H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

7年ぶりの◎

2024-07-02 | 身体診察


今日は初診当番の外来日。今回ある先生からの引き継ぎで診察することになった80代男性の高血圧患者さん。初回なのでちゃんと心音も聴診します。

しっかり気合を入れて聴診すると,3Lで2音の分裂が聴こえました。ゆっくり呼吸してもらって聴くと吸気時にはっきり分裂が確認できます。でも3音ほどは離れていない感じ。コンスタント先生の本でいえば,100msecより間隔は小さい感じ。

ということは右脚ブロック(CRBBB)があるかな〜と予想。そこで,患者さんに

「心電図で何か異常があると言われたことはありませんか?」 と聴いてみます。

「若い頃から右脚ブロックがあると言われてます」

(ヨッシャー!)と心の中でガッツポーズ。

 

以前より,これまで診てきた右脚ブロックの患者さんは大体リストアップしてあります。さらに外来受診のたびに聴診の記録を星取表のようにして残しています。久しぶりにそのファイルを開いて,この患者さんのことを追加記入しました。

確認すると,心電図を取る前にCRBBBを予想したのはこれまで6例ありました。この方が7例目です。

ちなみにこれまで記録してきた36例中,心音が右脚ブロックっぽい(2音の幅広い分裂)と確認できたのは9例でした。つまり右脚ブロックが心音で予想できたのは4人に一人くらいということになります。これは以前,名古屋の亀井三博先生とお話したときにほぼ同じご意見でした。

以前にもまとめたことがありましたが,これまでブログで心音S2がらみで書いた内容の以下覚え書き。

  2009.12.15 paradoxical S2 split
  2010.1.13  paradoxical S2 split 再び
  2010.1.14  聴診器今昔物語
  2010.1.15  tic-tac rhythm
  2018.12.11 右脚ブロックマニア

 

 

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循環器フィジカル・・・まだまだ足りない

2024-03-24 | 身体診察


現地参加で申し込んだ今回の循環器フィジカル。ハイブリッド開催の今回は速攻で申し込んで現地開催枠に潜り込みました。達人たちから直接学びます。周到に準備されたスライドの講義も素晴らしいのですが,質疑応答の時間に講師の先生同士でのやり取りにはっとさせられる瞬間が何度もありました。教科書からは学べないTips & Pearlsです。

これまで参加するたびに,少しづつ理解できる内容が増えて,自分でも理解&習得できることが(たとえミリ単位でも)増えてきたかな〜という実感もありました。それでも達人達の話を聴くたびにまだまだ精進が必要なんだと思い知らされます。

   「30代女性の失神でIIp亢進があったから肺高血圧症と狙いをつけて,心エコーで確認したということですよね」
   「おっしゃる通りです」
    (なんでそれだけで思いつくんでしょうか)

   「さっきのS2の音は,たぶんファロー四徴の術後だと思うんだけど・・・」
    (はぁ?? なんでそんなことが一瞬の音を聴いただけで分かるんでしょう??意味不明です)

少なくともこんなレベルに到達した先生がおられるということを「知る」だけでも聴く価値があります。それもあってこれからも参加し続けようと思います。

 

講師陣と参加者を交えた懇親会では,室生卓先生を始めとする講師の先生と直接お話をすることができました(実はこれが一番楽しみでした)。とても贅沢で刺激的な時間でした。

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paradoxical S2 split

2024-03-19 | 身体診察


少し前の外来でのことです。高血圧で通院されている完全左脚ブロックがある患者さん。以前のカルテでは,S2分裂は聞こえなかったと記載してあったが,ふと思い立ってじっくり聴診しなおしてみました。

「あ,呼吸性に分裂が聞こえる・・・呼吸性の変動は?」

神経を集中して聴くと,呼気に分裂,吸気で単一に聴こえました。おおっ! これぞ 奇異性分裂 paradoxical S2 splitです。かなり前に,ある患者さんで聴いたことがあるのですが,久しぶりに聴きました。よく分かりませんが,同じ患者さんでも所見が聴こえるときと聴こえないときがあります。

やっぱり外来でもちゃんと聴診しなければと反省。

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PE上達のポイント(室生卓先生の講義@循環器PE講習会から)

2024-03-17 | 身体診察


今年も参加予定の循環器physical examination講習会が,いよいよ1週間後に近づいてきました。

たまたま本棚を整理していたら3年前に受講したときのメモ書きがでてきました。

自分の忘備録として何度かに分けてアップしておこうと思います。

■意識せよ! 何が知りたいのか
■比較せよ! Gold standard, 定量評価
■Let's go  ベッドサイドに行こう

心機図と心音
・QRSの直後 S1
・T波の直後 S2
・Dicrotic notchの直後にあるのが S2

・視診,触診で聴診が決まる (聴診の前に行う視診,触診がキー)

心尖拍動と左房拡大
・4割触知
・触れるほうが悪い,入院率高い
・左房拡大だけでも心尖拍動が半数触れる

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何度聴いても,しばらくすると忘れてしまいます,この講習会に初めて参加した頃は,S4が心尖部で触れることすら分かりませんでした。参加し続け,学んだことを意識して診察を続けるうちに「おっ!これがそうなんだぁ〜」と分かる瞬間が来ます。これはちょっとした感動です。これがあるから,やめられません。

 

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今年は参加!!

2024-03-08 | 身体診察


毎年行われている循環器Physical Exmination講習会。昨年はオンラインで参加しましたが,今年は念願の現地参加します。そういえば去年は「手の診察所見」という短いセッションを担当させていただいてました。忘れてた(笑)。

今回で第21回を迎える講習会ですが,私は第3回に初めて参加して以来2−3年に一度は必ず参加するようにしてきました。初めて参加した頃はさっぱり歯が立たなかった内容が,少しづつ理解できるようになり,さらに歩みはのろくても少しづつ実践できるようになりました。心音の聴診は難しいからこそ,自分にとって永遠のテーマです。ブラッシュアップのために今後も定期的に参加しようと思います。

コロナのためしばらくWEB開催になっていましたが,今回はハイブリッド開催です。会場での現地参加が少数ながら募集されていたので申し込みました。

循環器フィジカルの達人の皆様の技を直接教わりに行きます。とても楽しみです。

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