天体撮影ソフトと天体写真のブログ

惑星をメインに天体写真を掲載。極軸セッティング・インターバル撮影、オートフォーカスソフト頒布も行っています。

俄然、見え味が良くなりました。

2015-06-24 21:15:42 | 光軸調整
昨日書きました「レーザーコリメーター輪ゴム固定法」での光軸調整の結果ですが、
土星の見え味が3皮位剥け、俄然良くなりました。
光軸調整前はカッシニの空隙が明瞭ではなく、少しシーイングが崩れると
もはや空隙として見えなくなっていましたが、昨夜はシーイングが少々崩れても、
気流の下に明らかに空隙が有る事が分かりました。
また、土星本体がとても艶やかでした。
以前に使用していた日本特殊光機製25cmF6反射で得られていた土星像が
蘇った感じです。

掲載はその25cm反射で12年前に撮影した土星です。


2003年12月24日撮影
日本特殊光機 25cmF6ニュートン反射 
SONY DVカメラ TRV900





レーザーコリメーターの取り付け方法

2015-06-23 14:19:26 | 光軸調整
NGT-12.5の光軸ですが、以前にも書いている様に未だに満足いく調整が出来ていません。
恒星の焦点内像は良くても外像が同心円にならないとか、その逆とか・・・
斜鏡の取り付け位置に原因があることは分かっているのですが、その位置を探るのが
なかなか大変でした。多分コンマ数ミリ単位になりますね。

昨夜は最後の手段で、斜鏡の位置を少し変え恒星焦点内外像確認という工程で
追い込みました。
何故今までこの方法が取れなかったかと言うと、夜間にセンターリングアイピースでは、
斜鏡位置を変えた後の光軸調整が出来ないからです。
レーザーコリメーターは、アイピース固定ねじの締め加減により取り付けの再現性が悪く
使えませんでした。
タカハシの接眼部の様なリング締め付け方式ならよいかもしれませんが・・・
そこで、レーザーコリメーター取り付けに上述アイピース固定ねじを使わない方法を考案
しました。

それがこの方法です!


固定ねじに引っかけた輪ゴム固定法です。
レーザーコリメーターを接眼部に差し込み輪ゴムで押さえ、一度少しだけ浮かせて戻すと
取り付け再現性は結構良いです。
輪ゴムのテンションは出来るだけ均等になる様にします。
使用しているコリメーターではスイッチ部に輪ゴムが掛かりますので、先にスイッチを
入れた方が良いです。
このレーザーコリメーターはアマゾンで3000円弱の安物ですが、光軸は合っていました。

肝心の調整結果ですが、これまでにないほど焦点内外像が同心円に近づき、大分西に傾いた
土星が調整前よりも良く見えていました。(カッシニは全周、本体は艶やかでした)
これが光軸調整の効果なのか、単にシーイングが改善したせいなのか、今夜晴れてくれれば
結論が出せると思います。

長くなりましたが、本日は「レーザーコリメーター輪ゴム固定法」の紹介でした。

レーザー・コリメータは鏡筒先から照しましょう

2011-03-07 22:42:15 | 光軸調整
ただし、ニュートン反射の場合ですけれど・・・・。
通常は接眼部に挿入して反射光が照射口に戻って来るように主斜鏡を
調整する訳ですが、これはよく言われているように主斜鏡、更に接眼部
の取り付け位置が正しい場合に使える方法です。
ニュートン反射の光軸調整で最も厄介なのは斜鏡を正確な位置に置く
事です。あえて言えば斜鏡がニュートン反射の光軸調整を難しくしている
元凶です。ならば先ずは斜鏡を取り外しましょう。
これで邪魔者は無くなる訳ですから、残った主鏡の光軸をレーザー・
コリメータで調整します。
しかし、斜鏡が無い状態で接眼部から照射しても鏡筒内の反対側に
当たるだけです。
そこで、鏡筒先から、斜鏡スパイダーの斜鏡取り付け穴を通して、
主鏡中心マーカーへ照射します。この際、斜鏡取り付け穴の中心を正確
に通る様にレーザー・コリメータの位置を調節します。
斜鏡取り付け穴に1~2mm程度の穴を開けた紙片を貼り付けると良い
でしょう。但し中心を正確に貼り付けます。
また、レーザー・コリメータはカメラ三脚か何かに乗せて位置を調整出来る
様にします。
そして、反射光が照射口に戻ってくるように主鏡を調整します。
これで主鏡の光軸は決定しました。この後は主鏡は絶対にいじらない様に
します。
次に外していた斜鏡を戻します。接眼部には光軸調整用アイピースを付け、
斜鏡の中心マーカーが光軸調整用アイピースの中心と一致する様に斜鏡
の主鏡光軸方向の位置を調整します。
この時、なるべく斜鏡を主鏡光軸に対して45度に保つ様にします。
斜鏡調整ネジの締め付けに偏りがある場合は均等にしておきます。
斜鏡が偏心取り付けされている場合は、マーカーも偏心させます。
ここから先は一般的な光軸調整の方法になりますが、先に述べた様に
主鏡の光軸は決定している訳ですから、主鏡の調整ネジは決して触らず、
斜鏡のみの調整となります。
もちろんこの方法でも、前もって鏡筒、主鏡、斜鏡スパイダーの中心は
出来るだけ正確に一致させておく必要があります。
鏡筒内に糸を張る等、その具体的な方法は、ネット上にもありますので、
ここでは割愛いたします。

私のNGT-12.5はトラス構造で、作りもラフな為、鏡筒中心軸は有って
無い様なものです。主鏡セルは閉じているので糸を張って中心とする事も
出来ませんでした。主鏡を外すのも大変ですし・・・・。
その為、主鏡と斜鏡の中心が一致しておらず、斜鏡を付けたままで、
主斜鏡の中心マーカーと光軸調整用アイピース中心を一致させる一般的
な調整方法では、幾ら調整しても焦点内外像が同心円になりませんでした。
しかし、上記の方法で、まずは主鏡光軸を決定し、それを基準として斜鏡を
調整したところ、まだ幾らか偏心はあるものの我慢できる程度に焦点内外像
が改善されました。
これ以上は、恐らく主鏡と斜鏡の中心のズレの量が分からないと調整出来
ない様に思います。

P.S
幸いにも、主鏡に対する斜鏡のズレ方向が斜鏡偏心取り付けの方向とほぼ
一致していた様で、その想定の元に主鏡光軸を決定しました。
但し、ズレの量は正確に分かりませんでしたので、その結果、まだ焦点内外像
に偏心があるものと考えています。


等光度曲線による光軸確認

2011-02-25 13:13:01 | 光軸調整
以前使用していたタカハシε160の光軸調整確認に、ステライメージの
等光度曲線を用いた記事を書きましたが、同様の方法でNGT-12.5の
光軸を確認してみました。方法は下記URLを参照頂ければと思います。
http://pub.ne.jp/harry0923/?entry_id=2424686
http://pub.ne.jp/harry0923/?entry_id=2437468
それまでは見かけませんでしたが、この記事を掲載後、同様の方法を
試されている方もいらっしゃるようです。

一枚目画像がその結果で、若干左下に偏っている様に見えますが、
まずまずかと・・・。これは、図らずも2/18記載のCCDInspectorによる
結果と一致しています。
CCDInspectorは夜、恒星を撮影しなければなりませんが、こちらは
日中に光軸調整しながら撮影して確認できますから手軽かと思います。
因みに、二枚目画像は処理前のオリジナル画像で、この程度の明るさが
良い様です。



NGT-12.5の鏡筒はトラス構造で、そのままでは日中は外部の光が
入り放題ですから、周りを覆って遮光しました。
夜間の実撮影では、ドームがある程度外の光は遮ってくれますので、
そのまま撮影していますが、パソコン等の光もありますので、本来は
遮光した方が良いのでしょう。

P.S
他の方のブログで、タカハシεや短焦点反射等、斜鏡が偏心取り付け
されている場合、この等光度曲線は同心円にならないとの記述が
ありましたが、如何でしょうか。
以前使用のε160はもちろん、現在使用のNGT-12.5でも斜鏡は
偏心取り付けされていますが、光軸が合えば等光度曲線は同心円に
なっています。
厳密に考察していませんが、斜鏡偏心取り付けはそもそも光量の偏りを
なくす為ですから同心円にならなければいけないように思いますが・・・・。




星像・赤コマ収差ともに改善されました。

2009-10-15 15:27:24 | 光軸調整
 昨夜、ε160のスケアリングを更に追い込みました。
前日にスパイダー干渉像がほぼ対象になる様に調整したのですが四隅星像を
見ると赤いコマ収差の出方が一様ではなく、左上が特に顕著に出ていました。
この方法ではここまでが限界と判断し最終的にはやはり星像を見ながら調整
しました。
スケアリング調整ネジのお陰で微調整も可能となり、掲載画像の様に星像・
赤いコマ収差ともに大分改善されました。これ以上は現在、押しネジだけの
スケアリング調整機構に引きネジを付ける等しないと困難ですし、月の影響も
無くなりましたのでそろそろ本撮影しないと本末転倒です。
そのうちに調整機構を改良のうえ、再度トライしたいと思います。

赤いコマ収差はデジタル対応補正レンズの使用により更に小さくなるでしょうが
既にメーカー在庫は無いようですね。