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YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

西風の神ゼフィルスと呼ばれる蝶たち

2022-05-25 22:05:00 | 昆虫・蜘蛛



この季節になると現れる樹上性のシジミチョウがいます。それがゼフィルス(西風の神)と呼ばれる蝶たちです。ギリシャ神話に登場する、春から初夏にかけて吹くそよ風を運ぶ神様の名前。

その神様の名で呼ばれる蝶たちは、1年に1回だけ、初夏から夏にかけて出現します。「森の宝石」とも言われる美しい蝶の総称。日本には25種生息すると言われていますが、私はまだ2種類しか見たことがありません。



こちらはアカシジミ。なんて美しい羽!!



そしてこちらがウラナミアカシジミです。

どちらもクリの花に集まって吸蜜している様子がよく目撃されます。




ひょっとしたらこちらも

すでに生き絶えたミドリシジミかなぁ?



どうやら蜘蛛に捕まってしまったようです。これもまた自然の摂理。


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密着42日間!アオスジアゲハの卵から羽化まで

2022-05-22 06:00:00 | 昆虫・蜘蛛



小満になると、虫たちの活動も活発になり、ついに羽化した成虫たちが新たに産みつける卵も目立ってきます。

そんな卵を持ち帰り、育ててみるとものすごくたくさんの発見があるものです。育てるからには覚悟も必要ではありますが、ついつい持ち帰って、途中で後悔するのです。

写真はアオスジアゲハの卵。



とても綺麗な蝶です。

翅の青い部分には鱗粉がなく、元の羽の色が見えています。逆に黒い部分は鱗粉で覆われています。



さて、この美しいチョウはクスノキの葉を食べて育ちます。



クスノキは巨木、古木も多い、常緑高木。アオスジアゲハの幼虫は木の高いところで育つとばかり思っていたのですが、意外にも下の方に生えてくる新芽にたくさんの卵が産み付けられているのです。



クスノキはこの季節に新芽を伸ばすんですね。そして、そこを狙って産卵するわけです。なるほど〜。

卵はしばらくすると透けて、中の様子が見えてきます。



孵化が近い証拠です。顕微鏡で見ると、中でもぞもぞしているところも見えるのでびっくり!!



孵化したての幼虫は黒くてトゲトゲしています。これが脱皮すると、抹茶色の頭でっかちなニ齢幼虫になります。


いつも同じ葉で休み、葉を食べに出掛けてはまた同じ場所に戻ってくるようです。

そうして4度ほど脱皮を繰り返し、食べる量も出す量もどんどん増えていきます。初めは柔らかい新芽しか食べないのですが、最後はかたい葉もバリバリと…。



ちなみに、葉があるからと安心してはいけません。かたすぎたり、枯れかかってきていたりすると、餌切れを起こします。

そんなわけで、夜中にあわてて餌をとりに行ったりしつつ、ようやくこぎつけた蛹化。



ここまで来れば一安心。あとは羽化を待つばかり。

やがて目とおぼしき膨らみが見えてきて、中の翅もすっかり透けて見えるようになります。



ついに羽化の始まりです。殻が破れて体が全部出るまでの時間は5分とかからない早業。

そしてその途中、殻の中に蛹便(余分な体液)を出します。



出てきたアオスジアゲハは、体液を羽に送り込み徐々に広げていきます。時間にして1時間ほど。

わずか1mmで生まれてきたあの幼虫が、青く輝く美しい姿に変身!!
いったいあの殻の中にどうやって収まっていたのでしょうか。
 
生き物を飼育するのは、本当にハラハラドキドキの連続。毎回命を預かるということの重さを感じます。
だからこそ無事に育ってくれた時の安堵感と感動はひとしおです。

さてさて、アオスジアゲハの飼育の記録を動画にまとめてみました。脱皮や羽化の様子も何とか撮影できましたよ。3分ほどですので、よろしければご覧ください↓




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白い蝶じゃなかった!?キアシドクガの群舞

2022-05-14 06:00:00 | 昆虫・蜘蛛



益々緑が濃くなってきました。公園散歩には、そろそろ虫除けスプレー、虫刺されの薬が必須です。できるだけ肌の露出を避け、毛虫に備えて帽子も忘れずに!!

さて、そんな緑の天井を見上げると…



???

画像で確認するのは難しいですね。
このあたりです…



優雅に舞い飛ぶ真っ白な虫たち。ひらひらと動く姿から、チョウかと思えば、その正体は蛾!?
キアシドクガの大群です。

年によって違いはありますが、そろそろ公園上空をひらひらする頃。



昼間に活動する珍しい蛾です。
姿形はこんな感じ。




名前の通り足が黄色いんです。

あまり地表でじっとしていることはないので、ひょっとしたらこの個体は羽化直後なのかもしれません。



頭のところがもふもふで、白いローブを羽織っていて、全体的に気品に溢れています。チャームポイントの黄色い脚にも毛が生えているのですね!

観察力のない私は、いつも写真を見てからいろんなことに気がつきます。写真大切!!

サナギも発見しました!!
かなりユニークです。



なんとなく、チョウは美しく、蛾は地味な存在と思いがちですが、海外では蝶も蛾も区別がなく、どちらもバタフライなんだと聞きました。

実際、ジャノメチョウやセセリチョウのように一見地味なチョウもいれば、このキアシドクガ(それにしても毒々しい名前)のように優雅なガもいます。

キアシドクガは数年に一度大量発生するらしく、食草のミズキやエゴノキを枯死させてしまうほどの勢いで増えるそうです。

ひらひら舞う姿は美しく、のどかなのですが、これだけの数の毛虫が少し前まで公園内を徘徊していたのかと思うと、さすがに鳥肌もの(^^;;

自然と共生するというのは、いろんな側面があり、日頃大自然から離れて暮らす都会人には、想像以上にハードルが高い!!



小さな子どもたちに美しいものを美しいと感じる心を育てていきたいです。



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そろそろかな?ウグイスの初鳴きと春のチョウたち

2022-03-10 06:00:00 | 昆虫・蜘蛛


生垣からウグイスの美しい囀り。風の噂であちらこちらから初鳴きの情報が届くと、そわそわとしてきます。ウグイスが鳴き始めると春のチョウたちもひらひらと飛びはじめます。


キタキチョウもひらひら

つい最近までモンキチョウかと思っていたら、紋がないからキチョウなのですね。最近はキチョウも分類が進んでいて、この辺りで見られるキチョウは、基本的にキタキチョウみたいです。



キタキチョウと同じように成虫で越冬したテングチョウやキタテハなどもひらひらと舞い始め、繁殖のシーズンに入ります。

キタキチョウ


テングチョウ


キタテハ


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テントウムシ活動再開!

2022-03-08 06:00:00 | 昆虫・蜘蛛



成虫で厳しい冬を越えたテントウムシ。啓蟄ともなると、活動も活発になり、早くも産卵するものが登場します。ナナホシテントウやナミテントウが有名ですが、国内だけでも20種類以上もの仲間がいます。



ナナホシテントウ(テントウムシ科)
分布: アジア、ヨーロッパ、北アフリカ

ナナホシテントウは全国に分布し、よく見かけるテントウムシ。赤地に黒い点が7つ。よく目立つ姿は敵から身を守るための警告色と言われています。

触ると脚の関節から嫌な匂いのする黄色い体液をだしたり、死んだふりをしたり、そもそも体内にアルカロイド系の毒を持つので、鳥に捕食されることはまずありません。

それは幼虫も同じ。



このゴツゴツとしたヤツがテントウムシの幼虫。

上の写真はナミテントウの幼虫ですが、ナナホシテントウの幼虫もこれによく似ています。

ちなみに蛹はこんな形でやっぱり奇天烈!!!



幼虫やさなぎで越冬するトホシテントウは、もはや地球外生命体といっても良いのでは!?
↓↓↓





なお、ナナホシテントウやナミテントウなど、多くのテントウムシは成虫で越冬します。ナミテントウは集団で越冬することが有名ですが、ナナホシテントウをはじめ、多くのテントウムシ、単独、もしくは少数で冬を越します。



さてさて、ナナホシテントウはアブラムシを食べてくれるので、農家の皆様やガーデナーには益虫として大事にされています!!

幼虫は1日に20匹、成虫は100匹程度食べるそうです!!



ハウス栽培などでは、農薬の代わりにテントウムシを使うところもあるようで、そのためのテントウムシが商品化されていたりもします。飛べないヤツとか…。役だ出てるんですねぇ〜

でも、同じテントウムシでも、葉っぱを食べる害虫もいるので要注意。

例えばこちら↓


ニジュウヤホシテントウ

ジャガイモをはじめ、ナス科植物が大好物。



てんとう虫の寿命は孵化から羽化までが20日、成虫になってからが2ヶ月ほだと言われています。ただし、秋に羽化したものは越冬し、アブラムシが現れる頃産卵して、その命を引き継ぎます。


2020.2.21

この黄色いつぶつぶがナナホシテントウの卵。写真は2月の下旬に見つけたもの。

こんなに早く産卵して餌はどうするのかなぁって心配していたら、ちゃんとアブラムシも活動を始めていました!!


2020.3.4

生き物ってすごいなぁ…!!!!!

ところで、ナナホシテントウのメスは短い一生のうちに1回に30 個、平均1600個近くの卵を生むってwikiに書いてあったのですが、本当かなぁ????

単純計算で53回産まなきゃならないわけで、つまり成虫になったら毎日ひたすら産み続けるってことですよねΣ(゚д゚lll)

でもって、その卵が育つために必要なアブラムシは…

幼虫時代 20匹×20日 400匹
成虫時代 100匹×60日 6000匹

で、1匹の雌が産卵する数が1600匹

6400×1600=約1000万

もちろん途中で命を落として最終的には雌雄1対が残るのでしょうが、途中まではアブラムシを食べるとして、

その数1割としても100万匹!!!!!



可愛い姿をして、実はかなり獰猛なのです。

なお、テントウムシに対抗するアブラムシの生き残り作戦に興味がある方はこちらの記事をアブラムシ物語

なお、目のように見えるのは体の模様。



これはキイロテンウですがナナホシテントウやナミテントウも同じように「目に見える模様」があります。何か意味があるのでしょうか???

本物の目はこちら↓



けっこうびっくりー!
目の模様は、「胸」の部分についているのですね。「頭」はその先にちょこんとついています。

最後にこれまで出会ったテントウムシたち。日本だけで25種以上いるそうなので、まだまだ探したりませんが…(^^;;


ナミテントウ(5〜8mm)


キイロテントウ(4〜5mm)


ニジュウヤホシテントウ(6〜7mm)



ヒメカノコテントウ(4mm)


シロボシテントウ(3〜4mm)


ハラグロオオテントウ(11〜12mm)




ムーアシロホシテントウ



ウスキホシテントウ(3〜4mm)



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