H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

冬の紫陽花

2019-01-29 | 写真

どういう加減かわかりませんが,窓の外の紫陽花の葉っぱが色づいた状態でつい最近まで残っていました。先日の強い風でさすがに落ちてしまいましたが,殺風景な窓の外にしばらく鮮やかな黄色で楽しませてくれました。


K-1 Mark II, smc PENTAX-FA 50mm F1.4 [ISO 100, F 3.2, 1/500, 0.7 EV]
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循環器Physical Exam講習会のおさらい

2019-01-20 | 身体診察

2−3年に1回は必ず参加している循環器フィジカルイグザミネーション講習会。通算7回目の参加でした。毎回,参加するたびに新しい発見があります。頑張ってなるべく2-3年に1回は参加するようにしています。今回もこれからの(次回参加するまでの)勉強するテーマが見つかりました。やっと少しおさらいできたので,シラバスの殴り書きメモから記録に残しておきます。

1)頚静脈でここまでわかる (山本正治先生)
・拍動がしっかり見えれば外頸静脈でもOK
・x下降はII音に向かって落ちる,y下降はII音の後で落ちる
・必ずII音を確認すること
・心房細動では,a波消失,x下降が減弱消失→y下降が目立つ(今度注意して見てみよう)
・重症TRでのCV波,y下降増大

これまでy下降をあまり意識してませんでした。今度から注意してみます。今後のテーマです。
心房細動でみられる下向きの動きは,y下降。

2)心音の聴診の基本
・QT時間≒S1とS2 の間に等しい(トット,トット=0.4秒)
・EFが低下したASはS2低下
・S2の大きさは大動脈弁口面積,A弁圧較差と相関,重症になるとS2弱くなる

3)心雑音
・収縮期雑音の鑑別
 AS 鎖骨への放散,S2と分離して聴取可,S2聞こえなくなったら重症
 MR S2と分離して聴取困難,雑音の後の低調音はS3
・ASで広範な雑音は重症,聴こえなければ有意なASはない

・Gallavardin現象:ASで心基部と心尖部で音の質が違う (初めて知りました)

・大動脈硬化性雑音(50/50 murmur) : 有意なASはなし
 これは頸部の放散はほとんどない(ASとの鑑別に使える?)

・MRでS3が聴こえたら重症,EFが保たれていても生じる(ザ〜〜ダ,ザ〜〜ダ)

・S1の分裂? 駆出音(ダラッタ,ダラッタ)→二尖弁
・二尖弁は意外に多い:1950例の男性(29−88歳,平均61歳)の約1割にあった
 (以前に外来で駆出音でひっかけて,心エコーで二尖弁を確認してもらったことがあります。小さくガッツポーズでした・・笑)

3)症例ノック
・「ときどき胸から音がするという症例」
 閉塞性肥大型心筋症 期外収縮のあとで心音が非常に大きくなる(10倍くらい大きくなることも)
 →患者さんが自覚する 非常に特徴的で,それだけで診断のきっかけにも。
(post-extrasystolic potentiationがASで見られると覚えていたが,HOCMも覚えておこう)

4)心不全
・心不全で呼吸不安定性は心不全の予後悪化と相関(Cheyne-Stokes呼吸)

5)100年使える身体所見 (渡辺弘之先生)
・器質性MRは重症化する前が手術の至適時期
・視診と触診:短時間で分かるようになること,”毎日,全員にやること!” (肝に命じます)
・MR 心尖拍動は大事!! 雑音は聞こえるとは限らないから
・AS 左室圧が上がる疾患,始まりと終わりに注目。最強点が分かりにくい
・AR 拡張期に意識集中,拡張期だけになったときは重症,危ない(左室圧↑)
・聴き逃しやすい弁膜症 心尖拍動と手を触ることが大事
 (飛行機の中で倒れた人をみるときに,機内ではエンジン音のため心音は聴こえない。何ができるか?)

6)肺の聴診 (皿谷 健先生)
・肺はLow pass filterである(高い音は伝わっていく時に吸収されてしまう)
・呼吸音 中葉の音はブラジャーの位置,乳房を持ち上げて聞く,前からは下葉の音は聞きにくい
・肺胞呼吸音=そよ風,その部分で強く聴こえたら気管・気管支呼吸音が混じっている
・肺炎(ぐじゅぐじゅしているところ)で伝導が良くなると・・
  音声聴診 あ〜の音が大きく聞こえる
  E to A (イ〜がエ〜になる) egophony
  肺胞呼吸音の気管呼吸音化,
  ささやき声で好きな食べ物(チョコレートとか)を言ってもらう
   →ささやきだと何を言っているかわからないが,わかるようになる

7)僧帽閉鎖不全症のマニアックな話 (坂本二哉先生)
・心臓が大きくなると雑音PMIと心尖部は離れてくる
・EBMが一番役に立たないのが身体診察:1000例なくても1例あれば意味がある(まったく同意!)
・MRをみつけるには,心尖拍動の外側を聴けと書いている本もあった
・甲状腺機能亢進症に潜在するMR(マニアック!)
・甲状腺の雑音は動脈ー動脈(arterio-arteriolar fistula)  治療で消える
・コルコトフ音で測れる血圧の最高は240mmHg
坂本先生のお話は,長い経験から毎回溢れ出る知識のあまりの多さに圧倒されます。とてもついていけないけれど,それでも面白い。

8)外来診療 (大門雅夫先生)
・Frailtyの評価は弁膜症の治療方針に影響する
 診察室に入ってくる時の歩行速度に注意する
 1mを2秒で歩けないと予後不良(イ〜チ,ニ〜イで1m)
・聴診の順番2R-2L-4L-心尖部の4ヶ所,膜で聞いて最後だけベルで聴く
・S1とS2が同じ大きさに聴こえるところ=4L
・CXR側面で,retrosternal spaceで正常で右室が胸骨に接するのは約1/3までPHがあるともっと上まで

9)在宅診療で活かす  (室生 卓先生)
・在宅診療では主たる病態が分かっている(心不全,Af, 弁膜症など)
・多くの場合(超)高齢者である
・高齢者ではしばしば自覚症状があてにならない
・末梢循環不全があると酸素飽和度あてにならない
・在宅での慢性心不全の評価(低灌流所見とうっ血所見の有無=Noria-Stevenson分類)
・在宅での縦軸と横軸=頚静脈みることと手を触れること
・頚静脈(座位で見える Wet, 臥位で見えない Dry)
・末梢のアセスメント(手が暖かい Warm 臓器潅流保たれている,手が冷たい Coldの可能性)
・Noria-Stevenson分類はもともとForrester分類を参考にしているが対象群が違う
・Noriaは慢性心不全の血行動態に使う。右心不全には使えない

10)その他
・TRでCV波でKusmaul徴候があるときは? 吸気時に拍動の高さが上昇する。
・ASの症例で,S2減弱の定義は? 明確な定義はないが,雑音とS2でどちらが大きいかむりやり比較。
・重症ASと重症MRでは聴診では鑑別診断は難しい。(やっぱりそうなんだ!)

・ASのスクリーニングとしての身体所見 SEM+αで絞り込む
・AS murmurと50/50 murmurの鑑別について:収縮期雑音の頸部への伝達,遅脈の有無
 ・あっさりした音(シュ〜〜)
 ・しつこい音 (シュ〜〜ウッ)  この表現大好きです。大阪弁のニュアンス最高です!



注)あくまでも,講演を聞きながらとったメモなので聞き間違いとかあるかもしれません。ご容赦下さい。明らかな間違いがあればご指摘いただければ幸いです。





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Blue Sky

2019-01-16 | 写真

冬木立の間から見える青空が昔から好きです。
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新年のお年玉

2019-01-08 | Quotation

新年早々に,ある先生からからお年玉が届きました。以前にDr. Herb Fredの本を教えてくれた教え子の一人からです。PubMedでDr.Fredの著作を探して印刷してくれた論文の束ですが,それはまるでDr.Fredの著作集のようなものでした。その中でみつけた一枚のコピーにあったものです。ある本の扉かなにかに載っていたもののようですが,素晴らしいので思わず元の本を探して注文してしまいました。以下,拙訳です。


<Herb Fredの日々の戒め>

1) すべての患者は興味深い,しかしすべての医師がそれに興味を持つわけではない

2) 誰でも治療することはできる,しかし誰もが診断できるわけではない

3) スプーンで与えられた知識は,次に排便したときに排泄されてしまう。しかし,自ら得た知識は留まる

4) ある医師は同じ過ちを何度も何度も繰り返す。そして,それを「経験」と呼ぶ

5) 常識は,まれなことである

6) 標準治療は,標準以下である

7) 正直に勝る防御はない

8) 決してあなた自身の標準のレベルを下げたり,自分の原則を曲げたり,あなた自身の誠実さを売り飛ばすな

9) 考えることは痛みを伴い,時間がかかり,困難なことである。それが多くの人が避ける理由である

10)医学を学ぶために必要なすべてのこと。それは患者,医学図書館,そしてあなたよりも医学のことをよく知っている誰かである。そして,患者が訴えたり,示した個々の事柄について読むに従って,さらにそれについて「新たに」読むべきことが明らかになる。そうしてあなたの知識は次第に増えてゆくだろう。しかし,あなたの教育のための旅は決して終わることはないのだ



どれも頷くことばかりですが,3)4)なんて最高ですね。Sapiraよりも毒舌かも。6)は以前,ある先生がおっしゃっていてなるほどと頷いた「ガイドラインは三流の治療を二流にするが,一流を二流にしてしまう」にちょっと通ずる気がします。最後の10)はSir William Oslerの,医師が学び続けるために必要な三つのこと(ノートブックと図書館と5年に一度の脳の塵払い)を思い出します。
いずれのコトバも,私達にとって痛いところを突いていますね。痛みを伴っても,時間がかかっても,考えることを止めるべきではありません。自戒を込めて,心して自らの教育の旅を続けねばならないと思います。
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仕事始め

2019-01-04 | 日記




毎年恒例の「医療安全祈願」に理事長,事務長ら病院代表職員と一緒に,朝一番で鶴岡八幡宮にお参りに行ってきました。これが毎年最初の仕事になります。



そして破魔矢や御札とともに,あらかじめお願いしてあった大きな達磨を露店で受け取って帰ります。この達磨は医療安全祈願のために,病院の新年会でその年の年男・年女の職員が代表で片目に墨を入れて職員食堂に一年間飾られます。私が入職するずっと前からの当院の伝統です。もちろん医療安全のために職員研修や制度・教育整備を行うのは当然のこととして,その上でこういうのも伝統文化としてありかなあと思います。(最後は「神頼み」かよという話はおいといて・・・)

また新しい一年が始まります。神殿での身を切るような寒さに引き締まる思いがしました。
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