H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

三重大学腎臓入門セミナー

2019-05-30 | 臨床研修

 何年かに一度お招きいただく三重大学に久しぶりに伺いました。今回お世話になった石川英二先生とのつながりは,私が茅ヶ崎徳洲会病院時代に先生が短期研修で来られたときからで,随分長いお付き合いになります。 

今回は学生や研修医の皆さんを対象に「腎臓内科は面白い」という内容でというお題をいただきました。自分の内科医としての経歴を振り返ってお話させていただきました。

 ・内科レジデントを5年間やって,その間subspecialtyを決められなかったこと。
・卒後6年目に,何となくはずみで腎臓内科を勉強する気になって米国への短期臨床留学につながったこと。
・そこで素晴らしいメンターとであったこと。
・帰国してから,指導者がいない環境で来た球を打ち返すような勉強をひたすらしたこと。つねにstruggleという言葉が頭にあったこと。
・その後,縁あって大学病院で勤務,そして再び市中病院に戻ったこと。
・5-6年周期で,勤務する環境が変わり,一般内科と専門(腎臓内科)を振り子のように行きつ戻りつして来たこと。
・オスラー先生の「5年に一度の脳の塵払い」が実感として感じられること。

  そして登山にたとえて「頂上に向かう道は一つではない,回り道したっていい。途中で気が変わって別の山に向かってもいい」と強調しました。変わりつつある専門医制度のことを見るにつけ「同調圧力に負けないで自分の好きなことをやった方がいいよ,そうやることの最大の(そして,大したことではない)デメリットは専門医(資格)を取るのが同期からちょっと遅れることだけだけだよ」というのがオッサンのメッセージでした。最後は「あなた方若い人たちには,”時間”という最大の才能を持っているのだ」というジャパンハートの吉岡秀人先生の言葉を結びの言葉にして終わりました。

 オッサンの昔話になってしまったかもしれず,何となく聴衆の皆さんの反応がおとなしめで不安でした。でも講演終了後にわざわざ感想を伝えに来てくれた学生さんがいました。「自分は整形外科志望ですが,本当は内科も少し勉強したいと思って悩んでいました。先生の話がとても心に響きました」と。少しは私のメッセージが伝わった方がいたようで,とても嬉しかったです。

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第45回大船GIMカンファレンスのお知らせ(再掲)

2019-05-21 | 臨床研修
 
今週末になりました。ご興味のある方はお気軽に参加下さい。
 
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第45回大船GIMカンファレンスのお知らせです。皆様のおかげで,大船GIMも12年目となりました。大々的に人が集まらなくても,じっくりと参加者の先生方と討論できる形を,今後も続けていきたいと思います。今後もよろしくお願いします。今回も2症例の提示+小ネタで予定しております。ご都合のつく方は是非ご参加ください。


         記

●日時:2019年5月25日(土曜) 16時から19時頃

●場所:大船中央病院 アネックスビル6階講義室

●症例提示と討論(Clinical problem solving)

1)症例1 49歳女性 歯科治療目的の血糖コントロール依頼
   九州大学大学院医学系学府医学教育学講座 博士課程
   金澤 剛志 先生

2)トラウマインフォームドメディカルケア-健康格差に抗する総合診療を目指して
   東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
   精神科医・公衆衛生学修士 熊倉 陽介 先生 

3)症例2 69歳男性 肺癌術後の新規肺陰影, 胸水貯留
   がん研有明病院 感染症科
   武田 孝一 先生
  

いつもどおり私が司会(ちゃちゃを入れる役)をやります。活発な討論を楽しみにしております。今回は1例目と次に続く小ネタは連動しています。タイトルを拝見しても具体的な内容はまったく想像がつきません。少なくとも,これまでにない内容なのでなので私自身も非常に楽しみにしています。熊倉先生の久しぶりの登場でわくわくしています。また2例目の武田孝一先生も久しぶりの登場です。武田先生によれば「タイトルからは想像もつかない世界が待っています」とのことです。楽しみですね。

期せずして2症例とも「大船の研修OB」の先生が提示してくれることになり実は嬉しいです。


●懇親会 19時30分~
大船GIMの「名物」懇親会です。キャッチフレーズはいつも通り総合内科,総合診療でがんばっている施設の先生方との「出会い系サイト」です。初めての方もお気軽に参加下さい。これまでも,ここから新しい勉強会やつながりが沢山生まれています。むしろ初めての方こそ,気軽に参加してお知り合いをここで増やして下さい。病院近くのいつもの店を貸し切りにしました。

 Cafe & Kitchen Wagi

毎度のことで申し訳ありませんが,スポンサーなしなので会費をお願いすることになります。医師(3年目以降)4000円,初期研修医3000円,学生2000円程度の予定です。(ビールなどドリンク飲み放題つき)人数の把握をしたいので,参加希望の方は,以下のフォーマットで連絡をいただければ幸いです。もちろん,当日の参加も大歓迎です。いつも私はお気に入りのワインを持ち込んでいます。


////////////申し込みフォーマット///////////////

お名前(   )
ご所属(   )

カンファレンス 参加 (   )
懇親会への参加 (   )
もしあればコメントをどうぞ (  )

大船GIM事務局のアドレスを作成しました。カンファレンス参加などのご連絡はこちらofunagim(あっとまーく)ofunachuohp.netにお願いします。このブログのコメント欄で連絡いただいても結構です(オモテには出ません)。その場合は私か事務局からご案内を差し上げます。
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中西重清先生,おめでとうございます!!

2019-05-19 | 臨床研修

 TFCの創始者である田坂佳千先生にちなんで創設された田坂賞を,今年度は中西重清先生が受賞されました。もうとっくに受賞されていてもおかしくないはずだったんですが「そういえばまだだだったんだ!」という感じですね。 あまりに田坂先生にお近い立場だったからかもしれません。「灯台もと暗し」とは,まさにこのことでしょうか。誰もが納得の待ち望んだ受賞だと思います。以下,中西先生(と田坂先生)とのことを覚え書きとして。

 私が中西先生に初めてお目にかかったのは,2007年3月5日に広島での講演に伺ったとき,そしてそれは田坂先生が惜しくも急逝された直後のことでした。「SpPinな身体所見」のプレゼンを始めたころで,当時ご存命だった田坂先生が興味をもって下さって広島にお招きいただくことになりました。TFCメーリングリストでのコメントを毎日拝見して,田坂先生には是非一度お目にかかりたいと願っていました。やっと念願がかなうと喜んでいた矢先に,田坂先生が急逝されたのは,私が広島に伺う1ヶ月前のことでした。勉強会そのものも中止になるかと思われました。ところが中西先生の「田坂なら勉強会はそのままやれ・・と言うに決まっとるけん」という一言で,予定通りそのまま行われることになりました。

 講演会の当日,駅まで出迎えて下さった中西先生の車でまず向かったのは田坂医院でした。中西先生を通じてご遺族に特別にお願いして,田坂先生のご霊前にご挨拶させていただきました。それが中西先生と初めての出会いでした。それ以降,お目にかかるたびに何かの折に「田坂は,こう言っとったけん・・」と田坂先生と中西先生との話を聴くのが本当に楽しみでした。直接田坂先生にお目にかかることが叶わなかった自分にとって,いつしか中西先生は田坂先生と同じような存在になっていました。自分の中では密かに(失礼を承知で言えば)中西先生の「田坂化」と呼んでいました。

 田坂先生&中西先生とのスリーショット。私にとって宝物の一枚。

 以来,気がつけば10年以上過ぎていますが,いまだにお会いするたびに「何だか元気がでて」嬉しくなります。医師としてははるかに先輩ですが,お話をしていて全く違和感がなく,年が離れていても親しい友人のように接していただき本当に嬉しいのです。謙虚で向上心にあふれる姿勢には,いつも学ぶことばかりです。

 現在は,適々斎塾の塾長として「開業医と若い学生や研修医,そして多くの万年研修医」のための素晴らしい勉強の機会を板金先生と共に作り続けておられます。田坂先生の言葉の語り部としてではなく,もう中西先生独自のカラーで多くの塾生に影響を与える存在になっていると思います。おそらく天国にいる田坂先生も,広島だけでなく全国にいる田坂先生フォロワーの先生たちも,先生の受賞を心から喜んでいると思います。中西重清先生,あらためて受賞おめでとうございます!

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偉人がささやく診察室@日本プライマリ・ケア連合学会

2019-05-18 | 臨床研修

京都で行われたPC連合学会の,適々斎塾企画のセッションが無事終了しました。

朝早くからのプログラムにもかかわらず会場は参加者でぎっしり満員でした。参加下さった皆様ありがとうございました。そして何より,このような素晴らしいプログラムを企画してくださった雨森先生,中西先生,板金先生に感謝です。

最初のセッションとして私と山中克郎先生で「偉人がささやく診察室」というお題でやらせていただきました。Sir William Oslerをはじめとする「偉大な先達のことばを実際の臨床現場で身近に感じるとき」という内容でお話しました。

 

大学5年の頃に日野原重明先生の本をきっかけにオスラー先生のことを知り,以後,臨床経験を積んでゆくうちに,折りにふれて読み返してきたオスラー先生の言葉がストンと腑に落ちる瞬間があります。

 『This is Our Work   The Legacy of Sir William Osler』.という写真集や『Quotable Osler』という書籍をイントロとして紹介したあと,短い症例をもとに,その症例が思い出させてくれるオスラー先生の言葉を紹介しました。10年くらい前にある勉強会で「オスラーと私」というタイトルでお話ししたり,ACP日本支部総会でも「short talk」として短くプレゼンしたことがありますが,今回のように沢山の方々に伝えることができたのは,何よりの喜びでした。

 

 

さらに,オスラー先生だけでなく,Oslerを源流とする偉人として,Herb L. Fred先生やSapira先生の言葉も後半で紹介しました。

 

私のあとに山中克郎先生が,ご自身が経験された症例にあわせてClifton Meader先生(Doctor’s Ruleの著者としても有名)や,Cope先生(腹痛のバイブルである"Cope本"の著者)の言葉を紹介されました。素晴らしい内容でした。

 質疑応答も含めて,満員の会場の先生方と良い時間が共有できて素晴らしかったと思います。

「ようこそ私たちの診察室へ」というタイトルで私たちのセッション以外に3つの講演がありましたが,いずれも素晴らしい内容で私自身も楽しみ,そして勉強させてもらいました。これぞ「21世紀適々斎塾」の企画!といった内容でした。しっかり復習しなければ。

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SpPinな所見@第94回神奈川EBM

2019-05-14 | 臨床研修

 

明日の夜に横浜市立市民病院で,毎年恒例の神奈川EBMで「SpPinな身体所見」のお話をします。

 

以下,ご案内です。----------------------------------------------------

 

第94回神奈川EBM実践研究会のお知らせ【5/15(水)横浜】

皆様、今年も神奈川EBM実践研究会を開催します。 今年度も9回を予定しており、全て第3水曜の開催となります。 第1回は、須藤先生にEBM実践による診療の達人をめざす道を、豊富な画像を用いて解説して頂きます。 病歴と身体診察を大切にした、初心者の方には理解しやすい、よくわかっている方々にも基礎固めとともに新発見のある内容です。 対象は医師、薬剤師をはじめ、あらゆる医療関係者の方々です。 皆様、奮ってご参加ください。

題名:「SpPinな身体所見」

講師:大船中央病院 内科 須藤 博先生

日時:5月15日(水)夜7時30分より

場所:横浜市立市民病院 「がん検診センター4階 講堂」

会費:無料

※ 横浜市立市民病院「がん検診センター4階講堂」への行き方

○バス:横浜駅西口バスターミナル 6番のりば から、市営バス 87系統(市民病院循 環)に乗車(およそ15分)、市民病院前下車

○地下鉄: 横浜市営地下鉄ブルーライン 「三ツ沢上町」 駅下車、正面玄関まで徒 歩12分

○がん検診センター4階講堂への道順:南玄関(病院正面玄関より左手奥へ進んだと ころ)より入り、廊下を進んでエレベーターでB2Fへ。右を向いて左手奥へと進むと 「がん検診センターB1F」に入るので、最も奥のエレベーターより4Fに上がってください。 http://yokohama-shiminhosp.jp/introduction/kotsu.html

当日会場には午後7時より入ることができます。 参加者同士の親交を暖めてください。 また、お弁当を持参して、食事をしながらの参加で構いません。 以下に今年度の予定を提示します。 予定に入れておいていただけると幸いです。 皆様のご参加を心からお待ちしております!!!

 

<2019年度神奈川EBM予定>

5月15日(水)4階講堂:「SpPinな身体所見」;須藤先生
6月19日(水)4階講堂:「製薬会社の説明会のききかた」;南郷先生・五十嵐先生
7月17日(水)8階大会議室:「感度、特異度、尤度比とは」;五十嵐先生
9月18日(水)8階大会議室:「緩和ケアの歴史から最近のエビデンス」;小杉先生
10月16日(水)都立松沢病院大会議室:「診断エラーを考える」;綿貫先生
11月20日(水)4階講堂:「構造主義医療の実践」;名郷先生
12月18日(水)忘年会
1月15日(水)8階大会議室:「膵臓がん検診を考えてみる2」;池本先生
2月19日(水)8階大会議室:WS「エビデンスを捜し、活用する」;小野正博先生

 

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