天体撮影ソフトと天体写真のブログ

惑星をメインに天体写真を掲載。極軸セッティング・インターバル撮影、オートフォーカスソフト頒布も行っています。

スクゥエアリング不良 再び 

2009-08-20 16:26:10 | IRカットフィルター除去
 スクゥエアリング不良は解消したかに見えましたが、どうも怪しいので
今朝方晴れ間をぬって再度テスト撮影しました。
2時頃にはもうスバルが東の結構高い位置に有りましたので対象に
選びました。結果はご覧の通りで画像中心付近はほぼピントは合って
いますが、右上に行くに従いピントがズレていきます。
等倍拡大像で明らかにスパイダー干渉像が二重に写っています。


中心付近                右上部分

原因として考えられる事は
 1.改造時にCMOSが傾いて取り付けられた。
 2.IRカットフィルターが傾いて取り付けられた。
 3.カメラマウント部のスクゥエアリング不良。
 4.ε160の光軸不良

IRカットフィルター換装前はこれほどのズレは無かったと思いますので
やはり1、2が怪しいでしょうか。1はこれまで何度も行っていますし
今回も十分注意した筈ですが・・・。
2はフィルター枠を削っていますので可能性はありますが、フィルターの
傾きでこれほどのズレは起こるでしょうか。
1、2については再度分解が必要になりますので、先ずは3の検証の為、
使用しているタカハシ・ワイドマウントの厚さを4箇所測ってみました。
結果は以下の通りです。

        マウント上部
         23.19mm
左部 23.23mm   23.23mm 右部
         23.24mm
           下部

これは画像の上下左右の方向と一致しますの、厚さの違いの大きな上下で
ピント位置が変化すると推測されます。
計測の誤差は有るものの中心と比べて上部では40μm、下部は10μmの
ズレがあります。上部40μmのズレは明らかにピントのズレが分かる量です。
ワイドマウントの外環と内環の間にビニールテープ等のスペーサーを挟み
厚さの違いを凡そ10数μmまで調整しました。
これで4の光軸を確認したうえで再度テスト撮影し、結果によって次の手を
考えたいと思います。






フィルター除去KissD CMOSスクゥエアリング不良

2009-08-01 21:31:47 | IRカットフィルター除去
 KissDのIRカットフィルターを外したのですが、枠ごと外した為、恐らく
CMOSのスクゥエアリングが狂っているのと、ε160の補正レンズ~
CMOS間光学距離が変わってしまい、周辺で大きなコマ収差が発生して
います。
使用を考えていたフィルター厚は1mmで、オリジナルの2.8mmより薄く、
フィルターが厚くなる分にはスペーサーで補正レンズ~CMOS間距離を
伸ばせば良いのですが、薄くなると縮め様がありません。
因みに最適距離は56mmとの事で、これはレデューサーセル後端から
CMOSまたはCCDまでの距離です。
「レンズからCCDまでの距離」との記述を見た事がありますが間違い
ですね。「メタルバック」と言うようです。

掲載はIRカットフィルター除去のみのKissDで撮影したM57付近です。
ISO200、5分露出、当倍切抜きで中心星がはっきり写っています。
以前はISO200、露出8分でも良く写りませんでしたので感度は
上がっています。
中心像は良いのですが周辺では酷い収差が発生しています。
ステライメージで現像のみで色補正はしていませんが、M57周辺の
赤が良く出ています。
Hα透過IRカットフィルターを使えばもっとコントラストが良くなる筈です。
右下のムラは冷却による結露です。
フィルターを外した為、CMOSが直に空気に触れ、乾燥空気を送風しても
結露します。
この事からもやはり元の位置に同厚のフィルターを置くのが最良ですね。