湿っ地屋敷
20140827
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十四事日記8月(7)思い出のマーニー×種田庸平展 in 江戸東京博物館
8月20日、息子との江戸東京博物館へのおでかけ。昼ご飯を食べたあと、特別展の「思い出のマーニー×種田庸平展」、見ていくかどうか、息子に聞きました。
姉娘が病院の日で、いっしょに来られなかったので、姉思いの息子くん、「う~ん、姉もジブリ好きなのに、先に見ちゃったら、怒るかな」と、気にしています。娘は、8月22日もおばあちゃん(姑)の病院付き添いです。
「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」は木場の現代美術館で開催していたので、私は「マーニー」も現代美術館だと思い込んでいて、「日本発掘展」を見た後、ひとりで現代美術館へ行くつもりでした。しかし、今回は現代美術館ではなく、江戸東京博物館での開催。だったら、息子もいっしょに見たらどうかと思ったのです。学生割引の息子チケット代1040円は、母がおごるから、と。
ディズニーアニメもジブリアニメも大好きな息子と娘、「思い出のマーニー」のメイキング番組もテレビで見ています。ただし、娘は「家族とおしゃべりしながら見たいから、劇場で見るのはいや」という鑑賞法。マーニーを家族で見るのもずいぶんと後になると思いつつ、みなで、マーニーのメイキング番組を見たのです。こだわりの作画、スタッフ一同、いかにしてこまかい描写に情熱を傾けているか、など知りました。
マーニー展示、とてもよかったです。種田陽平のスケッチ、美術、アニメーター出身の米林監督の絵コンテなど、映画を見る前に、マーニーの世界を味わえて、映画への期待も高まりました。
会場内は撮影禁止ですが、入り口の前に、記念撮影用のパネルが置いてあり、子どもたち、かわるがわる記念撮影をしていました。
物語の舞台「湿っ地屋敷」のジオラマ。マーニーとアンナが訪れる漁師小屋、そしてマーニーの部屋やサイロ内部などが、実写映画のセットと同じ作りで再現されていました。精巧繊細な美術にあらためて映画のシーンを思い出させるセット。映画を先に見た人にとっては、もう一度映画を見たいと思わせる美しいセットです。
まだ見ていない私には、娘は家で家族でわいわい話し合いながら見たいというけれど、私だけ一人で劇場で見ちゃおうかなと思わせる美術でした。
映画「マーニー」は、ディズニーの「アナと雪の女王」に比べるととても地味な出来で、小さな子どもにもわかりやすいディズニーのストーリー展開に比べ、「マーニー」の客の入りは今ひとつらしいです。
繊細な心の動きを画面に表現している映画という評判、私は楽しみにして見ます。
ジブリの今後を背負っていく米林宏昌(愛称マロ)。宮崎駿が長編アニメからの引退を表明し、今後のジブリはどうなっていくのかと、アニメファンが気をもんでいるときですから、「マーニー」がコケたりしたら、次が作れなくなってしまう。今のところ、8月までの興行収入では、制作費ぎりぎり回収がやっとのことで、次回作の制作費は無理かも知れません。1本のアニメで100億の興行収入がないと、ジブリを維持していくことができないそうです。
せっかく美術監督に種田陽平を招いて美しい画面を作り上げたのに、どうなるこれからのジブリ。
グッズ売り場で、私はいつものように、絵はがき購入。息子は姉の反応を気にして、「いっしょに行かなかったおわびのおみやげ」をいろいろ買い込んでいます。マーニーの絵が描かれたボールペン、シールなど。
娘は、弟クンを連れて行かない時に、私とふたりだけで外食しても、まったく気にしないのに、姉の「絶対子分」格の息子は、姉ぬきで外食したことがバレると怖い、と思っているのです。この秋には26歳になるのに、気分は5歳のとき母と別れて9歳の姉とともに群馬のじいちゃんちに預けられて、姉に世話をされていたときのままの姉弟関係です。
8月12日に娘と「父の目の手術平癒祈願」に根津神社へお参りに行って、帰りに本郷の「用心棒・本号」というラーメン屋によったときも、「ま、弟には、カップラーメンでも作ってやるさ」と、次郎系ラーメンという豚骨背脂のこってりラーメンを食べて帰りました。
娘は、「私もマーニー展見たかったのに」と、文句を言いましたが、マーニーの絵のボールペンで少しは機嫌をなおしました。8月22日もおばあちゃんの病院付き添い、こんなばあちゃん孝行をしている娘だもの、きっとそのうちいいことあるよ。
根津神社が何に御利益があるところかよく知らなかったけれど、夫の平癒祈願より念入りに娘の良縁祈願をしておきました。
根津神社
<おわり>
美しいですね。
考古学を学びたかったとのお母さまを始め、
お嬢さまが、「家族とおしゃべりしながら見たいから、劇場で見るのはいや」だとのこと。
ステキナご家族ですね。
根津神社で、ご主人様の平癒祈願と、お嬢様の良縁祈願をされたのですね。
わが家の姫の良縁祈願、切実です(笑)
壁紙の模様を専門に描いた女性の名前を見て、アニメ映画では背景のなにげなく見過ごされてしまう壁紙のもようも、一生懸命にこの絵柄を描いた人がいるのだと、感慨を深めました。
「思い出のマーニー」、「穴の雪の女王」に比べてヒット作品とはいえないですが、私は期待を持ってみたいとおもっています。
ほうせんさんのお嬢さん、うちの娘、まだ御縁に恵まれないのは、親としては気がもめるところですが、こういう時代ですし、娘一人で生きていってもなんとか生きていけるだろうと、気長に待つことにしています。
孫の顔は見られないかも知れませんが、まあ、それも我が運命。
彼は岩井俊二の『スワロウテイル』を観て種田さんと仕事をしたいと思ったそうですが、自分もこの映画からこのひとの存在を意識するようになりましたねー。
『悪人』の、柄本明の床屋さん。
あれは館林で撮影されたって、前に書きましたっけ。監督がイメージする床屋さんを探すため、種田さんは歩いて歩いて、やっとのことであそこを見つけたらしいです。
工房のなかでチマチマやるだけが映画美術じゃないんですよねぇ、背景として映るものすべてに関わっているみたいです。
映画だけでなくperfumeのPVセットも手がけていたりするので、自分にとってはかなり身近な存在ですが、ジブリは商売上手だなと感心しました。
種田さんと組むというのは、おそらく鈴木Pの考えだと思います。
さて『マーニー』。
自分は好きです。『アナ』よりも。
ただ、そんな『マーニー』も、今年の『クレヨンしんちゃん』には負けますが。
種田陽平のプロフェッショナルは、再放送を娘が録画していましたので、あとでいっしょに見ることにします。
悪人の床屋も灯台もよかったし、スワローテイルも独特でした。
映画って、ほんとうに音も色彩も、いろいろな人々の力が寄り集まってできているんですね。