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大船GIM事務局のアドレスを作成しました。カンファレンス参加などのご連絡はこちらofunagim(あっとまーく)ofunachuohp.netにお願いします。このブログのコメント欄で連絡いただいても結構です(オモテには出ません)。その場合は私か事務局からご案内を差し上げます。
名古屋の内科学会総会に参加。GWの最初で新幹線も激混みでした。幸い,小田原から三島乗り換えのひかりの切符が奇跡的に取れたのでよかったですが,同僚の先生は新横浜から名古屋まで満員電車状態で立ちっぱなしだったそうです。この時期の学会はやめてもらいたいな〜。
とにかく参加したかったのが「How Doctors Think 臨床医の診断思考過程のピットフォールを探る」というセッション。徳田安春先生や,綿貫先生,矢吹先生などよく知っている先生が登壇。素晴らしい内容でした。
これまで存じ上げませんでしたが,佐賀大学の青木洋介先生による「代表的に認知バイアス各論」は素晴らしいお話でした。このテーマはずっと私も興味をもっていたので,知識の良い整理になり,知らないことも沢山ありました。以下,覚え書き。
・診断とは,”直感”を吟味するプロセスである
・鑑別診断を挙げ,その存否を予測する,入手できる情報に基づき判断を下す
・正しく考えるには・・思考の誤り方を知っておく
(Anchoring, Availability, Confirmation bias, Attribution error, Gambler's fallacy, Premature closure... etc.)
・考えるには間違い方を知っておくことが必要,間違いを除けば正しいものだけが残ってゆく
・Knowlege and Expericece foster OVERCONFIDENCE. (経験や知識は自信過剰を助長する)
・ふたつのゴシン
誤診(mistake) 診断の誤り,自分へのfeedbackあり,反省や向上をもたらす
誤信(fallacy) 考え方の誤り,自分で認識できない,慢心や自信過剰,失敗で上達しない
10数年前から,これはと思う症例については自分の思考過程をつぶさに書き留めるようにしてきたので,今回の話は本当に参考になりました。(やっぱり,あの塩漬け状態のプロジェクトは完成させなきゃいけないよなあ・・・ぶつぶつ)
志水太郎先生と原田 拓先生による「ホワイトライオンも追え」の着想のもとになったZebra Cardsについて紹介します。
カードの表には,臓器や系統ごとに興味深い症状や徴候が書かれており,裏返すと診断名,解説,参考文献が小さい文字でぎっしり書かれています。一緒についていた小冊子には,Zebraとは何か,Zebra Cardsとは,その使い方は?などが解説されており,続いて数多くの興味深い(面白い)引用文 Quotesが書かれています。最後にカードの索引までついているという構成でしたが,読み始めてみてその着想の独創性と面白さに本当に興奮したものです。
普通にどこでも入手できる3x5のサイズだったので,ドラッグストアで3x5カード用のケースを購入して,インデックスも自作していつも机の上において,暇な時に眺めて楽しんでいました。当時から,このカードのことを話しても知っている方にはほとんど会ったことがなく密かに自分で楽しむだけでした。カードにかかれた症状・徴候を覚えておいて,そういった症例に出会うたびに自分でポストイットをつけてチェックするようにしていました。
ACPからのカード版は1989年から販売されていましたが,発売後一旦絶版になります。そしてその後,ACPから著者のSotos先生に版権が移譲されて,今度は一冊の本の形で1991年に再出版されたものが,現在出回っている書籍版Zebra Cardsだと思います。第3刷が2006年です。前付には,ACPが版権,著作権を自分に返還してくれたことに対して感謝するSotos先生の言葉が書かれています。オリジナル版の冊子がぼろぼろになってきたので,書籍版が出たときにあらためて購入しました。その後,書籍版がなくなったあと,Web版としてUpdateされていないようですが残っています。
自分自身でも実際に「まさにこれ!」という症例があったときには,すかさず記録にとってストックを少しづつためています。
・Downward displacement of the umbilicus (ascites)
・Lipstick on teeth (xerostomia)
・Dyspnea, worse when uplight than when recumbent (platypnea)
・Slight involuntary rhythmic head nodding synchronous wht heart beat (de Musset sign)
・Delayed relaxation phase of deep tendon reflexes (hypothyroidism)
・Palpitation followed by polyuria (PSVT)
・etc...
などは自験例として記録にとっています。またそんな症例をまとめて「A Study of Zebra シマウマの研究」と称してプレゼンしたこともあります。また本気で探してみて症例を集めてみようかな・・・。
さらに2008年には内科学会誌の「指導医のために」というシリーズで,2回にわたってZebra Cardsをリスペクトして書かせていだきました。このときは,Zebra Cardsの紹介+自作のカードという構成にしました。これは以下のページでご覧いただくことができます。
医学関連でこんなウィットの利いた面白い教材はなかなか見当たりません。ちなみに著者のJohn G. Sotos先生は,あの有名なDr.HOUSEの医学監修をしていたんですね。DVDを買って観ていて発見しました。さすが番組を企画した人は分かっているなあと感心しました。
書籍版のZebra Cardsも現在では絶版になっているようですが,ネットで中古本の店を探すと今でも数は少ない(そして高い!)けれど出回ってはいるようです(しかし日本に発送してくれないことが多いようですが)。
本家のZebra Cardsが入手困難になっていることを考えると,今回「ホワイトライオンも追え!」が出版されたことは,ほんとに貴重なことだと思います。
献本御礼!
獨協医科大学総合診療科の志水太郎先生と原田拓先生が編集された『ホワイトライオンも追え!』を拝見しました。
表紙を見て,分かる人にはニヤリとさせられます。並べてみるとわかります。基本的にはZebra Cardsの内容をリスペクトしつつ,拡張させて見事に新しいテキストに仕上がっています。本にするまで大変だっただろうな〜。その努力にまず脱帽です。ぱらぱら読んでも楽しい。目次をみて何だろう?と考えて読むのもよし。個人的には,ページを開いたときに鑑別診断のリストはすぐに目に入らないようになっていた方がよかったかな〜。考えようと思ったら思わず「答え」が目に入ってしまいます。まあ,そんなことは大したことじゃないくらい素晴らしいです。役に立つかどうかなんてそんなスケベ心は持たなくてよろしい。とにかく読んで面白い本です。
序文で大船GIMカンファレンスのことに触れていただき感謝です。ずいぶん昔にZebra Cardsを入手して,一人で興奮していたのですが,その話をする相手がずっといませんでした。その頃を思い出すと,日本語でこんな本が出版されるなんて隔世の感があります。
皆さん,この本は「買い」ですよ〜!!」
(Zebra Cardsに関しては,あらためて紹介します)
年度の始めの「一番大切な仕事」が無事終わりました。昨年度の当院の業績報告と,それを踏まえた今後の方針について,全職員対象に理解してもらうための行動計画の説明会です。2年前に院長になってから毎年続けて3回目になりますが,今年も会議室一杯に多数の職員が集まってくれました。
2年前は経営が危機的な状況(今だから言える)で本当に厳しかったが,ようやく明るい兆しが見えてきたこと,昨年度は全職員のおかげで通年黒字化に成功したこと,そして今年度はさらに大きく躍進すべき年だが,だからこそ原点に立ち返って考える必要があると説明しました。
なぜ収益をあげる必要があるのか,業績をあげるって何のため?なぜみんなで頑張るのか?このことを自分自身のこととして考えてもらいたいと思いました。これは自分自身が,今一度考えたことでもあります。プレゼンの準備しているときに,ふと2年前にノートに書いた内容を思い出しました。本当に忙しくて辛くてどうしようかと思っていたときに,殴り書きをしたものです。
赤字を解消して,業績をあげ続けること。何のため? それは目的ではなくてあくまで手段だと。それを思い出させてくれる言葉があります。
『お金が欲しいわけではないんです。お金が必要なんです。』
ドラマ「幸せになりたい」の主人公(深田恭子)の言葉
10年以上前にTVでみたドラマで深キョン扮する主人公が言った一言です。父親が多額の借金を残して亡くなって,残された一家のために働くことになった高校生の主人公が,あるときに言ったこの言葉には,なるほど!そうだよな・・と印象に残りました。そう,お金は目的ではなくて自分たちが求める何か(夢?)を実現するための手段なんだと(もちろん生活もですが)。そのための業績,ちゃんと最低限の収益は必要なんだと。患者さん第一に医療を実現するためには,まず自分たちがやっていけないとそれも不可能になる。そして皆で目指したいことは何だろう? もちろん職員の間では共通認識があります。その大きな夢を実現可能な目標にすること,それがこれからの目的ではないでしょうか?そういったことを職員の皆さんと共有できればいいなという気持ちでお話をしました。