熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

書店の書棚:ビジネス書ランキング

2015年03月04日 | 書評(ブックレビュー)・読書
   先日、時間があったので、あまり、行ったことない渋谷駅近くの書店に入ってみた。
   それ程大きな店ではなかったが、品ぞろえが非常に気配りが届いいていて、質の高いと言うか、好い加減な本の少ない上質な書店のような気がして、小一時間過ごした。

   大書店ではないので、思うように本が揃っているわけではなかったが、「2014 ビジネス書ランキングを振り返る」と言うコーナーがあって、興味をそそられた。
   「ハーバードビジネスレビュー ベスト経営書」「同書店 2014年間ランキング」等々高評価ないし売れ筋のビジネス書が、ナンバーを打って展示されていた。
   
   

   私がまず関心を持ったのは、自分が読んだ本が、この書棚にあるのかどうかであったが、幸か不幸か、「グローバリゼーション・パラドックス」「ギブ&テイク」「競争優位の終焉」の3冊。
   「ハーバードビジネスレビューBEST10論文」は、殆どHBR誌で読んでいるので読んだことになろうか。
   いずれにしても、少ない。
   ここにランクされている本で、読もうと思って手元にあるのは「未来企業」、ほかに、「ZERO to ONE」。
   若くて元気な頃なら、多少、他の本にも挑戦したかも知れないが、今では、自分が読みたいと思う本にしか興味が向かなくなっている

   この渋谷文化村通り店のランキングは、ハーバード並のハードな本が列挙されているので、専門家を交えて、中身を吟味してのランキングであろう。
   東京駅近辺の大書店のように、今流行りの日本企業の経営者たちの著書が、沢山並んでいる売れ筋しデータからの選択ではないことが分かって興味深い。
   


   もう、実業から離れて随分経つので、経営学書に向かう私の姿勢も、あくまで、自分自身の勉強と言うことになって、興味本位になっている。
   グローバル関連や世界史的な展望に立った経済学を交えた本が多くなっている感じである。

   ドラッカーが、マネジメント学を生み出したのは、自身のイノベーションだとどこかで書いていたような気がするのだが、経営学そのものが、新しい学問であるから、ここ半世紀における進展深化は著しい。
   ウォートン・スクールで勉強していた時に、当時最高峰だと言われていた経営学者アーネスト・デールの研究室を訪れて、少しお話を伺い、著書にサインを貰って帰ったことがあるが、本格的な経営学者は、当時は、まだ随分少なかったようであった。

   大学からであるから、もう、半世紀近くも、何等かの形で経営学を学んできたことになるが、若い頃は、良く分からずに、理論だけ学んでいた感じである。
   多少の会社経験を経て、アメリカのビジネス・スクールで本格的に経営学を学んだ時には、少しは分かったような気にはなっていたが、本格的に役に立ったのは、ヨーロッパに移って、ベルリンの壁崩壊前後の激動期に、切った張ったの激務に明け暮れていた時である。

   しかし、今思えば、経営学そのものが、少しずつ分かりかけて来たのは、ビジネスの一線から離れて、暇が出来て、悠々自適になって、楽しみながら経営学を学び始めてからのような気がしている。
   そう思うと、めくらめっぽう突っ走っていたあの頃の苦い経験の思い出と悔恨ばかりが蘇って来て、何となく、息苦しくなるのだが、逆に、少しは分かりかけて来たのかなあと言う安緒の気持ちも出て来て不思議である。
   
コメント
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