岡本太郎の「明日の神話」の設置先が渋谷に決定

かねてよりその行く末が注目されていた岡本太郎の幻の超大作、「明日の神話」が、このほど東京・渋谷区の渋谷駅内連絡通路に恒久的に展示されることが決まりました。早ければこの秋にも設置されるそうです。



岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」が渋谷に-招致合戦に決着(シブヤ経済新聞)
岡本太郎:「明日の神話」東京・渋谷に設置決定(毎日新聞)
岡本太郎の壁画「明日の神話」、東京・渋谷区に恒久設置(読売新聞)

「明日の神話 再生プロジェクト」

「明日の神話」は岡本太郎が1968年、「原水爆の炸裂する瞬間」をモチーフにして描いた、縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画です。完成後、設置予定のメキシコのホテルが倒産したため、作品自体の行方も分からなくなっていましたが、どういった経緯なのか2003年、当地の資材置き場にて突如発見されました。その後、この作品を恒久展示するための施設を岡本太郎記念現代芸術振興財団が探し、広島市、吹田市、渋谷区がそれぞれ誘致に名乗りを挙げていましたが、今日、財団の選定により渋谷区に決定しました。

「明日の神話 広島誘致会」
「ハチ公から太郎へ 『明日の神話』招致プロジェクト実行委員会」(渋谷区)

 
(右は展示イメージ。シブヤ経済新聞より。)

渋谷駅の設置場所は、JR線と井の頭線の改札の間を結ぶ、「渋谷マークシティ」内2階連絡通路です。一日約30万人もの行き来のある場所とのことで、せっかく展示されたのにも関わらずあまり見る人がいなかった、というようなことはまずあり得ないでしょう。また選考の一項目として、「多くの人の目に触れること。」という条件もあったそうですが、三候補のうちでは確かに最も人目に触れる場所であるのは間違いありません。

とは言え、渋谷近辺で誘致運動をなさっていた方には申し訳ありませんが、私としては作品のメッセージ性を鑑みると広島が良かったのではないかと思いました。渋谷の誘致プロジェクトのキャッチフレーズに「ハチ公から太郎へ」とありますが、それが別の機会に「太郎から○×へ」などとならないことを願いたいです。ともかく作品が大切にされるのを望みます。



ちなみに同作品は現在、東京都現代美術館の常設展示室内に仮展示されています。(6/29まで。)静かな環境で見る最後のチャンスかもしれません。写真撮影も可能なので、まだご覧になられていない方は一度木場まで足を伸ばされるのも如何でしょうか。

*関連エントリ
「MOTコレクション ポップ道」 東京都現代美術館(開催中の常設展示)
岡本太郎の「明日の神話」と「汐留アート塾」 inシオサイト(2006年に公開された汐留でのイベント)
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