昨年のドラフト会議で1位指名されキャンプからオープン戦と注目され続けた12人。シーズンが開幕して自分が思い描いていた通り一軍で活躍している広沢(ヤクルト)と河野(日ハム)以外の選手はプロの壁にもがき苦しんでいる。そんな10人の近況報告である。
【 上田和明(巨人) 】
◆ 現状自己分析:5月末に一軍に上がった時はいい勉強になりました。特にバッティングで腰の使い方、回転で打つように指導されバットを最短距離で振る事を心がけています。守りの方は足の運び方、両腕の使い方に硬さがあって思うようにいきません。この辺を克服して再度の一軍昇格をモノにしたいと思っています。
◆ 課題:今、彼にアドバイスしているのは守備で一連の動作の中でいかに力を抜くか、です。特に捕球の際に両腕が鉄板でも入っているかのように突っ張ってしまう癖がなかなか直らない。もっとリラックスできればもう1ランク上の選手になれる。課題と言われている打撃は格段に進歩しているし意外と早く一軍に上がれると考えています(上田二軍守備コーチ)
【 竹田光訓(横浜大洋) 】
◆ 現状自己分析:だいぶ良くなってきました。ファームの生活というのは何しろ朝が早くてキツイ。8時にはもう出発しなくてはならない。広沢(ヤクルト)も一軍でボチボチ打ち始めたし僕も頑張らないと忘れられてしまいそうです。何とかオールスター明けには一軍へ上がれるように調整しています。そのうちアッと言わせてやりますよ、慌てない慌てない(笑)。
◆ 課題:オールスター戦前に一軍へ、を目標に練習させているが本人は「オールスター後には」と少々のんびりし過ぎている。その辺がちょっと心配かな。投球フォームは変えないけど連日の走り込みでヒザの使い方が柔らかくなった。球威も増してきているので楽しみなのは間違いない(鈴木二軍投手コーチ)
【 中村武志(中日) 】
◆ 現状自己分析:最近やっとプロの水に慣れてきました。でも打つ方でも守りの方でも毎日プロとアマのスピードの違いに戸惑っています。僕は捕手ですから先ず守る方からやっていこうと考えています。全てにまだ勉強の段階ですけど、守りをしっかりやれば試合に出るチャンスはあると思っています。 " 習うより慣れろ " の精神で頑張ります。
◆ 課題:まだまだ身体がプロのレベルには程遠い。先ずはプロのスピードに付いていける体力作りから始めないと。スローイングひとつをとっても投げ方が悪いからせっかくの強肩を生かしていない。今は水沼コーチとマンツーマンで鍛えている段階。ただ自分から進んで練習をするタイプなので今年中にはシャープな動きが出来るようになるのではないか(高木二軍監督)
【 佐々木 修(近鉄) 】
◆ 現状自己分析:開幕一軍に選ばれましたが僅か10日で二軍落ち。首脳陣の期待に応える事が出来ず申し訳なかったです。大学では力だけの投球で通用しましたがプロではそうはいかないと痛感しました。コンビネーション、緩急、クイックモーションなど細かい面でまだまだ基礎的な事が疎かだったと反省しています。
◆ 課題:横手からのカーブとシンカーは見るべきモノがある。しかしプロではそれだけでは通用しない。カーブも今以上にキレが必要で打者の手元で変化しないと見極められてしまう。投球フォームなどまだ基本的な部分で未熟な面があったが、だいぶ改善できてきました。あとは出来るだけ多くの実戦を経験する必要があります(野口二軍監督)
【 笠原栄一(ロッテ) 】
◆ 現状自己分析:自分から練習をやるのがプロだと思っていたけど、こんなに厳しく練習をやらされるとは思わなかった。今は体力作りが中心でピッチングは捕手を立たせたままのキャッチボール程度。もっと思い切り投げたくて少しストレスが溜まっています。力を入れて投げるとシュート回転する癖があるので、今の段階から矯正するのに必死な毎日です。バッティング投手も含めてまだプロの打者と対戦した事がないので早く自分の力を試してみたいです。
◆ 課題:キャンプで痛めた両足ヒザを治す段階でランニング量も控え目ですが、この期間を使って上半身を鍛えています。彼の特徴でもある長い腕を利用した日本人離れした投法と伸びのある球に磨きをかける為に今は体力アップが目標。秋の教育リーグには逞しくなった笠原をお見せ出来ますよ(木樽二軍投手コーチ)