医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

パーキンソン病とグルタチオン(栄養素)の関係について その二 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会

2023-06-22 10:09:44 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン
Sechi Gらの研究によると、早期の治療していないパーキンソン病患者が、一ヶ月間、毎日二度、グルタチオンの点滴を受け、9名の患者で治療後著しい改善が認められ、病状が42%ほど改善しました。二ヶ月から4ヶ月続いた治療効果は、未治療の患者において、グルタチオンが症状の改善に有益と考えられ、また、別の研究では、血清グルタチオン値は、進行した症例では著しく低い値でした。なお、黒質の細胞死は、パーキンソン病の昔から知られた病理学的所見です。

脳神経の退化は、酸化ストレスとミトコンドリアのダメージから生じます。ミトコンドリアは、フリーラジカルによりもたらされた毒性による障害での重要な標的で、グルタチオンの消耗、ミトコンドリアのダメージと神経細胞死の関係は強い、と考えられます。そこで、グルタチオン点滴を補助的に加えることは、パーキンソン病の改善効果を高めると考えられます。更なる症例での効果を期待しています。

References
Sechi G, et al. Reduced intravenous glutathione in the treatment of early Parkinson'disease . Proq Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 1996 Oct;20(7):1159-70
David Permutter. Parkinson's disease and glutathione. Hoffman Center. Intelligent Medicine
Glutathione and Parkinson's disease. GlutathionePRO