若手医師セミナーの水電解質・酸塩基平衡2回目のレクチャーの準備が,最終段階にさしかかっている。
どうやったら分かりやすくなるか,知恵を絞っているが・・難しい。症例は簡単なものから,とっても難しいものまで取り上げるつもり。おそらくレクチャーを聞いたその場では,ちょっと分からないことも承知の上で「こんなことまで考えるんだ~!」というきっかけにしてもらえばいいかと思っている。
どうしても作業が深夜に及ぶため,日中眠くなって困りもの。
先日参加した聴診の講習会から。テキストの欄外に書き込んだ印象的なこと覚書き。(順不同)
・高齢者ではII音の分裂は普通聞こえない。
(これは逆にはっきり分裂が自分で認識出来たときには,右脚ブロックを疑うきっかけになる)
・ASの雑音は,大動脈弁領域で聴取して,広く聴こえる。ときに最強点を同定できないこともある。
・MRの雑音の最強点は,どちらかというと心尖部
・中等度以上のARでは拡張期雑音がある。
・拡張期雑音がなければ中等度以上のARは否定しうる
山本正治先生の負荷聴診法による収縮期雑音の鑑別診断のレクチャーは特に素晴らしかった
・Handgrip によって後負荷を上昇させたときに,
雑音が増強したら MR
雑音が減弱したら AS
・心拍変動(期外収縮,心房細動)で先行拡張期の延長時に
雑音増強するのは,AS
雑音変化しないのは MR
これは post-extrasystolic potentiationとよばれるもの
過剰心音
・II音とOSの鑑別(場所と左側臥位で)
OS音は左側臥位で,心尖部のやや内側
II音分裂はもう少し高いところである
(ただし合併することもあるので注意が必要である)
肺高血圧症の項目
・慢性肺血栓塞栓症に伴う肺高血圧症で,酸素化低下しているような症例では,背部(特に下肺野)で,血管雑音を聴取することがある。(これはびっくり!)
・肺高血圧症の初発症状は,非特異性で多彩。呼吸困難を訴えても気管支喘息と診断されていることがある。
・2音の後ろが大きく聞こえる(ズダッ)と聴こえるときには
IIpの増強か,奇異性分裂を考える
(最近,リットマンの電子聴診器を入手した。記録ができるのはいいのだが,慣れないせいか,普通の聴診器と両方持ち歩くことになり,また荷物が増えて・・・困ったもんである。それと,録音した心音解析ソフトがついていたが,これがウインドウズのみ対応で,面倒でしようがない・・・)
神戸で行われた循環器Physical Examination講習会に2年ぶりに参加。
丸一日半みっちり集中して耳と頭を使って疲れたが,「やっぱり聴診は奥が深くて面白い!」と思った。3回目の参加だったが,一昨年に参加したときよりも自分のレベルが少しは上がっているようで,以前は歯が立たなかったことが少しは理解できたような気がして嬉しかった。3年目レジデント達二人を誘っての参加だったが,彼らにも良い刺激になったことだろう。
TFCを通じてお知り合いになった,広島の山本正治先生にもレクチャーの合間に疑問点を沢山教えていただいて,今までで一番収穫があったように思う。
Appleから新製品の発表。ついに1kgのノートブック。MacBook Air 11インチ。128GBのフラッシュストレージでも10万円・・・。用途を限定すればとても魅力的・・・ほ,欲しい。
でも今使っている15インチのMacBook Proとの使い分けを考えると,ちょっと今すぐという訳にはいかないなあ。
それにしても・・・やっぱり美しいなあ。
(写真は,新旧マウス)