
昨年の3月21日以降,『ナイアガラの奥の細道』CDセットと大滝作品を聴き比べて研究してきた成果です。今年中に記録として残しておきます。
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1981年に発表された『ロンバケ』を聴いて以来,私は大学時代から大滝詠一さんを師匠と仰いでおります。『ロンバケ』はリアルタイムにLPレコードで聴いていました。その頃からナイアガラの沼にどっぷり浸かって40年,アナログレコードからCDに形を変えても,関連作品も含めて音源をなんとなく集め続けてきました。
昨年の3月21日『ロンバケ40周年記念盤』を入手した頃に『ナイアガラの奥の細道〜ルーツ・オブ・ナイアガラ・ポップス』という3枚組のCDを見つけました。聴いてみると,これがとんでもない代物でした。数々の大滝作品の「元ネタ」を集めたオールディーズポップス集でした。ただし,どの曲がどの作品の元ネタかは明かされていません。それからの半年ほどは『奥の細道CD』を通勤の車の中で聴きまくって,どの曲がどれとつながるのか考える日々でした。何となくこれかな〜と自分なりに確信したものから順にiTunesのプレイリストとして並べていきました。そうして一段落してできた成果が今回のプレイリストです。
手順としては,まず奥の細道CD(元のポップス)を通して聴いて,「あ,これはあの曲かな?」と思うと大滝さんの曲をあとで聴いてみる。そしてもう一度元曲を聴いてみて比べてみる。これをいったりきたり何度もやって,そうだと思ったらプレイリストに並べて追加する,という作業を繰り返しました。
そのうちに,いくつかのパターンがあるように思いました。
・聴いた瞬間にそれと分かるもの
・オケのリズムとか楽器編成が同じで比較的分かりやすいもの
・曲想が似ていて何となく聴いたことがあると感じるが思いつかない,分からない,もどかし〜いもの
・一部の間奏とかに特徴的なフレーズが「あっ!」と思うが,大滝さんのどの曲か,すぐに出てこないもの(これも大変もどかしい)
・実はタイトルや歌詞まで深い意味があるもの(これは本を読んで知ったことが多い)
プレイリストの曲順は,ほぼ分かった順に並べたものです。
聴いて最初にわかったのが渡辺満里奈の「うれしい予感」でした。これは聴いた瞬間分かるタイプ。聴いているうちに,たとえば「うれしい予感」と「君は天然色」が実は兄弟曲だったとか,新しい発見が沢山ありました(これも古株のナイアガラーにとっては常識だったかもしれません。でも実際に自分で発見するとちょっとした感動でした)。
一番びっくりしたのは「うなづきマーチ」にも元曲があったことに気づいた時でした。大滝さんはいったいどんだけの仕掛けをしてあるんだと思いました。
大滝作品は,元ネタが何曲にもわたることも珍しくない(むしろ気づかないところにも仕掛けがあるらしい)のも以前どこかで読んだことがあります。半年くらいで約40曲ほど”解明”して,プレイリストとしては92曲,およそ4時間半になりました。まだ奥の細道CDには,沢山曲が残っていますが,今は中断しています。
プレイリストとしては「うれしい予感」から始まって,「幸せな結末」がラストとなります。なかなかいい感じです。私も今でも通勤時間にときどき聴いています。並べ方は,基本的には「大滝作品」→「元ネタ」の順番を原則にしています。しかし一部で,元ネタの更に元ネタ?がある場合など,先に元ネタ→大滝作品の場合や,一連の作品群がつながるように考えられるときには,その限りではありません。
自分では92曲ぶっ通しのプレイリストにしていますが,CDにすると容量の関係でDisc 1〜4まで4枚になります。Disc 5は番外編というか少し毛色が少し違うものです。
こんなに面白いことを知って,誰かに話したくてしようがなかったのですが,いかんせん身近には話す相手がいません。知り合いのナイアガラーお二人にはすでにお送りしていて(あまりおおっぴらに差し上げるというのはアレなんですが)大変喜んでいただけました。
例えば大滝さんが曲を録音・発表した順に並べ替えるとかするとまた面白い発見があるとは思いますが,これは今後の「研究課題」です。(古参のナイアガラーなら既知のことかもしれませんが,それを自分でやってみるのが酔狂でいいですよね)最近は調子に乗って,ナイアガラ関連に数多くある音頭を集めて,バージョン違いも楽しむ「ナイアガラ音頭スペシャル」のようなプレイリストを作ったり,楽しんでいます。まだまだ当分は楽しみのネタは尽きそうにありません。
<参考CD・文献>
1.ナイアガラの奥の細道/ROAD TO THE DEEP NIAGARA [Vol.1〜3]
2.Road To The Deep Niagara -Side Trip Edition- (ナイアガラの奥の細道~寄り道編~)
3.木村ユタカ『ナイアガラに愛を込めて 大滝詠一ルーツ探訪の旅』
シンコーミュージック
上記のCDセットはこの木村ユタカさんが監修です。この本には,ほぼ答えが書いてありますが,がまんして読まずにやりました。自分なりに分かったときに答え合わせに使っています。一部,私が思ったのと違った部分がありましたが,今回のプレイリストは私がそうだと思ったものです。