医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンのビタミンC点滴療法の米国・オーストラリアの症例について その五 

2011-04-11 19:14:53 | 健康・病気

サッコマン医師のビタミンC点滴療法の症例

カリフォルニアのサッコマン医師は、1971年以来、ガンの治療にビタミンC点滴療法を行い、満足いく結果を得ているが、以前化学療法を受けたガン患者は、ビタミンC療法を行っても、反応が悪いようです。キャメロン博士の症例でも、そんな傾向が見られました。ビタミンC点滴と化学療法を併用した少数の患者では、化学療法剤の副作用に対し、ビタミンCが正常細胞を守るようです。ビタミンCは強力な解毒剤です。化学療法とビタミンC点滴療法を併用した5名はいまだに生存しています。彼らは第4期リンパ肉腫で、生検でも証明されました。500mlの乳酸リンゲル液にビタミンCナトリウムとビタミンCを30g 混注し、約3時間点滴を行い、夜間は持続型ビタミンC錠を投与しました。それを経口投与ができるようになるまで10日から20日行いました。テタニーの症状はでませんでした。

また、別の56歳の女性肺癌患者がサッコマンのクリ二ックに来たが、昨年の11月まで化学療法をしていたが、ガンが悪化し、中止した、とのことでした。昨年12月にビタミンC大量療法を開始したが、吐き気がしたので、減らして1日に2回、VCを5gづつ点滴し、3~4日続けました。それから徐々に経口投与に変えました。現在、48g/日のVC投与を受けていますが、気分がよくなり、元気になり、改善が認められました。VCとVC塩の比は1対1で、pHは6です。この処方を多くのガン患者に用いましたが、耐えれるようです。経口の分は、野菜ジュ―スや果物ジュースに入れ、飲んでいます。VCとVA(20万国際単位)用いたが、髪が抜けたりするので、VA(15万国際単位)に減らすと、髪が抜けたりする副作用が出なくなりました。VAとVCの併用はガンに効果的です。ビタミンC療法は腎臓ガンに著効を示し、いろんなタイプのガンに有効で、オ―ト細胞ガン、リンパ腫、リンパ肉腫にも有効です。オート細胞ガンの少女はVCにより生存し、元気です。

藤井の私見ですが、さらにcaを1000mg/日、Mgを500mg/日, VDを4000国際単位/日、セレンを100μg/日、マルチビタミン・ミネラルを追加投与すればより大きい効果が期待できると、考えています。しかし腎疾患、肝疾患、心臓疾患、アレルギー疾患それに薬物を摂取しているガン患者は、ビタミンCの点滴療法を実施している医師に相談ください。点滴療法研究会をクリックすれば、近くのその医師がわかります。また、腎臓の悪いヒトは、この療法は向きません。

匿名のレント医師の症例

オーストラリアのレント医師は、50名のガン患者に30g/日のVCナトリゥムを生理食塩水1リッターに溶かし、投与しました。1時間で1リッターの半分から三分の一を点滴しました。すぐにガン性疼痛は消えました。男性患者では、一日あたり1リッターにつき60gを投与しました。60gは疼痛を抑えるのに適切な量です。最初は、一日あたり30gを10日間投与し、それから痛みの度合いによって量を変えました。大量経口投与は下痢をするので、点滴にしました。延命効果は認められたけれども、肺癌では効果が弱かったようです。また、無精白小麦粉と野菜、果物を食事療法として用いました。

ガン患者のA婦人は、一日あたり経口でVCを48g摂取し、続いて点滴で60g摂取し、3ケ月でVCを9Kg摂取したことになります。彼女の肺癌は増殖を停止し、胸痛が消えました。日本のようにマイルド温熱療法を併用すればさらに効果が高まったと、考えられます。免疫能強化のため、十全大補湯やプロポリスは豪州では使われてないようです。

References

VitaminC against Cancer,HL.Newbold, Stay and Day Publish Co,Sept 1979.

ガンを予防し、治すビタミンC療法、藤井毅彦、日本ビタミンC研究会、1982.