医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

大腸ガンのビタミンC療法の症例について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-01-09 22:58:29 | 健康・病気

大腸ガンは、動物性脂肪の過剰摂取や食物線維の摂取不足などが発症の誘因の一つになり、近年、日本国でも増加の一途をたどっています。特に、女性では、ガンの中でトップを占めるようになりました。それは便秘や下痢、腹部違和感など前兆となる兆候はあるのですが、軽く見過ごされているようです。なお、今回は、ベイルオブリーベン病院での大腸ガン(結腸ガン、直腸癌、盲腸ガン)に対するビタミンC療法の症例のポイントを紹介したいと、考えています。

治療不能、かつ進行性の結腸ガンで、腹膜転移と肝転移を伴った症例1
68歳の女性で、前処置は結腸切除。それから一年後、広範囲に再発。ビタミンC試行開始時の状態は全くの末期症状でした。ビタミンC投与量は14gを一日点滴し、続いて30gを一日点滴、45gを8日間それぞれ点滴し、そして、10gを151日間、経口投与しました。総計投与量は1914g。結果は170日で死亡。反応のカテゴリーは最小の反応と細胞性塞栓が認められ、有効でした。揺れ動く経過でしたが、しかし、生存時間の延長が認められました。なお、この症例は末期ガンでした。

治療不能、かつ進行性の直腸がんで、骨盤への広範な拡がりを伴った症例2
57歳の女性で、前処置は手術できない状態。ビタミンC投与試行開始時、骨盤に大きい固形のガンの塊、絶えず続く下痢、著しい体重減少、数週の余命である悪液質と貧血がありました。ビタミンCは10gを284日にわたって経口投与。結果は287日で死亡。反応のカテゴリーはガン増殖の阻止が認められ、有効でした。徐徐に体重が増加し、たゆまない臨床上の改善が認められたが、ガンの塊は少しの変化も認められず、また下痢が続き、急速に末期症状になりました。なお、この症例は末期ガンでした。

治療不能、かつ進行性の直腸腺ガンで、骨盤転移と肝転移を伴った症例3
75歳の女性で、前処置なし。最初の診断時には治療不可能。ビタミンC投与試行開始時の状態は無数の肝転移があり、徐徐に悪化していました。ビタミンCは5g/日を7日にわたって点滴し、続いて5g/日を210日にわたって経口投与。総投与量は1,085g。結果はビタミンC投与後223日目に死亡。反応のカテゴリーは増殖の阻止と毛細血管細胞性塞栓が認められ、有効でした。数カ月間"安定状態”であり、それから48時間末期症状になり、こん睡、そして死亡へ。なお、この症例も末期ガンでした。

治療不能、かつ進行性の盲腸腺ガンで、複合肝転移を伴った症例4
70歳の女性で、前処置は盲腸に対し部分的腸切除術。激しい黄疸が再発し、2次的開腹術を著しい肝転移に実施。ビタミンC投与試行開始時の状態は急速な悪化でした。ビタミンCを10g/日、10日間にわたって点滴し、続いて10g/日を86日間経口投与し、それから吐き気のため投与を中止。総投与量は960g。結果は144日後に死亡。反応のカテゴリーは増殖の阻止、毛細血管細胞性塞栓、腫瘍の退縮であり、有効でした。悪性黄疸は18日で治り、2ケ月以上"良好"なままで、それから末期メレナーを伴って不断の悪化へ移行。なお、この症例も末期ガンでした。延命効果とquality of lifeが症例1、症例2、症例3同様認められました。

治療不能、かつ進行性の直腸腺ガンで、肝転移を伴った症例5
56歳の女性で、前処置はS状結腸切除を結腸腺ガンに実施、ビタミンC投与試行開始時、肝転移が認められました。ビタミンCを10g/日、573日にわたって経口投与、総投与量は5,730g。結果は生存し、quality of lifeは良好です。反応のカテゴリーは細胞性壊死であり、有効でした。数カ月間ビタミンC投与後、右下肋骨部の痛みが有ったが、現在ではその症状はありません。なお、この症例も末期ガンでした。

治療不能、かつ進行性の結腸腺ガンで、肝転移を伴った症例6
69歳の男性で、緩和的切除術後の再発でした。ビタミンCは8g/日を3日間、点滴し、続いて8g/日を450日にわたって経口投与、続いて10g/日を637日にわたって経口投与。総投与量9,994g。結果は生存し、quality of lifeは良好です。反応のカテゴリーはガンの退縮。なお、この症例も末期ガンでした。

References

Ewan Cameron, Linus Pauling: Cancer and VitaminC. Warner Books,1979

藤井毅彦: ガンを予防し、治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1981年