グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ハクガン 滞在中

2021年05月20日 | 
島の中ではたぶん、よく知られている話だと思いますが、伊豆大島に、かれこれ半年近くハクガン が滞在中です。

11月半ばに初めて目撃され、当時は島の南部などでも確認されたようですが、今は北部の海岸がお気に入りのよう。(11月15日には八丈島で幼鳥5羽、17日には御蔵島で幼鳥1羽が確認されていたそうです)

噂だけ聞いていたハクガン に、私が初めて出会ったのは今年の2月13日でした。
仲の原園地にいるのを見つけ、近づいたところ…

人間には無関心で、ひたすら草を食べていました。


5月4日が2回目の出会い。
和泉浜でぼ〜っと立っていたので、車を降りたら、近づいてきました。

時々立ち止まり、伸びをして遠くを見たりしながらも

どんどん寄ってきて…

目と鼻の先まで!!(いったい何なのでしょう〜?)

よく見ている人の情報では、3月半ば過ぎから人を追いかけるようになったそう。
このころ、人が餌をあげ始めたのではないか?とこのと。

ところで自然な状態でのハクガン は「安全な池や沼で休息し、歩きながらエサをとる」そうです。
そのためか大島でも…

ちょっとした水溜りに入っていたり(願法撮影)、露天風呂に現れて人間と一緒に風呂に入っていたなどという噂もあります😅

私が最後(3回目)にハクガンを見たのは、1週間ほど前の和泉浜です。
羽を大きく広げてバタバタしているので何かと思ったら、近寄ってきたカラスが嫌だったもよう。(左手にカラスが飛んできています)

(近くの犬を追い払っていたという目撃情報もあります。強っ!)
無事カラスを追い払った後は、すぐに餌を食べ始めました。

歩きながら、ひたすら食べ続けていました。

人間がそばにいたけれど、気にする様子なし!

自力で餌を食べるし、カラスや犬を追い払うぐらいの元気があるのですね!(良かった〜!!)

この記事を書くにあたり、ハクガンについて調べてみました。
あきた森づくり活動サポートセンター」のページが詳しいので、引用させてもらうと…
「北東シベリアと北米大陸の北極圏地域で繁殖し、日本には冬鳥として飛来。かつては大群で飛来したが、一時日本への飛来個体数は絶滅したといわれた。ただし、ハクガン、シジュウカラガンは、現在、復活プロジェクトの成果で数百羽単位の大きな群れを見ることができるまでに回復した。ハクガンは警戒心が強く、150m以上離れないと飛んでしまうという」と書かれています。
でも、伊豆大島のハクガンは、人間への警戒心が全くないみたいだし、むしろ人間が好きな様子です。これも餌やりの影響でしょうか?💦

人間が野鳥に餌をやると…
1・自分でエサがとれなくなる
2・人間の食べ物で病気になるおそれがある
などが考えられるので、やめた方が良いと言われています。

とうぶん北国に帰る気はなさそうな伊豆大島のハクガンですが、大声で鳴きながら(まるで仲間を呼ぶように)空を飛ぶ姿も目撃されています。
本来はアラスカやシベリアで仲間と共に過ごす鳥、ハクガン。
このハクガンにとっての幸せとは何なのか?と、考えてしまいました。

まだ自力で草を食べる意欲がある今なら、野生の鳥として仲間と合流できる可能性があるかもしれません。
人間の食べ物をあげるのではなく、そっと見守りたいですね!

私もこれからは、あまり近づかないようにして、遠くから見守っていきたいと思います。

(かな)
コメント
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