Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 505 虎番地獄耳

2017年11月15日 | 1985 年 



怪我で戦列を離脱した真弓選手の代役として一躍存在感を示したのが北村選手。当初は周囲からは単なる補欠要員としてしか考えられていなかったが今では首脳陣も「真弓の穴を完全に埋めてくれた」と評価している。6月21日の大洋戦では3本の二塁打を放ち3連戦3連勝の立役者の一員となった。「真弓さんが欠場して『北村じゃやっぱりダメか』と言われたら癪ですからね。気迫で打席に入りましたよ」と話していたが、実はもう一つ北村を奮起させたのが2人目の二世誕生である。「ありきたりですが子供が生まれるとやる気が出ます(北村)」とパパは頑張っている。

㊙ 作戦?が功を奏しているのだろうか、ゲイル投手が小気味の良い投球を続けている。6月22日の大洋戦で完投勝利して早くも7勝目をあげた。ゲイルの好調さの裏には秘密の練習があるらしい。今季から甲子園球場内にトレーニングルームが完備された。マスコミは一切シャットアウトなのだが、ある選手からの情報ではゲイルは足首をロープで縛り頭を下にした宙吊りの状態で全身の筋肉を伸ばす運動をしているとの事。「最初に見た時はビックリしましたが全身の血の巡りが良くなっていいらしい」とある若手選手が証言した。

人の口には戸が立てられない、とでも言うか最近チーム内外で「来春のキャンプは海外で行われるらしい」という話が出回っている。しかし吉田監督は昨秋の就任会見で海外キャンプの是非について「良い面、悪い面あって一概にどうであるとは言えない」と積極的ではなかった。確かに阪神は過去4回海外キャンプを行なっているが、成果があったとは言いにくい。「海外キャンプの話は優勝してから(吉田監督)」とも言っており、やはり噂話の域を出ておらず実現するのかどうかは不透明だ。

車と言えば掛布、掛布と言えば車。「カーキチの上に " 超 " が付きます」と自分で言うほどのカーマニアだ。そもそもプロ野球選手を目指したのも子供の頃に大きな外車を見て「プロ野球の選手になれたらあんな外車に乗れるかも」と考えたから。プロ2年目にポルシェを購入して以来、1年に1台のペースで買い替えてきた。10年経ってようやくベンツに落ち着いたと思いきや最近またBMWに替えた。昨今の暴力団抗争の影響で「ベンツはあの世界の人たちが乗っているイメージがあるから(掛布)」だそうだ。 


『こればっかりはお手上げですわ』・・・無いモノねだり " トラの足 "
打線が派手に打ちまくり、懸念された投手陣も予想に反して頑張っている阪神。横浜大洋の近藤監督曰く「阪神が弱投?とんでもないよ。先発、中継ぎ、抑えと今やリーグトップレベルだよ。それに比べてウチは…」と自軍の弱投ぶりを嘆く。開幕前の各評論家諸氏はおしなべて阪神はBクラス、中には最下位に予想する者もいた。ところが蓋を開けてみれば近藤監督が言うように健闘している。チーム防御率は広島や巨人の3点台には及ばないものの小松・郭・鈴木らを擁する中日より上である。打線は好調でさぞや吉田監督も「余裕のヨッちゃん」然としているかと思いきや常にベストを求める性格ゆえか、欲の深い所をチラリと垣間見せる。

それは機動力の無さである。6月27日現在、横浜大洋のチーム盗塁数は77個。対する阪神は25個と実に大洋の1/3以下である。吉田監督が理想とする " 投手力を中心とする守りと機動力を駆使した野球 " は完成していない。レギュラーで走れるのは北村と真弓くらい。掛布やバースは論外で若い平田や木戸も意欲的ではない。今季まだ盗塁がゼロのバースが試合の大勢が決し失敗しても影響がない場面で二盗を試みた事があった。その時は打者がファールを打ったので成功・失敗どちらでもなかった。吉田監督に解決策を問うと「足の遅いヤツに速くなれと言うのは無理な話。お手上げですわ」と諦めの境地。どうやら往年の牛若丸にも妙案は無いようだ。

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