天体撮影ソフトと天体写真のブログ

惑星をメインに天体写真を掲載。極軸セッティング・インターバル撮影、オートフォーカスソフト頒布も行っています。

8月22日の木星 色ズレ補正用1度プリズム使用

2008-08-24 17:44:08 | 惑星
 フォーカス温度補正について書く予定でしたが、色ズレ補正用プリズム
のテストが出来ましたので先にそちらの結果を書きます。
掲載は8/16にご紹介しましたなかのNikon 1度プリズムを使用して
撮影した木星です。初めは2度のものを使用しましたが補正効果が強過ぎ
て逆に色が付いてしまいましたので急いで1度に交換しました。
アイピースで覗いた感じでは良さそうでしたが、処理画像では色彩強調の
せいもあり右に青色が出てしまいました。因みにプリズム無しでは左に青が
右に赤が出ていました。
反面、木星本体の色ズレはそれなりに補正されているように見えます。
8/10元画像では本体の色ズレが気になり、ステライメージで補正しましたが
今回は補正無しです。
以前、アイピースの後にプリズムを装着していた時は、今より高度があっても
2~4度のものを使用していましたので、今回の様に前に置いた場合は効果
が大きいのでしょうか。1度以下のものは有りませんので取り付け位置を検討
する必要があります。
ただ、気になるのは試作アダプターのプリズムの中心がずれている事です。
面が平のものでは問題無いと考えていましたが、Nikonのプリズムは対物面
が凸になっていて、その場合やはり光軸は合わせる必要があると思います。
これによる色ズレや像への影響も考えられます。どうも木星像の大きさも変化
したように思いました。
しかし、Nikonはコーティングされているので像はクリアで、無しの物では
大きなゴーストが現れました。


【木星】
2008/08/22 20h31m5s~20h32m2s 
NGT-12.5 D317mm FL1420mm
Pentax XP-8mm 、 Sony TRV900
1度プリズム使用  
露出1/30秒 約1098フレームコンポジット
Registax4、ステライメージ、PhotoShopで処理



フォーカスチェッカー・オートフォーカス試用版を公開いたします。

2008-08-20 12:14:11 | フォーカシング支援ソフト
 温度補正機能を組み込んだFocusCheckerPro3.5(オートフォーカス版)の
試用版を公開いたしました。
温度補正機能及びオートフォーカスはRoboFocus互換の電動フォーカサーが
必要ですが、無しでもマニュアルのフォーカシング支援機能はお試し頂けます。

【ご試用手順】
1.
下記URLより自己解凍ファイルをダウンロードして下さい。
http://isp.aa1.netvolante.jp/FocusCheckerPro35Trial/FocusCheckerPro35Trial.exe
2.ダウンロード頂いたファイルをダブルクリックで解凍して下さい。
  解凍したドライブに「FocusCheckerPro35Trial」フォルダが作成
  されますので、その中の「FocusCheckerPro35試用版.exe」を
  ダブルクリックで起動します。
3.撮影画像の出力先は「C:\FocusCheckerPro35Trial\Image」と
  設定されています。Cドライブ以外に解凍された場合は変更して下さい。
  変更しませんと画像を読み込みません。
4.2のフォルダ内の「TestImage」フォルダにテスト画像が有りますので
  簡単にソフトの動作をご体験いただけます。
  もちろんご自分で撮影した画像を用いる事も出来ます。
  ①テスト画像を全て選択しImageフォルダへコピーします。
   この際、Imageフォルダへの格納順が変わらないようにご注意下さい。
    順番が変わるとピントの判定順も変わってしまいます。
  ②画面右下の「測定星選択」ボタンを押し開いた画面で「読み込み」ボタン
    を押します。
  ③一番目の画像が表示されますので測定星をマウスで囲むように選択し、
   「選択確定」ボタンを押します。この際、あまり大きな範囲を選択しますと
    読み込みに時間が掛かります。
  ④元の画面に戻りますので「Fosuc検出開始」ボタンを押します。
   もし「測定星が選択されていません」とメッセージが出た場合は
   ②へ戻って測定星を選択して下さい。
  ⑤次々と画像を読み込みフォーカス値をグラフ表示します。
  ⑥最後(20番目)の画像が読み込まれたら「停止」ボタンを押しますと
    グラフからピント位置を推定し白線と黄色線の交点で表します。

    ※機能制限 1. 使用開始より60日間ご試用頂けます。
             2. 起動後3分で使用出来なくなります。

実際の使用では「Fosuc検出開始」ボタンを押しますと、撮影された画像が
指定フォルダへ保存されるのを待つ状態となりますので、何らかの方法で
フォーカサーを一定間隔で移動させながら測定星を撮影すれば、上記の方法
でピント位置を探す事が出来ます。

RoboFocus互換の電動フォーカサーを使用すれば、オートフォーカス機能で
一定間隔及び推定ピント位置へのフォーカサー移動が自動化されます。

詳しい操作方法につきましては添付の「操作説明」をご覧下さい。
また、お問合せも歓迎いたします。
明日は温度補正機能について書きたいと思います。
   

  



良シーイング・・・でも木星は撮影出来ず。

2008-08-18 15:40:36 | 惑星
 昨日は曇り空でしたが夕方少しだけ晴れ間があり木星が見えていました。
急いでNGT-12.5をセットし覗くと、まだ低空にも関わらず非常に良い
シーイングで縞模様もとても良く見えていました。ここで少しだけプリズムの
効果を試すべく装着し、あれこれと10分弱、これが災いし、DVカメラを付けて
ピントを合わせ、いざ撮影というところで雲が湧いてきて1カットも撮影出来
ませんでした。
数時間後に雲が切れてきた時は既に木星は西に傾きNGでした。
撮影出来ていればかなりの良像が期待出来ただけに非常に残念です。

P.S
色ズレですが、眼視ではよく分からなくてもDVカメラモニタでは強調される
様で、やはりカメラを装着したままプリズムを回転出来ませんと効果の確認
が困難です。さらにプリズムの交換もカメラを装着したまま行いたいところです。
または2枚のプリズムを組み合わせ回転させて偏角を連続で変化させる
方式もあり、それがベストなのですが・・・。

惑星撮影用「大気差による色ズレ補正プリズム」

2008-08-16 18:46:46 | 惑星
 昨日予告しました惑星撮影用「大気差による色ズレ補正プリズム」です。
これは名古屋の池村氏が提案されたもので、惑星撮影のベテランの方々の
殆どが使用されていると思います。中には高価な光学ガラス製のプリズムを
使用されている方もいらっしゃいますが、私は近所の眼鏡店さんから無料で
頂いた【写真1】の眼鏡検査用プリズムを改造デジカメPICONAでの撮影で
使っていました。赤の数字は視線方向のずれ(偏角)で、対象の高度に応じ
1~4度を使います。しかし、DVカメラになり、カメラアダプターを代えてから
取り付けが困難になり、しばらく仕舞い込んでいました。

【写真1】 Nikonの1、2度プリズムは対物面がメニスカスでコーティング有り。

ここにきて、木星の高度が低く色ずれも大きいので再度取り付け方法を考え、
【写真2】のような方法でアイピースの前に置いてみました。アイピースの前後
や距離により効果が変化するとの事で、まだ何度のプリズムが良いか不明で
すのでプロトタイプです。アイピースアダプターごと回転させて適当な位置を
探しますが、高度と共に変化しますので本来は外部から回転させる事が可能
な仕組みが理想です。

【写真2】 2度プリズムが青いテープで固定したフィルターリング内に
      入っています。左のアイピースホルダーに装着しホルダーごと
      回転させて色ズレの最も小さい位置を探します。
※この方法ではまだ実際の惑星で試していませんので、効果は不明です。



【写真3】 プリズム越しでは背景の「星」の字がずれて見えます。

極軸調整の結果

2008-08-15 20:50:06 | 極軸セッティング支援ソフト
 8月1日にタカハシJP赤道儀の極軸が狂っている旨書きましたが、
「極軸セッティング支援ソフト」を使って極軸方位を調整した結果を
ご報告致します。
画像上が調整後、下が1日の調整前のグラフです。当ソフトでは
極軸の狂いを赤い直線の傾きで表し、調整方向をメッセージ表示します。
傾きが「0」つまり水平に近ければ近いほど狂いは小さい事になりますが、
一目瞭然、上の画像の方が水平に近いです。
「極軸セッティング支援ソフト」の詳細は下記URLをご覧下さい。
http://isp.aa1.netvolante.jp/int_timer/#RealtimePolarSetting

また、ちょっと見難いですが、赤経・赤緯方向双方の1秒当たりのズレの
平均値も上の方が小さくなっています。
調整後のガイド撮影はまだ行っておりませんが、その結果もあらためて
お知らせしたいと思います。



【明日の記事の予告】
今日は惑星撮影用の「大気差による色ずれ補正プリズム」の取り付けを
工作しました・・・・工作というほどでもありませんが、明日ご紹介したいと
思います。