Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

#179 束の間の快進撃 ①

2011年08月03日 | 1981 年 
   

    巨巨-ヤヤヤ-広広広-神神-ヤヤ-神神神-横横-広広
  ●●-○○○-○○○-○○-○●-○○○-○○-●○



巨人との開幕2連戦に連敗したものの、地元で仕切り直して9連勝し4月を15勝4敗で乗り切った
中日ドラゴンズ。攻撃陣ではアメフト並みの攻守2プラトン制、投手陣には完全分業制を取り入れた。
当初は特に投手の分業制には賛否両論がありました。オープン戦で13勝5敗と結果を出した事で
批判する声は次第に小さくなっていきましたが、先発投手は60球、中継ぎ・抑えは30球に限定して
試合展開に関係無く頻繁に投手交代をする手法では長いペナントレースは持たないとの声も依然と
してありました。



聞き手 先発投手が60球投げたら交代というのは本当ですか?
近 藤 いやいや、あれはちょっと語弊もあるんです。要するに今迄の観念ですと、ピッチャーは完投するのが理想である。
     だからキャンプで200球や300球も投げ込むのが一つの練習法であるわけ。完投しようと思ったら下位打線には
     手を抜いたりして力を温存しようとか色々考えるわけです。先発投手にそういう余分な事を考える必要が無いように
     リリーフのように力をセーブする事なく投げるには60球が目安だという事なんです。

聞き手 オールスター方式ですか?
近 藤 130球を60球に圧縮するんです。全力で投げてノックアウトされても僕は怒りません。
聞き手 開幕の巨人戦からその戦法をとりましたね。三沢を4回2死ランナー無しでスパッと交代させた
近 藤 あの場面には2つの理由があるんです。一つはチーム全体に去年の後遺症、つまりどうせ負けるに決まっていると
     いう負け犬根性が残っていた。あそこで三沢を代える事で去年とは違う事を意識させたんです。 二つ目の理由は
     単純に三沢が限界だったから。開幕戦は普段とは違い、格別に緊張感があるから投手の疲労も多いし。

聞き手 そうした戦法がとれるのも抑えに鈴木・小松の二枚を持っているからですよね
近 藤 確かに2人がいるのは強味ですけど、やはり先発に軸を作りたいんです。まず先発・抑えに信頼できる軸を作る、
     次に先発の2・3番手、そして中継ぎの軸。この5人を固定しておいて、後はその他でフォローしていくのが理想です。
     そういった意味ではまだウチは不完全ですよ、まだまだ。

聞き手 開幕から3戦で起用した投手が、のべ13人。このやり方を1年間続けるのは無理ですよね?
近 藤 勿論。これはショック療法と言うか荒療治ですから一時的な戦法です。ひと当たりして他球団も今年の中日は違うと
     感じた筈です。去年カモにされてきたヤクルトや広島には油断があったでしょうが、次からは気を引き締めて来ますよ。
     5月に入ったらローテーションの再編成をするつもりです。

聞き手 開幕からここまでは何点ですか?
近 藤 80~85点ですかね。投手では戸田がもう一つですし、打者ではスパイクスと富田の状態が不安材料です。


最下位になった前年は10勝したのが6月に入ってからだったチームを建て直して「近藤マジック」と
持て囃され、我が世の春を謳歌していた近藤監督。しかし、もう目の前には落とし穴がポッカリと口を
開けて待っていました。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« #178 圧縮バット疑惑  | トップ | #180 束の間の快進撃 ② »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

1981 年 」カテゴリの最新記事