H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

まだまだ・・・

2020-04-15 | Quotation

"You're just kidding!  I was struck twice by lightning too!”

 

 

一般の方々の心構えはまだこんな感じでしょうか・・・

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Herd Mentality ー Dr.Herb L. Fredのことばから

2019-02-15 | Quotation

昨年末に惜しくも亡くなった,ここ最近の私のアイドルであるDr. Herb L. Fredの肉声を聞ける動画を発見しました。教えを受けた先生が編集されたようですが,Dr.FredのインタビューとMorning Reportの様子を映した貴重な動画です。以前から読んできた言葉どおりの,頑固爺さんのような風貌と語り口はイメージに近いなと思いました。

途中で次のような質問が出てきます。

What Do You Think Of "The Herd Mentality?"

この言葉を私は知らなかったのですが,Herd Mentality 群衆心理 という意味で,最近の医師の発想や行動パターンに警鐘を鳴らす意味で使われています。なかなか含蓄のある言葉です。


Herd mentality is failure to think for yourself to go along with the tide. I think that's a bad development in medicine where we have today a lot of guidelines and everybody follows a lot of algorithms and so forth. And I feel that you have to think for yourself. What I'd like to think is instead of having the herd mentality have the Herb mentality.

群集心理は,ある潮流に身を任せてしまい自分自身で考えなくなってしまうことです。
今日の医学では,多くのガイドラインがあり,誰もが多くののアルゴリズムなどに従っているのは悪しき風潮だと思います。そして,あなた達は自分自身で考えるべきです。私は群集心理(Herd menality)に従うのではなく,自分の(Herb)メンタリティで考えようと思います。


One of the best aspects the characteristics of a good doctor is skepticism. Be skeptical of everything you hear, everything you told, everything you read in medicine.

良い医師の特徴として最も良い点の一つは,懐疑的であることです。医学においては,耳にすることすべて,言われることすべて,読むことすべてについて懐疑的でいるように。





何も自分で考えず,ただ盲目的にガイドラインに従っておく,無批判に。Fred先生はそんな態度に警鐘を鳴らし,どんなことでも盲信するのではなく疑問を持ち続け,自分で考えよと戒めています。そして自分の標準レベルを決して下げるなと。なかなかそのレベルには到底たどりつけそうにありません。でもこんなすごい先生がおられたということを,遅まきながら知ることができてよかったと思っています。知れば知るほど,まさにClinician-Educatorとして「巨人」であったのだと思います。一度でいいから,直接お話を聞いてみたかったなあと心底思います。


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ベッドサイドへ

2019-02-12 | Quotation

Osler先生のことばの中で,これも好きなものの一つです。

Fifteen minutes at the bedside is better than three hours at the desk.

なかなか実行できないですが,目標として・・・
来年度のうちの病院の研修医募集のパンフレットに使うことにしました。
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新年のお年玉

2019-01-08 | Quotation

新年早々に,ある先生からからお年玉が届きました。以前にDr. Herb Fredの本を教えてくれた教え子の一人からです。PubMedでDr.Fredの著作を探して印刷してくれた論文の束ですが,それはまるでDr.Fredの著作集のようなものでした。その中でみつけた一枚のコピーにあったものです。ある本の扉かなにかに載っていたもののようですが,素晴らしいので思わず元の本を探して注文してしまいました。以下,拙訳です。


<Herb Fredの日々の戒め>

1) すべての患者は興味深い,しかしすべての医師がそれに興味を持つわけではない

2) 誰でも治療することはできる,しかし誰もが診断できるわけではない

3) スプーンで与えられた知識は,次に排便したときに排泄されてしまう。しかし,自ら得た知識は留まる

4) ある医師は同じ過ちを何度も何度も繰り返す。そして,それを「経験」と呼ぶ

5) 常識は,まれなことである

6) 標準治療は,標準以下である

7) 正直に勝る防御はない

8) 決してあなた自身の標準のレベルを下げたり,自分の原則を曲げたり,あなた自身の誠実さを売り飛ばすな

9) 考えることは痛みを伴い,時間がかかり,困難なことである。それが多くの人が避ける理由である

10)医学を学ぶために必要なすべてのこと。それは患者,医学図書館,そしてあなたよりも医学のことをよく知っている誰かである。そして,患者が訴えたり,示した個々の事柄について読むに従って,さらにそれについて「新たに」読むべきことが明らかになる。そうしてあなたの知識は次第に増えてゆくだろう。しかし,あなたの教育のための旅は決して終わることはないのだ



どれも頷くことばかりですが,3)4)なんて最高ですね。Sapiraよりも毒舌かも。6)は以前,ある先生がおっしゃっていてなるほどと頷いた「ガイドラインは三流の治療を二流にするが,一流を二流にしてしまう」にちょっと通ずる気がします。最後の10)はSir William Oslerの,医師が学び続けるために必要な三つのこと(ノートブックと図書館と5年に一度の脳の塵払い)を思い出します。
いずれのコトバも,私達にとって痛いところを突いていますね。痛みを伴っても,時間がかかっても,考えることを止めるべきではありません。自戒を込めて,心して自らの教育の旅を続けねばならないと思います。
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寺澤先生の本

2018-07-05 | Quotation

寺澤先生の『話すことあり,聞くことあり』を読み終えました。どのエピソードも思わず居住まいを正す思いで読ませていただきました。おそらく若い頃には,ちゃんと理解できなかったかもしれないアドバイスが,今は読んでいてうなづくことや反省させられることばかりでした。読んでいてページの端を折ったりラインマーカーで線を引いたところばかりになってしまいました。

そんな中,特に印象に残ったところの覚え書き。


・寛容になるために
 研修医を指導する医師たちの講習会で,「使命感やプロ意識に欠ける今どきの研修医に優しくなれない」という声をよく聞く。そういう指導医に「先生御自身はいつ頃,今のような使命感やプロフェッショナリズムを身に付けたのですか?」と訊くと,彼らは皆考え込んで。答えられない。」
「今の医学生や研修医の態度に我慢がならない」という指導医たちほど,彼らが医学生や新人医師だった頃,同じことを先輩医師に言われていた気がするのは僕だけであろうか。

・患者さんには大きく三つの苦しみがある
 「病気が治らないという苦しみ」「自分のことを心配してくれる人がいないという苦しみ」「治療費が払えないかもしれないという苦しみ」

・年の功とは動揺しなくなることではない。動揺を隠すのがうまくなることだ。

・今見えているもの
 善悪判断が先になると,見えなくなってしまうものがある。まず受け入れる。あるいは,善悪判断や感情を保留する。これでトラブルはかなり避けられるだろう。


・ERグランパの言葉
 どうやって救急を学んできたのか・・・「簡単だよ,患者そのものが教科書だから」
 「救急患者を断ったら自分が進歩しなくなる。それだけは覚えておきなさい」
・そう,設備の整った大きな病院でなくても,研鑽はできる。最新鋭でも,最先端でもなくても救急医になることができる。患者さんが教科書だということを忘れさえしなければ。

・ピンチのときに暗い顔をしていると光はなかなか見えてこないが,笑顔でいるとなぜか自然とものごとがうまくいく。

・教育のために診療が滞ることがあってはならないと示すことこそ,教育に値すると考える。

・「自分の7割できたら褒める姿勢をもつ」・・・(中略) それができれば新人教育は必ずうまくいくし,後継者を得ることも難しくない。

・「変化は必要なところには必ず起こる」
 これは遠泳だと心得よ。急ぐべからず。そうすれば溺れない。うまくいかない理由を相手のせいにするべからず。そうすればつぶされない。無駄ないさかいや,感情に走って物事を壊すと消耗する。体力を持って泳ぎきるべし。



 沢山のことを思い出し,学ばせていただきました。それこそ神棚に飾っておいて毎日柏手を打ちたくなるような本でした。
寺澤先生の「御法度の原本」は実は私も持っていました。同じ研修病院の誰かが,繰り返しコピーされて文字が読みにくくなっていたコピーの一部をさらにコピーさせてもらったものでした。おそらく全国に出回っていたのでしょう。
 実は同じようなことが,自分にも経験があります。初期研修から10年勤めた病院を退職するときに,それまでにRenal Conferenceという名前で毎週レジデントに話してきた内容を,退職する3ヶ月くらい前からまとめて手製のマニュアルにして残していったのです。レジデントのためと言いながら,実は自分が一番勉強になった,その集大成のような気持ちで作ったものでした。全部で30−40部くらい印刷した覚えがあります。それを退職するときにレジデントや何人かの同僚だった先生に手渡したのです。

それから何年も経ってから,ある県に講演で呼ばれたときのこと。懇親会の席で,参加者のある若い先生から「先生が作られた腎臓マニュアルのコピーを持ってます」と言われて大変驚きました。どこをどう巡って入手されたのかは聞き忘れたけれど,大変嬉しかった覚えがあります。
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