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ぽかぽか春庭「にっぽんの里山展 in 写真美術館」

2024-08-10 00:00:01 | エッセイ、コラム

20240806
ぽかぽか春庭アート散歩>2024アート散歩夏(2)にっぽんの里山展 in 写真美術館

 写真美術館、第3水曜日シルバーディに観覧。2Fの「にっぽんの里山」展、NHKの番組で写真家の今森光彦さんのお姿はよく見ていましたが、テレビで見る以外に、まとまった写真展を見るのは初めてです。

 2階ロビーの大きなパネル


写真美術館の口上
 世界の熱帯雨林、砂漠から、国内の自然環境まで、自然と人との関わりをテーマに美しい映像と親しみやすい文章で伝えつづける今森光彦。東京都写真美術館では、自然写真家・今森光彦の「にっぽんの里山」を開催します。
 幼いころから昆虫の生態と美しさに魅了された今森は、世界中の昆虫を求めて精力的に取材活動をつづけ、既成の生態写真にとらわれない独特な自然観に基づく作品は、内外で高い評価を得ています。また、故郷である琵琶湖周辺を中心とした「里山」と呼ばれる空間を見つめつづけ、自然と人との絶妙なバランスで生み出される里山を映像化してきました。本展覧会は今森が出会った日本全国200カ所以上の里山の中から、厳選した作品を紹介するシリーズ最新作です。
里山をめぐる今森の旅は、自然と人が調和する空間を鮮やかに浮かび上がらせ、美しく多様性に富んだこの国の自然に気づかせてくれることでしょう。今森光彦のライフワーク、里山シリーズの全貌が解き明かされる「にっぽんの里山」にご期待ください。

展示室




 日本の里山は、全国的に「絶滅危惧」の状態にあります。大きな町の周辺では開発の波が進み、雑木林を伐採しつしたり、低山まるまる平らにならしてしまったりして、宅地化されているようです。山にしておいたら山菜やきのこくらいしか現金化できませんが、宅地にしてしまえばひと財産手に入ります。山や森の所有者に、それを禁じることもできない今の土地管理ですが、他より高めの土地代が手に入るからと、外国資本の土地開発会社などに日本の土地がどしどし売られていることを思うと、釈然としないこともあります。土地は全国土「国有」という国家のもとでは、富裕層であっても土地を手にいれることはできません。日本の土地を私有することは、子孫への相続も考えるとこんなによい投資はありません。

 今森さんもインタビューなどで、「里山を保全することの価値に人々が気づいてほしい」と述べておられました。美しい里山の景色も、昆虫や鳥、動物たちの姿のすばらしさに感嘆しても、里山がなくなるご時世は進むことをなげきながらの写真鑑賞になりました。

 海岸を埋め立てて白砂青砂もなくなり、山は削られ、ウサギを追った山も小鮒を釣った川もなくなったこの国に、美しいふるさとは消えていくばかり。

今森の里山



 

 写真にはすべて撮影場所と撮影日時が明示してありましたが、はたして10年後に同じ写真が撮れるのは、どのくらいでしょうか。
 残ってほしい、残してほしい。かなわぬ願いでしょうか。

<つづく>
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