医科栄養学・栄養医学ブログ

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統合失調症に対するグリシンの研究について 栄養医学ブログ

2012-08-07 20:49:27 | 健康・病気

いろんな研究の問題点について

補欠グループでの発見に対する問題点の可能性は、投与量が低く、グリシンは、体重あたり0.8g/Kgの割合で投与すべきと、研究者らは述べています。しかし、他の研究では、患者すべては、グリシンを60g/日摂取していました。さらに、初期の研究では、グリシンの血清値は、1000ナノモル/mlに達しましたが、補欠グループの研究では、グリシンの血清値は、たった600ナノモル/mlでした。このような事から、グリシンの投与量に関する研究は、もっと増やす必要があります。

グリシンを与えられた統合失調症患者の前駆フェイズでの、患者に関する、もっと実証的予備研究は、初期に中断され、無作為のプラセボ対照試験が始まった事は、疑いありません。

エール大学のScott W. Woods博士によると、統合失調症は、発病前から前駆症状まで十分精神病性を帯びています。この疾患に関係した病態生理学的メカニズムの進歩が多分あります。前駆フェイズの間に働くメカニズムをターゲットにした治療法は、この疾患の進行と精神病への発展を防ぐことができました。

前駆症状を呈した患者では、グリシンが統合失調症の進行を阻害するに違いないと、エール大学の研究者は述べています。

10名の被験者が選ばれ、8週間、グリシン0.8g/Kgの投与を受け、治療されました。グリシンは、症状を軽減するのに大変有効で、olanzapineを用いた、同じような研究で見出されたものよりは、良い結果を示しました。グリシンを摂取した患者の多くは、8週間の治療後、十分な寛解基準に達しました。しかし、この研究は、プラセボを置かない公開表示試験で有り、もっと実際的な発見は、プラセボを用いた研究から得られると、Woods博士は述べています。なお、統合失調症候群の中で、NMDAが関係した症候群には、グリシンが有効で、遺伝的にナイアシンアミドが多量に必要で、十分のナイアシンアミドが補給されない場合、ドーパミンの代謝異常を起こし、統合失調症状を起こす患者群には、多量のナイアシンアミドの補給が必要と、考えられます。

また、Seybolt博士の研究では、ニコチン酸アミド(VB3)と一緒にアルファリポ酸を投与すると、
ミトコンドリアの機能不全による統合失調症の前兆と症状を緩和する可能性がある(すなわち、
GSH値の増加、ETC複合体1の機能と電子供与の改善、それにNADの増加と抗酸化能の強化など)という仮説を提出しています。そして、他の研究でも、VB3とアルファリポ酸を併用して効果が有ったという研究もあります。

 

Reference

Glycine-A possible complementary therapy for schizophrenia: schizophrenia. com, May, 2006