Clinical problem solving形式でのcase discussionとその後ミニレクチャー。
午前中は,79歳の1年前からうごくと息切れがするという女性。鈴木富美雄先生がファシリテータとして,会場のみんなを巻き込んで素晴らしいdiscussionになった。進行の仕方は,自分と似ているとこともあるが,少し違うところもあり参考になった。
症例のポイントは,臥位から座位になると低酸素があっかするといいう「platypnea-orthodeoxia」を呈していたことだった。繰り返して起こってきた肺塞栓かなと思っていたら,血流シンチには異常がなく,???となる。結局,どこかにシャントがあるはずと詳細に検討されて卵円孔開存が発見された。過延長した大動脈基部が上方から右房を圧排して,卵円孔開存が原因となって,体位によって右ー左シャントが生じて症状が起こっていると判明した。いや難しかったが,勉強になった。
ミニレクチャーは,先生の医師としての「生い立ち」をリクエストされてその場で話された。いや上手い。脱帽。
午後は,野口善令先生がファシリテータで甲状腺機能亢進症の54歳の男性。その後,臨床推論についてのレクチャーが行われた。
臨床医が診断に至る方法には,大きくパターン認識と分析的アプローチの二つがあるが,ベテランの医師はほぼ8割程度は,パターン認識(スナップ診断)を使っている。それが上手くいかないときに分析的アプローチをとることが多いという。確かにそんな感じだろうかと思う。
スナップ診断の弱点のひとつに「見たことがないものは,自分の知っているものの一番近いものに見えてしまう」ということは肝に銘じておくべきと思った。