医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

うつ症状とビタミン・ミネラルについて そのニ 栄養医学ブログ

2011-04-13 16:02:40 | 健康・病気

うつ症状の原因は多く存在します。それらはホルモンインバランスから粗末な食事(ファーストフ―ド、インスタント食品、レトルト食品、精製・加工食品)や栄養にまで及んでいます。さらに、うつ症状はその他の障害による副作用としてもたらされたり、現在の医療から生じる可能性があります。うつ症状は脳内のセロトニンの不足と関連しています。ビタミン・ミネラルの摂取とバランスのよい食事は、一部のうつ症状の軽減をもたらします。精神の健康のための必須栄養素であるビタミン・ミネラルは、強いうつ症状を緩和する可能性を有します。体内でのいろんなビタミン・ミネラルの機能は、ホルモン産生をコントロ―ルするのに役立ち、炭水化物、脂肪、それに蛋白質を体にとって役に立つエネルギーに転換します。精神の健康のための必須ビタミン・ミネラルは、ビタミンB複合体(イノシトールを含む)、ビタミンD,Mg,葉酸(ビタミンM)、ビタミンC、オメガー3脂肪酸、アミノ酸(トリプトファン、チロジン、フェニ―ルアラニン等)、亜鉛、Ca,セレ二ウム、鉄、カリウム等です。

うつ症状は、軽い憂鬱から絶望感、自殺願望までの感情、身体上の訴えです。うつ症状は、感情上のストレス、生活の変化、心的外傷、太陽光の季節による不足(冬場に多い、北国に多い、)、職場・学校の人間関係といじめ、医療上の結果、アルコ―ル、アレルギー、それに栄養不足等の事柄がきっかけになって発病します。

ビタミンB複合体は体内で蓄えられないので、食物やビタミンBコンプレックスを日々、体に供給してやらねばなりません。精製砂糖、アルコ―ル、タバコのニコチン(ニコチン酸、ニコチン酸アミドとは別の物質)それにカフェイン等の使用によって、体内で枯渇します。VB3(ナイアシン)は気分をコントロ―ルし、その不足は興奮と不安感をもたらします。VB6はアミノ酸の代謝に関係し、脳内のセロトニン、メラトニン、それにドーパミンの産生に関与しています。

Mgは体内の特定の酵素を活性化します。さらにホルモンをコントロ―ルします。Mgはうつ症状のヒトの利益になり、時には月経前症候群が重症の場合、治療に用いられています。しかし、大量投与は危険なので、500mg/日の投与内で抑えることが肝要と考えられます。

ビタミンDは太陽ビタミンと言われ、太陽光を浴びて、皮膚を通して体内に吸収されます。一日に30分ぐらい太陽にあたりましょう。東洋人はそれぐらいの日向ぼっこで皮膚ガンにならないと、考えます。なお、VDはガン、うつ症状、糖尿病の予防効果が報告されています。肝油サプリメントでも摂取できます。うつ症状のヒトはできるだけ多く太陽にあたりましよう。また、特定のビタミン・ミネラルの豊富なバランスのいい食事を摂ることは、うつ症状を治療するのに役立つ可能性があります。栄養サプリメントを摂る場合は、栄養医学に詳しい医師・管理栄養士・薬剤師に相談下さい。なお、うつ症状の治療のためのVD3の摂取量は2000国際単位/日です。腎機能の悪い方は、量を少なく摂取したほうが賢明です。医師に相談してください。

VB6はうつ症状に、ある役割を演ずる可能性がある必須ビタミンです。これが不足していたら、錯乱、被刺激性、うつ症状を経験することがあります。また、セロトニン、ノルエピネフィリンと呼ばれる脳内化学物質の産生を助ける酵素の補酵素です。セロトニン、ノルエピネフィリンは感情のコントロ―ルに重要です。VB6の不足はうつ症状の一因となります。また、葉酸、ビタミンB群は併用してうつ症状に用いられています。単独投与はよくないようです。葉酸は推薦摂取量は400mcg/日です。マルチビタミン・ミネラルと併用すれば、発がんなどの副作用はみられないと、考えられます。VB12は、感情や脳の機能の正常化と関係した脳の化学物質の合成に重要な役割をはたします。VB12の不足はうつ症状を伴う可能性があります。マルチビタミン・ミネラルを併用したほうが効果が強くなると、考えられます。葉酸は葉菜、果物、豆、ナッツ等、VB12は魚、卵、肉、鳥、乳等に含まれています。食品とサプリメントを併用すれば効果が高まると、考えられます。

References

Depression-doctor. com

Healthy place, America`s Mental Health Channel

The Healthier Life