医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

うつ病、統合失調症とビタミンD,ビタミンB6、補酵素Q10について 日本ビタミンC研究会 

2013-05-23 17:00:42 | 健康・病気

北欧では、パプア・ニューギニアに比べて、うつ病が多く、気候や日照時間、それに食物が関係していると言われており、その一つにビタミンDの摂取量(日照不足によるのも一つの要因になり、その不足が、うつ病発症の一つの要因であることが、新し研究により明らかになりつつあります。また、アイルランド(石ころだらけの痩せた土地に冷涼な気候)もパプア・ニュ―ギニアに比べて統合失調症が多い、と調査で明らかになりました。なお、パプア・ニュ―ギニアは、熱帯雨林帯に属しトロピカルフルーツなど、海の幸、山の幸が豊かです。このうつ病や統合失調症の発症の差の要因は、遺伝因子だけでなく、気候や食事パターンも関係している可能性が有ります。

多くの研究では、うつ病、統合失調症を含む精神障害とビタミンD(ここでは主にビタミンD3を言います)の間の関係に焦点を合わせています。J.J. McGrath博士らの研究によると、出生時のビタミンDの血中濃度が異常に低いか、異常に高いデンマークの乳児は、その濃度が正常値の乳児に比べ、統合失調症を発症しやすい、と報告されています。更に、出生後の一年間にビタミンDを与えると、その後の統合失調症の進行リスクを減少させました。まだ証明されないでいることは、その後のビタミンDの補給がその症状を改善さすかどうかです。更なる、研究を待っています。

次に、ビタミンDの欠乏は、うつ病と双極性障害(躁うつ病)の原因の一つになります。G。 Parker博士らは、ビタミンDの欠乏が、うつ病の原因か結果かどうか明確ではないが、うつ病の一般的な治療法として、ビタミンDを勧めるのには、不十分ながら、証拠(エビデンス)があります。北欧の食事パターンや住む所によるビタミンD値が低いうつ病患者は、ビタミンD欠乏症になりやすい傾向があります。また、ビタミンDを摂取しすぎると、統合失調症に成りやすいという、研究も有りますので、適正量(1,000国際単位/日以下)の摂取が望まれます。なお、脂溶性ビタミンなので、過剰摂取には注意を払って下さい。

ビタミンB6は、うつ病や統合失調症の治療のため、もっとも頻繁に摂取されているビタミンです。このビタミンは、蛋白質、アミノ酸代謝を円滑にし、セロトニンの合成に関係しています。うつ病に対しては、著しい効果はすくないが、閉経前期の女性では、著しい効果が認められました。ホルモン量の変化に伴ううつ病の婦人には、有効である可能性が有りま。また、統合失調症のナイアシン・グリシン療法にも補助的に投与されています。治療適正量は、体質、体格にもよりますが、100mg/日以下が安全量と考えられますが、アレルギー体質や腎臓の悪い患者は、医師・薬剤師に相談下さい。

次に、Hoffer博士は、統合失調症の治療に高単位のナイアシン、補酵素Q10を用い、上昇したアドレノクロム値を低下さすことにより、素晴らしい結果を得ています。ちなみに、ナイアシンと補酵素Q10は、統合失調症の原因物質の一つのアドレノクロムのメチル基をキャッチする性質が有ります。

References

A massive dose of vitamins for depression and schizophrenia: LIVESTRONG. COM, Jun 12, 2011

Neonatal vitaminD status and risk of schizophrenia: Archives of General Psychiatry; J.J. McGrath, et al.; Sept 2010

VitaminD supplementation during the first year of life and risk of schizophrenia:Schizophrenia  Research, J.J. McGrath, et al. april 2004

D for depression: Acta Psyciatrics  Scandanavica: G. Parker, et al. April 12,2011