医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

デスクワークと糖尿病、心臓発作のリスクについて 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-05-06 22:35:19 | 健康・病気

一日中座ってデスクワークをすることは、寿命を縮め、糖尿病や心臓発作のリスクを二倍にすることがLoughhorough大学やLeicester大学の研究者などにより、明らかになりつつあります。ほとんど体を動かさず、座って仕事をする人々と農業や建築・土木などの体をよく動かす人々の間では、健康上の結果に於いて大きい違いをもたらすことを、彼らは発見しました。

ほとんどの時間を座って仕事をしたり、勉強したりする人々は、糖尿病のリスクが112%で、そうでない人々に比べて、より大きいものでした。心臓発作や脳卒中発作などの心臓血管系疾患のリスクでは、もっとも体を動かさない人々は、最もよく動く人々に比べて、147%ほど増加しました。

彼らは、総数794,577人の被験者で18に及ぶ研究結果を分析し、もっとも長い時間座っている人々ともっとも短い時間座っている人々の間の健康上の結果に大きい違いを見出しました。

"Diabetologia"誌に発表された研究論文によると、いろんなレベルの、体を動かさない人々でのデータを分析し、もっとも長時間座って過ごす人々は、最もよく動く人々と比較した時、糖尿病のリスクが112%ほど増加しました。同様にして、心臓発作や脳卒中発作のような心臓血管系のトラブルのリスクは、もっとも長く座っている人々では、147%程増加し、心臓疾患と結び付いた死は90%程でした。

どのくらいの時間座って過ごすのが最も長いかは、研究から断言できませんが、彼らの経験からは、半時間ごとに少なくとも5分座るのを止めて、動くことが、健康に有益のようです。平均的成人は、彼らの時間の50%から70%程座って過ごします。座っている時間を減らすことが、
糖尿病、心臓病のリスクを減らす可能性となります。

ロンドンのバス運転者は、車内をよく動くその車掌に比べて、2倍の心臓発作になるという、研究結果も有ります。結局、中程度の、活発な身体的活動と健康の間の関連を、大規模に調査することが、今後の課題と考えられます。更なる研究を期待しています。

ところで、話は変わりますが、ウイルス・細菌、糖尿病、動脈硬化、それに運動不足など、いろんな原因で心臓が石灰化すると、血流は減少する可能性が有り、そのことは、心臓発作を引き起こします。肺での石灰沈着は、呼吸困難をもたらし、関節の石灰沈着は、激しい痛みをもたらしますが、石灰沈着化の程度によって、臨床症状に違いをもたらします。いずれにしろ、いろんな臓器が硬くなるのは、寿命を縮めることになると、考えられます。

Reference

Having a desk job leads to a shorter life as sitting down all days doubles  the risk of diabetes and heart attacks: Mail on line, 15, October 2012