医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

統合失調症とビタミン・ミネラルについて その一 栄養医学ブログ

2011-03-24 19:19:17 | 健康・病気

 ビタミンのniacinとniacinamideは統合失調症状を改善する可能性があり、NAD(niacinの補酵素型)も同様の効果があり、しかも、もっと速効性であり、少量の投与量でよく、副作用がないと、Hoffer博士は述べています。また、NADは統合失調症状の改善作用があるようです。すなわち人とのcommunicationの改善。なお、NADは米国では、ビタミン・サプリメントで販売され、日本でも入手できます。

 次に、慢性精神症状におけるビタミンCの重要な対照試験を、ミルナーが1963年報告し、その結論は”全面的人格の改善を伴った抑うつ、そう狂、および偏執らの複合症状の統計学的に著明な改善が、ビタミンCがもたらす血中濃度により得られる゛ということであった。これらはVB6,VB12,VB3等の併用により、効果が高まります。また、多くの統合失調症状はビタミンCの代謝率の増大を示します。原因は遺伝的体質です。したがって、そうでないヒトより多くのビタミンCを摂取しないと、同じ血中濃度を維持できません。よってビタミンCの大量摂取は治療に、ある程度、価値があります。透析者や重度の腎疾患患者には禁忌です。

 他のビタミンである、VB1,VB6,VMと亜鉛イオン、Mgイオン、尿酸、トリプトファン、Lーグルタミン酸等も脳の機能に影響を及ぼします。しかし、Mgイオン、トリプトファンの取りすぎには、気をつけないといけません。L-グルタミン酸は5~10g/日の摂取は、活力を与え、精神薄弱症状での人格の改善と知能の向上が認められるという、研究があります。

 Hoffer博士の研究によると、ナイアシン+プラセボとナイアシン+ビタミンCグループを比べると、ビタミンCグル―プがプラセボグループに比べて、統合失調症状の著明な改善が認められました。副作用はナイアシンのグラム単位/日の投与を数カ月続けた後認められました。肝機能異常、胃の不調、発赤、かゆみ等です。

 Pauling博士は,統合失調症状はナイアシンの補酵素であるNAD(nicotinamide adenine dinucleotide)の欠乏により生じると、考えています。そのような論拠により、欠乏したNADを外部から補給してやることが、治療に有効です。ナイアシンの治療効果はVC,VB6の併用により増強されます。それらのグル―プ患者は入院期間、再入院の回数、自殺率が減少しました。

 また、精神症状の患者の血清ビタミンB12濃度が低いことが報告されました。したがって彼らにビタミンB12(シアノコバラミン)を投与すると、一人は完全に精神症状が改善され、7名はかなり改善され、4名はいくらか改善され、おとなしくなりました。結局、精神の健康に必要な栄養素の重要な一つがVB12であります。これらのビタミンを併用して精神症状を改善することは、大切です。

 これらの栄養サプリメントはdrugstoreで入手できますが、当方は正しい情報を提供はしますが、紛争の場合は責任を取りかねます。自己責任でお願いします。この栄養療法に詳しい医師に相談されることをお勧めします。体質、腎臓疾患等で体に合わない場合が多々あります。

Reference:Abraham Hoffer,Schizophrenia and vitamin Therapy,JAMA,Vol 197,No10,827,1966

なお、当方の、別の栄養医学ブログ記事は、nutr-blog.blogspot.comでも発信しています。