先日,神戸の聴診講習会の前日に訪れた炭火焼きステーキの店「カルネ」。夜遅めに三宮に着いたのだがふと思い立って連絡をしたところ,まだ大丈夫と言われて飛び込んだ。以前,店の前まで行ったが休業で悔しい思いをしたことがあり,今回数年来の願いかなっての訪問である。なぜこの店かというと,ちょっと話がマニアックになるのだが・・・
桂雀三郎という好きな噺家さん(通称・雀さん,枝雀の二番弟子)がいる。この人は実は歌う落語家で,桂雀三郎とまんぷくブラザーズの「ヨーデル食べ放題」という歌が以前ちょっと流行ったのを覚えている人もいるかもしれない(当時は,よくスーバーの肉売り場でかかっていたものである)。で,このお店は,雀さんが以前に落語会をやったりして,ゆかりの店なのだ。阪神淡路大震災で被災されたが見事復活して,その記念に作られた曲「今日はカルネの一周年」を「雀肉共食」というアルバムで聴いて以来,すっと行きたかったのだがチャンスがなかった。数年越しの念願がやっとかなったという訳である。
雨の日の遅い時間だったためか,客は自分だけだった。カウンターが数席のこじんまりした店で,「数年越しにやっと来ました!」と話すとマスターと奥様はとても喜んで下さった。ウワサ通り炭火焼きのステーキは,それはそれは旨くて,ワインと一緒に大満足であった。雀さんの話や,今年一躍有名になったあの予備校の先生まで昔からの常連さんであることなど,色んな話を聞かせてもらえた。後からもう一人こられた常連さんと話が弾み,昔の店で落語会をやったときの写真まで奥から出して見せていただいた。
写真をよく見ると演目が「明るい悩みの相談室 中島らも 作」とある。
雀さんネタでついでに紹介すると,雀さんの歌を作っているリピート山中さんの「往診ハラショウ」という素晴らしい歌がある。これはTFCでも話題になったのだが,山口県で開業されている先生の診療所の20周年の記念に作られた歌である。
http://www.youtube.com/watch?v=QtPAKFwxQfo
帰り際に名刺をおいていったのだが,後日手書きの丁寧な礼状が届いた。また神戸に行く用事がないかな。作ってでも行きたい店である。