自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

今は戦前、、、?

2013年10月16日 14時42分04秒 | コラム

 敗戦を終戦と糊塗してきたこの国は,再び誤った道を歩みかねない状況になりつつある。つまり終戦、終わったー、そして一億総懺悔でくくってしまい,終わったことは忘れてまたみんなで頑張ろう,と言うことになってしまった。1894年、正確には江華島事件を起こし朝鮮に手を伸ばしてから、日清戦争、日露戦争、日英同盟を根拠に第一次大戦に参加、ほぼ十年ごとに戦争で大きな利益を得、この国の経済を発展させた。第一次世界大戦後の人類の叡智、1928年の不戦条約に調印していたこの国は,皮肉なことに、翌’29年アメリカ発の大恐慌に巻き込まれたとき,不景気を打破するためにファシズム体制を構築(軍部、財閥、天皇のトライアングル),中国への戦争を満州事変、上海事変、日華事変と糊塗しつつ推し進め、同じく中国市場を獲得したいアメリカからの圧力(中国に関する9カ国条約の遵守)を跳ね返すべく,欧米帝国主義に対抗し、大東亜共栄圏を作るための正義の戦争として、対米英戦争に突入した。

 紛れもない敗戦が1945年の暑い夏であった。負けた原因は何か、なぜ負けたのか,その責任は誰にあったのか,を検証しないと,同じ間違いを犯すことになってしまう。敗戦の責任を負って自決した軍人もいたが,天皇に対しての申し訳なさの自決であったし、皇居前広場で,謝罪し土下座する一般民衆の姿は,いかに戦前の,学校教育、社会教育を通しての民衆のマインドコントロールが徹底していたかの証である。

 極東裁判で処刑された人たちに全責任をかぶせ、自らの責任を免訴してもらえたのは,冷戦を発動したアメリカに,全面的な協力を誓ったからだ。現首相が尊敬してやまない祖父の岸信介氏は,東条開戦内閣の閣僚であり,A級戦犯に指定され,巣鴨に収監された経歴の持ち主である。後に総理になり,安保改定問題で国会周辺で反対運動が盛り上がっていたとき、まだ子どもだった孫息子に,反対反対と言っているやつは泥棒より悪いやつだと諭していたとのこと。幼少時の思い込みは消しがたいもので,今の総理の中にしみこんでいることだろう。

 お上のやることに異議のあるやつは,厳しく取り締まるべきだと考えるのは,江戸時代の小役人根性だけど,それと大して変わらない感覚をお持ちの方が少なくないようだ。”知らしむべからず”を実現しようとお考えの現首相は,秘密保護法案を今国会中に成立を考えているようだ。そんな内閣を,大メディアのNHKは支持率58%と喜々として発表している。ジャーナリズム精神のかけらでもあれば、危機として伝達すべきなのだが、、、。 

 

 


むのたけじとジャーナリズム

2013年10月15日 09時34分26秒 | コラム

 ある雑誌で、むのたけじの講演会の案内を知って,秋田県潟上市を訪れた。私が教員に成り立ての頃、彼の”日本の教師に訴える”を読み、いつかはその回答を出したいと思いながら過ごしてきたのだが,退職後、ささやかな自分の教育実践を、”中学生への伝言板”と、”中学生からの伝言板”にまとめ、むのさんへの回答のつもりだった。

 私の知る範囲では、むのさんのことを知る人はほとんどいない、つまり”忘れられたジャーナリスト”と言えるだろう。多くの著書を出版されながら,その真実の追究の激しさから,この国では多数に受け容れられないのかもしれない。でもテーブルをたたきながら真実を追究する,99歳のジャーナリストは健在であった。

 むのさんは戦前朝日新聞の記者であり,自ら戦争責任をとり、”親方日の丸”の大新聞を辞め郷里の横手市でジャーナリストの神髄を灯し続けられた方だ。人の命を奪うのは犯罪でありその責任は追及されねばならない。戦争は国家的人殺しであり,その責任は当然追及されなければならないし,そのような大量殺人(戦争前、戦争中、戦後も起こりうる)の責めは追求されるべきだ。戦争責任を考えるに当たって,以下の観点から考えるべきであろう。

① 戦争責任があったのか、なかったのか、、、

② 自分でその責任を感じているのか、感じていないのか、、、

③ 社会的にその責任を追及されたのか、されなかったのか、、、

④ 実際にその責任を取ったのか,取らなかったのか,取らされたのか、、、

 1894年からほぼ10年おきに戦争を起こし続けたこの国、欧米の資本主義体制を,近代化の元取り入れたこの国は,景気の変動がほぼ10年ごとに巡りくる資本主義の弱点を,戦争でカバーし続けることによって,資本主義の発展した帝国主義体制にまで”近代化”し、最終的にはその師匠役であった,米英にまで歯をむくこととなり,結末が暑い夏、ヒロシマ、ナガサキ、そして無条件降伏であった。戦争責任は二度と大量殺人をしない、されない国にしていくために追求されるべきだったのだが、冷戦の発動が,その追求されるべき人たちの免訴により,無責任の体制下の国家となり,その継続が,今のこの国の有様なのだろう、、、。              

 むのさんは、②で自ら責任を感じ、③で責任を追及されることがなかったのに,④で自ら責任をおとりになった,唯一の方だったのだと思う。


オバマ土俵際

2013年10月10日 14時37分38秒 | ニュ-ス

 ケネディの再来かと期待されていたオバマ大統領も,二期目に入り苦心惨憺である。借金を増やし続けた国が債務不履行になるのは何ら不思議ではない。今まで借金を積み重ねながらも,凌いでこられたのは,借金棒引き、ないしは為替相場によって実質借金を目減りさせることが出来たからだ。何故に世界最大の経済大国が借金大国になってしまったのは、アイゼンハウワー大統領の退任時のアメリカへの警告を無視して,戦争経済に拍車をかけたからだ。世界各地に軍事基地を設け、定期的に戦争を必要とする仕組みができあがってしまったからだ。

 前のコラムで指摘したように,もうける自由が野放しに認められる社会では、地球上の生き物さらに人間にも不幸をもたらすことでも,もうけることが優先される。農薬漬け農業は,地球上の友達である,ミミズ、オケラ、アメンボ等を死滅させるし,人にだって長い目で見て良いわけはない。そんな食事を繰り返しては,体のどこかに異常が生じるはずだ。そして病院に出向くと,検査検査で人を不安にさせ,注射、レントゲン,そしてたっぷり渡される薬、そうしないと病院の経営が成り立たなくなる。詐欺まがいの商法が見逃されるのも日常だし,社会を不健全にさせる営業も野放しだ。人を最高に不幸にし,それで大もうけする”死の商人”を育てるのが戦争である。

 アメリカが,戦争経済から脱却することを,憲法9条を持つ日本が手伝うことが出来るのだが,つまり平和産業で十分に経済大国の地位を維持できる事を戦後のこの国は証明したのだから、、、。日本が持つアメリカの国債を,チャラにしてやるから,ポツダム宣言の降伏条件であった、独立後は直ちに占領軍は撤退する、を守り、沖縄はもちろん日本国内から軍事基地をなくすことをアメリカに提案する政治家が出てほしいのだが、、、。

 ネオコンと言われるグループの言いなりにばかりなっている,この国の歴代政治家は、アメリカとの真の友好には,軍事同盟ではなく、フランス国民からのプレゼント、自由の女神、の指し示す,自由の国を求めている大多数のアメリカ市民との間に信頼関係を築くことだと考え直すべきだ。


雑感

2013年10月09日 10時38分20秒 | コラム

 子どもの頃、甘柿のある家がうらやましかった。”柿泥棒”は大目に見られていたが、手を染めることはなかった。大人になっても子供心が懐かしくて。一本の甘柿を庭に植えることとなり,今年も、20個ほどの実が残り,そろそろ色づき出す季節となった。実のなる果物に関し、”下の枝の実は旅人のために,上の枝の実は鳥たちのために、、、”と言う言葉があるが、人とすべての生き物との共存を説いた名言も,今は死語となってしまったのだろうか、、、、。

 今年の年頭のメッセージで、”人類皆兄弟姉妹、すべての生き物は皆友達、この原点に立って,新たな人類史を築かねばならぬ、、、、”と記したのだが,人間だけに染みついたエゴの克服は困難なようで,このままでは,命を生み出した奇跡の惑星から、”命”を消滅させかねない状況が進行している。

 市民革命により,身体の自由、精神の自由、経済活動の自由が保障されるようになり,当然それらの権利は義務を内在するのだが、経済活動の自由の中心、もうける自由が一人歩きをしてしまい,もうけるためには何をやっても免責される自由を得てしまったようだ。

 中国産の農産物への警鐘がなされているが,程度の差はあれ、タニシの生息しない田んぼでの米、ミミズが生息しない畑での農産物、それらを常食していれば、”直ちに人体には影響はありません”けど長期に至っては,当然影響が出るのは明らかであろう。さらに追い打ちをかけ、”二人に一人はがんになる”と不安をあおり、がん保険の会社に利をもたらす打算が見え見えではあるのだが、、、。空中散布で,多くの生き物を殺す農業は直ちに止めなければならない。