デザイン」の世界を志すには、すべてを白紙にする必要があった。当時大阪にはデザインが学べる場はなく腹を決めて退職。東京・四谷の新聞配達所が宿舎となった。

その後、友人の誘いで東大阪の住道に移り、日本画の大家の自宅に下宿してが、やはりデザインとは世界がちがう。広告仲間と千林や扇町を転々、結局、両親のもと京都へ。和装・伝統産業に絡む仕事や全農連、京都大学工学部に絡む建造物や大規模文化公園の開発にも参画してきた。京滋の衆・参議院議員や知事のイメージ選挙の立案なども珍しがられてか手がけてきた。印象・認識の真理世界を整理し直し、特長づけて「強み」にする。全体をいかに整理して筋を通した強みを社会に浮き上がらせるかという(デザイン)に掛けてきた。

そのうち出会いがあって医薬品流通にも関わる。各地の医療関連企業のマーケティングや病院など医療サービスの質向上を担うため、全国を駆け巡らんばかりの忙殺の日々が続く。この間に生まれた独自の支援サービスが、HISである。他社が手を出しにくい「デザイン」の視点から、医療の場を改善する。医療・介護サービスの質を上げながら、人材の成長をサポートするとともに、いま言われ始めた働き方改革やコンピテンシーの視点から、成果と納得の実感ある現場づくりのために、デザインをツールに問題解決を行なっていく。

医療を企業に擬える理解が大手を振っているが、それは違う。人の健康や人生は百人百様。既製品の大量生産、大量消費によるマーケティングやコストダウンが指標ではない。「個別の状況に寄り添うことが基本」であるのだが、案外そんな配慮は現場にない(多分これから浮き上がる話?)。要は「景色や空気を判断して(個別に)対処する力」で成り立つ療法、一歩一歩の登山のセンスでないだろうか。観ること(観察)、看護により見通しをつけながらのデザイン、ナイティンゲールが言ったように、その芸術を全うするのが医療のチカラである。190203

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