今日は初診当番の外来日。今回ある先生からの引き継ぎで診察することになった80代男性の高血圧患者さん。初回なのでちゃんと心音も聴診します。
しっかり気合を入れて聴診すると,3Lで2音の分裂が聴こえました。ゆっくり呼吸してもらって聴くと吸気時にはっきり分裂が確認できます。でも3音ほどは離れていない感じ。コンスタント先生の本でいえば,100msecより間隔は小さい感じ。
ということは右脚ブロック(CRBBB)があるかな〜と予想。そこで,患者さんに
「心電図で何か異常があると言われたことはありませんか?」 と聴いてみます。
「若い頃から右脚ブロックがあると言われてます」
(ヨッシャー!)と心の中でガッツポーズ。
以前より,これまで診てきた右脚ブロックの患者さんは大体リストアップしてあります。さらに外来受診のたびに聴診の記録を星取表のようにして残しています。久しぶりにそのファイルを開いて,この患者さんのことを追加記入しました。
確認すると,心電図を取る前にCRBBBを予想したのはこれまで6例ありました。この方が7例目です。
ちなみにこれまで記録してきた36例中,心音が右脚ブロックっぽい(2音の幅広い分裂)と確認できたのは9例でした。つまり右脚ブロックが心音で予想できたのは4人に一人くらいということになります。これは以前,名古屋の亀井三博先生とお話したときにほぼ同じご意見でした。
以前にもまとめたことがありましたが,これまでブログで心音S2がらみで書いた内容の以下覚え書き。
2009.12.15 paradoxical S2 split
2010.1.13 paradoxical S2 split 再び
2010.1.14 聴診器今昔物語
2010.1.15 tic-tac rhythm
2018.12.11 右脚ブロックマニア