「石川結介 A Few Shields」 ラディウム

ラディウム中央区日本橋馬喰町2-5-17
「石川結介 A Few Shields」
3/7-29



ヴァイスフェルトからラディウムと名を変え、六本木より馬喰町へと移転した同ギャラリーのオープニングを飾る展覧会です。「ウォールぺィントアーティストとして豊富なキャリアをもつ」(TABより。)という石川結介が、ラディウムに一種の『宝石』をはめ込んでいます。

ともかく圧巻なのは、二階メインスペース壁面を覆い尽くす、縦2.3メートル、横3.6メートルはあるかという巨大壁画「DROP」です。壁に直接描かれた、まさに七色に煌めくダイヤが、メタリックな質感を漂わせながら、眩いばかりの光を発してキラキラと輝いています。表現方法は平面でありながらも、その各面の組み合わされた空間は立体的で、一種の騙し絵的な鏡面世界が無限に広がっているようにも見えました。また宝石のようでもありながら、どこかSF的な宇宙に浮かぶ銀河の輝きとも言えるような、モチーフより由来する様々なイメージを喚起させるのも大きな魅力です。そして、あたかも桜の花びらが舞うかのような粒が、この結晶の硬度、もしくは光度をより強くしています。その他、ボードに描かれた同様のドローイング等、せめぎあう輝きに空間全体の重力が歪むかのような錯覚さえ与えられました。

壁画「DROP」は、壁に直接描くという作品の性質上、展覧会終了後には消されてしまいます。その意味でのこの輝きは、まさに有為転変のものと言えるのかもしれません。ちなみにこの作品を『買う』と、作家本人が指定された壁面へ描きに来るのだそうです。(今回の「DROP」は、石川が画廊へ泊まり込み、約5日間で完成させています。)

ラディウムの外壁に、石川が新たな壁画を描くという構想があるということを聞きました。是非、実現していただきたいものです。

今月29日までの開催です。おすすめします。
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