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ぽかぽか春庭「竹林之七研 in 現代美術館」

2024-08-27 00:00:01 | エッセイ、コラム

20240827
ぽかぽか春庭アート散歩>2024アート散歩盛夏(7)竹林之七妍 in 現代美術館 

 8月第3水曜日シルバーディ。現代美術館に出むきました。
 現代美術に弱い、と常々思ってはいるのですが、現代美術館が第3水曜日のシルバーデイを再開したと知ったからには、出かけずにはおくものか。8月21日。平日のお昼過ぎですが、なかなかの賑わいです。私が出かける美術館は概して「本日もシルバーデイ」みたいな館が多いのに、さすが現代美術!若い人も多かった。無料ときけばどこにでも出張るジジババもいたけれど、現代美術と相性悪そうな。私もね。
 メインは高橋龍太郎コレクションですが、現代美術館所蔵作品展もついでに観覧。展示タイトル「竹林の七研」は、竹林の七賢のもじりで、七人の美女が「妍を競う」ようすを描いた絵を最初に展示。現代美術、女性アーティスト7人を特集していました。私の知っていたアーティストもあるし、はじめて見た作品もありました。

河野通勢「竹林之七研」1923

 
現代美術館の口上
 1階では、「竹林之七妍(ちくりんのしちけん)」と題し、新収蔵作品を中心に7人の女性作家に焦点を当てます。「竹林之七妍」とは、東京都現代美術館が所蔵する河野通勢の作品名に由来します。この作品では俗世を離れて竹林に集い清談を交わす古代中国の7人の賢者「竹林の七賢」が、鮮やかな衣装を纏った女性に変えて描かれています。時代や文化といった背景の異なる7人の女性たちが光の射す竹林のなかで花や鳥に囲まれて和やかに集うさまにならい、このたびの展示では、同館でこれまで紹介する機会の少なかった女性作家に光を当てることにしました。作品名にある「妍」とは、一般に姿かたちの麗しさや優美さを意味しますが、本展示では、美というものに対してどのように取り組み、作品としてきたかというそれぞれの美術家の活動を意味するものとして考えます。生誕100年を迎えた間所(芥川)紗織と高木敏子、漆原英子と小林ドンゲ、前本彰子は新収蔵作品を中心に展示します。福島秀子と朝倉摂は既収蔵作品をまとまったかたちで紹介します。

 

 高木敏子と間所(芥川)沙織は、生誕百年という記念の年の特集。高木は糸による立体作品が展示されていました。 

高木敏子(1924-1987)「花」ほか


間所(芥川)沙織(1924-1966)「イザナミノミコトの国造り」1955


間所(芥川)沙織「女Ⅺ」1955


福島秀子(1927-1997)「自画像」1940

福島秀子「Whiter BlueV」1982


小林ドンゲ「薔薇BlueMoon」1954

小林ドンゲ「青い蝶」1954


朝倉摂「群れ」1994

朝倉摂「不詳」1922-2014


朝倉摂「1963」

朝倉摂「神話の廃墟1」1964

漆原英子「The Snow Man」1956


前本敦子「深海のアネモネ」1992
 
前本敦子「パンドラの箱の中で2002」


 1階ではあわせて、コンセプチュアルな制作を通して創造行為を探求し続けてきた野村和弘の特集展示を行います。3階では「Eye to Eye—見ること」
 3階では「Eye to Eye—見ること」と題し、様々な視線の在り方に着目します。アレックス・カッツや中村宏、中園孔二などの絵画に描かれた視線を入り口に、反射する素材を用いた多田美波やモニール・ファーマンファーマイアンの彫刻、廃墟に錯視的なインスタレーションを作り出し写真に収めるジョルジュ・ルースの仕事、見えるものと見えないものとの間に遊戯性をもたらす開発好明のインスタレーションなど、多岐にわたる作品で構成します。さらに、絵画は「見るもの」ということを真摯に問い続けてきた画家、長谷川繁の特集展示を行います。  
 ついでに見た館所蔵展示だったけれど、思いがけず中園孔二の作品を見ることができました。芸大油絵科在学中から注目され、香川県移住後ひとりで材木置き場をアトリエにして描き続けた中園。私が彼の名を知った時にはもうなくなっていました。夭折の天才画家、という名を負う中園。香川の海辺へ自転車で出かけ、海に入り、そのまま行方不明になりました。25歳。生前何度かギャラリーで個展を開き、美術館での展覧会も開かれてきたのですが、私はのアンテナ感度弱く、見たことがありませんでした。中園の作品に出会えてよかったです。2024年6-9月に丸亀市の猪熊源一郎現代美術館で展覧会があるのですが、遠い。東京現代美術館での開催希望。

「無題」2010           「無題」2012
 

 竹林之七研入り口前で






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