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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

石の年月

2009年10月22日 | 火山・ジオパーク
 ちょっと気になることがあって、夕方「海のふるさと村」へ行ってきました。島の東海岸にある都立公園の一部(現在、管理は町?)で、宿泊ロッヂやキャンプ場、プール、自然探索路、テニスコートなど、広大で設備が充実しキレイに整備された贅沢な場所です。その割りに安価で利用できるのが、また魅力です。夏なら、すぐ下のメメズ浜で泳げますし、釣りは年中可能です。



 この「海のふるさと村」は、高い山尾根を隔てて、北側の大島公園の動物園と隣りあっているので、家族連れでのんびり、ゆったり過ごすには打って付けの場所です。以前は「ふるさと村」側と動物園側を結ぶ海岸遊歩道があり、役の行者(えんのぎょうじゃ)ゆかりの窟(いわや:海蝕洞)も行けたのですが、落石や老朽化で通行出来なくなっています。そのため、代わりの連絡通路として、1993年11月に大島一長い556mのトンネルが開通し、歩行者や関係車両の通行が便利になりました。

 写真の玄武岩(げんぶがん)は、このトンネルの中に展示してあるものです。かたわらの立て札には、「200万年~800万年前ころ、行者窟火山の噴火で生成された玄武岩」と説明されています。うーーーん? 200万年と言っても???

 約180万年前からの更新世の時代にも氷期と間氷期(温暖期)が繰り返され、三原山火山が出現したのは今から数万年前のウルム氷期の頃と考えられていて、とても若いのです。

 この玄武岩は、それよりずっとずっと前の火山活動で誕生したことになります。この10月2日発行のアメリカの科学誌『サイエンス』に、アフリカのエチオピアで発見された440万年前に生息していた人類の祖先ラミダス猿人の研究結果が発表されました。

 遺伝学的な研究では、ヒトの祖先は600万年前ごろにチンパンジーとの共通の祖先から分かれたことが知られています。大島の元になっている古い島々は、この頃できたのでしょうか?

 9月3日の科学誌『ネイチャー』電子版に、スペイン南東部の旧石器時代の遺跡から出土した石器が90万年前のものと推定され「欧州最古の石器か」と発表されました。9月29日には、「日本国内最古の石器か」として、鳥取県内で約12万年前の中期旧石器時代の石器発見と発表され話題になりました。こんなにヒトの歴史は若いのですね~!

 石の年月を思うと気が遠くなりそうですが、たまには、大先輩たちのことも考えてみます。



 冒頭の「気になること」は、またの機会に報告します。(なるせ)



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