自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

国際貢献より人類貢献

2007年10月27日 12時40分43秒 | コラム
 パグウォッシュ会議で、核兵器を全面破棄し、世界平和を実現するためには、国家そのものを消滅させなければならない、と結論づけたのだが、各国の政治家は、その人類的立場の提案に消極的ないし無視を決め込み、中には敵意を示すものさえいる有様である。

 人は本来他人のためになることに喜びを感じるものである。『一人は万民のために、万民は一人のために、、、。』のスローガンに異を唱えるものは皆無であろう。一人では生きていけない人間は、群を作り、最小の集団としての家族、さらに部族、民族へと集団を広げ、現在では、民族国家、多民族国家が国としてそれぞれの利益を求め、未だに抗争が続いているのだが、国益を越えた人類益を優先して考えられるのは、哲学者や科学者、文学者などに限られるのだろうか、、、。政治家は国益を主張していれば、民主主義の代議制を通して権力を維持出来るのが現実だ。

 インド洋での給油活動は国際貢献になっているし、日米同盟に欠かせないし、国益にも合致する、というのが現政権の主張だが、、、。人類益の立場で考え直す必要がある。現政権はアフガニスタンに1400億円を援助し、民政に貢献したと公言しているが、アメリカによって無差別爆撃され、ただでさえ社会資本の貧弱なアフガニスタンにとっては、その十分の一でも、爆撃で破壊される前に、ペシャワールの中村哲氏らの活動に支援を与えていたら、真の支援になったと思う。

 インド洋やイラクに派遣された自衛隊員の帰国後の自殺率の異常な高さは、職務を通して人のためになったとの自覚が持てないからだと思う。災害地などに派遣された自衛隊員の献身的な活動には多くの人が感謝しているし、隊員も誇りと喜びも感じてると思う。組織され十分に訓練された集団を、人殺しに使うのでなく、人活かしに使うべきだ。法的な制約もあるのだろうが、戦車の代わりにユンボやトラクター、大砲や機関銃のかわりに、削岩機やダイナマイト、小銃の代わりに注射器を持って海外派遣するなら、それらの活動は即人類貢献になるだろう、、、。
 


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