自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

続・今こそ”エンデの遺言”を活かせ!

2015年08月30日 07時37分49秒 | コラム

 エンデはその著書(エンデの遺言)の中で、お金には二種類がある、一つはあなたの財布の中にある、交換の仲立ちとしてのお金と、もう一つは利を求めて活動するもの、、、という趣旨の説明をしている。人々の日々の営みが富を生み出す源泉であることは、リカードからマルクスによって証明されたことだが、その日々の営みが、採取経済から、自給自足経済、物々交換経済、貨幣(交換の仲立ち)経済へと経済の成長とともに進化してきたのであるが、その貨幣経済も、物品貨幣からスタートし、金属貨幣、鋳造貨幣、そして金(貨幣としての性質、腐ったり減ったりしない、少しでも価値がある、別けても値打ちに変わりない)と交換の約束があった兌換紙幣、そして現在の信用のみの管理通貨制度下の紙幣となっているのが現在である。

 人々の日々の営みが地球規模に拡大している現状だが、それに応じて世界通貨の役割を果たす貨幣も変化してきた。銀本位制が長く続いたが、金本位制に、そして金の裏付けのある巨大国の通貨、かってはイギリスの通貨、ポンド(約453g)が世界通貨の役割を果たしたが、第二次世界大戦後は、世界の約三分の二の金を所有することとなったアメリカの通貨ドルが、その役割を担った。ニクソンショックまでは、、、。

 ドル、ユーロ、円、元、ルーブル、等各国の通貨が、外国為替市場という名の賭博場で日々売り買いされ、同じく各国の株式の動向が、毎時の定期ニュースで報道されているのであるが、利を求める賭博が毎日繰り広げられているに過ぎない。胴元(巨大なマネーの所有者)が損することのないのが賭博であって、一時の儲けではまってしまった小金もちが身ぐるにはがれるのが目に見えるのだが、、、。

 投資家と投機家は異なる人種である。投資家は自分の保有する富を、人のためになり、人に役立つ商品を作ろうとする企業を支援するために、そういう会社の株の購入に充てる人のことである。投機家は、自分の富を増やすためにはなりふり構わず売り買いする人物である。国際的投機家の中には、ニューヨークとロンドンと東京に投機マネーをわけ、コンピューターを駆使して、円売り、ドル売り、ユーロ売り、その逆の買いで、時差で利を得ていいる大胴元がいる。そういう投機のための出費には金を出すことを惜しまない。戦争までも彼らは投機のチャンスと考えるし、実際それで儲けてきた実績がある。


今こそ”エンデの遺言”を活かせ!

2015年08月26日 07時23分18秒 | コラム

 ”自由・平等・友愛”はフランス革命のスローガンだし、フランス国旗の三色旗はその三つを象徴するものとなっている。エンデは、人間の活動を、精神的、政治的、経済的、なものとしてとらえ、精神的活動では自由を、政治的活動では平等を、経済的活動では友愛、つまり助け合いが必要だと述べている。確かに経済活動の自由こそ、市民革命で人類が獲得した権利だけど、つまり、職業選択の自由、居住、移転、国籍離脱の自由、財産権の不可侵(私有財産制・儲ける自由)が経済活動の自由の中身となるのだが、私有財産制の行き着く先が格差社会の実現になるとは、”神の国をこの地上に!”と考えた啓蒙思想家たちには予想もつかなかったことだろう。

 空想的社会主義を実現しようとして、企業を起こし、儲けをすべて賃金として労働者に分配した会社は、拡大再生産が実現できず倒産してしまった。生産財(土地、工場、まとまった資金)の私有を否定したマルクス主義は、その実現を目指した、1917年ロシア革命によって第一歩を踏み出したのだが、21世紀を待たずとん挫してしまった。資本主義の危機を防ぐ経済理論を確立したケインズ、その理論を活用しアメリカを救ったのがルーズベルトだったが、その理論が通用したのは産業資本が中心であったころまで、金融資本がメインとなっては、新自由主義、小さな政府、が主流となってしまう。

 江戸っ子の啖呵、”金持ちとごみためは貯まれば溜まるほど汚くなる”は古今東西通用する真理のようで、かっては、鉄鋼王カーネギーは莫大な財を社会貢献にとして差し出したし、この国でも、大原孫三郎の例もあったが、儲けた人は、おれは特別な才能がある、もっと儲けようとするのが一般的なようで、かってはこの国でも、累進課税制度で、8000万以上の収入のあったものは、75%の所得税を取られていたのだが、2000万の収入で満足し、社会のために6000万使ってもらう喜びは持てないようで、累進率は低下してしまった。 

 経済的潜在力を保持する中国、何しろ人口はこの国の十倍、そして表向きは社会主義経済を維持していることになっているが、実質は国家資本主義になっていると思う。みんなで少しずつ豊かにとの路線から、”白い猫でも黒いネコでもネズミをとるのはいい猫だ”として、先に豊かになったものが、その豊かさをトリクルダウンすればとの路線に切り替えたのだが、現実の人民共和国は、格差が広まり、今回の世界的な株価暴落の引き金を引くことになってしまった。


”戦後70年談話”を読んで、、、

2015年08月17日 13時29分09秒 | コラム

 戦後50年の村山談話、戦後60年の小泉談話、戦後70年での談話を、有識者懇談会なるものまで設けて、安倍色を打ち出そうとの意欲満々の安倍総理だったが、あちこちでチェックを受けたようで何とも締まらない談話となってしまった。新聞一面で、英訳付きで示されていたが、読み始めて、冒頭の文で後を読み続ける必要がなくなってしまった。”日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。”という件である。安倍さんが選んだ有識者という人たちの歴史認識の貧しさを再認識する内容である。その歴史認識の行き着く先が、”大東亜戦争”はアジア解放の戦いであり、我が国は敗れたが、アジア、アフリカの独立を促した、、、となる独善的な歴史認識である。

 ”日露戦争までは正義の戦争であった。軍規が守られていて、日本軍は立派だった。”との司馬史観がこの国の有識者には常識になっているのかもしれないが、日露戦争をあおるメディアに対して、平民新聞を発刊し、日露戦争反対の主張をした幸徳秋水の主張を、両国民衆にとっての真理として受け止める必要があるのだが、、、。

 アジアで欧米の植民地にならずに独立を維持できたのは、この国の一人として誇りにしていいのだが、他の植民地支配受けた人々への優越感となってはいけない。この国に砲艦外交で開国をせまり、植民地化の第一歩である、不平等条約を押し付けたアメリカ、この国がアメリカの植民地にならなくて済んだのは、アメリカにおける内戦(南北戦争)、イギリスに対するインド人の抵抗(セポイの乱)、中国人の欧米への反乱(太平天国の乱)等の国際状況がこの国に優位に働き、その条件を生かし、倒幕に成功し、中央集権国家を設立し、独立を維持できたとのグローバルな歴史認識が必要である。

 今までは中東では親日感情が高いといわれてきた。その代表がトルコであろう。その理由は、かって大帝国をきづいたオスマントルコ帝国が、弱体化する中で、拡張政策を意図したロシア帝国との間に、17C~19Cにかけて、12回にわたって戦争を続け、領土を奪われ続けてきた歴史があるからだ。すべて負け続け領土を奪われ、唯一勝利したのは、同じくこの地に利害関係にあったイギリス、フランスの支援を受けて戦ったクりミヤ戦争の時だけであった。それ故に、大帝国は解体され、トルコ民族発祥の小アジア半島に共和国を建設したトルコは、当然その国の歴史で、ロシアへの敵愾心、そのロシアに勝利したアジアの小国、日本について学ぶ機会が多いのであろう。戦争に敗れたのち復興がなり、豊かな国を再建した日本に、興味を持ち、留学してくるトルコ人も出てくるようになる。そんな人々の中で、日本語を学び、文字も読めるようになり、大きなネオン照明で自分の国名を見つけ、同僚に会えると思って出向いたところ、なんてことない風俗施設だった。そんな親日家の投書があって、○○ランドに名称を変えたなんということもあったのだが、、、。

 歴史は繰り返すというけど、大英帝国は、名誉ある孤立政策を維持してきた。世界が束になっても負けることがない軍事力を保持し、大帝国を維持できたからだ。最初に挑戦してきたのがフランスだし、アフリカでは、イギリスの縦断政策とフランスの横断政策がぶつかり合い、ファッショだ事件でイギリスは勝利した。インドではプラッシーで勝利したイギリスはやがて大英帝国領にした。アジアの片隅日本でも、討幕派を支援したのがイギリスだし、幕府を支援したのがフランスであった。唯一フランスが勝利できたのが、イギリスの植民地だったアメリカ東部の13州が本国から独立を目指したとき、支援して独立を果たした時であろ。その喜びを象徴する建造物が、フランス市民からのアメリカ市民へのプレゼント、自由の女神である。続いて力をつけてきたロシアとの関係では、地中海へのロシアの意図は、トルコを支援し、黒海のクリミアにとどめることができた。インド洋への南下は、その”乳牛たるインド(ネルーの言)”を守るために、アフガンを保護領とし、ロシアに最後通牒を出し防ぐことができた。中国への進出に対して、中国でのアヘン戦争以来の利権を守るために、栄光ある孤立をやめて、新興国日本をおだて、ロシアの中国への南下政策を防いだのが日露戦争である。1902年の日英同盟があって、この国は対ロ戦に踏み切り、多大の犠牲を払い辛勝、そしてイギリスの支援打ち切り(ロシアの南下が停止、日本の利権拡大は朝鮮にとどめたいイギリスの意思)で、戦争の継続は困難で、ポーツマス条約。反対の日比谷焼打ち事件があったのは、真実を知らされないマインドコントロールされてる大衆が存在していたから、、、。”中国の海洋進出”と”ロシアの、朝鮮、中国への南下政策”それを食い止めたい、アメリカ、イギリス、の対日政策が、日米安保条約(より具体化する約束が安保法制)であり、日英同盟だったのだろう、、、。


239分の222

2015年08月01日 07時53分07秒 | コラム

 分数は算数嫌いの生徒を生み出すことになるのだが、2分の1と3分の1を足すと、5分の2じゃなくて、6分の5になる通分の法則がしっかりと理解できないまま、テストで×をつけられてしまうので、算数嫌い、勉強嫌いの生徒を生み出すスタートとなってしまう。タイトルの特別な分数は何を意味するのだろうか、、、。分母の239はアメリカ建国からの年代を示すのは、年表で調べればすぐにわかる。分子の222はその間アメリカが戦争をした年を示しているそうだ。東部の13州からスタートし、本国(イギリス)との激しい独立戦争、最も対立していたフランスの支援もあったのだが、、、。国内戦争の南北戦争もあったが、大部分は51の州にまで拡張する中での対外戦争が続いたことを意味する。第二次独立戦争で、本国(イギリス)の攻め込まれたことがあったが、、、。そしてⅠ度も敗れることなく、ベトナム戦争では敗北したのだが(レフリーストップでリングを降りたが、自国に攻められ敗北したわけではない。)、世界チャンピオンのタイトルを獲得し、現在もタイトルを保持しているのが、今のアメリカである。

 人と人の間でも、国際関係でも、主権尊重、互恵平等が大切な原則である。そのためには相手を理解すること、相手の長所、短所を理解し、互いの長所で付き合えば互いに不満を生み出すことはない。信頼関係が深まれば短所を指摘し本人が改めようとする努力を見守り支援することが大切だ。現在の世界チャンピオンのタイトルを持つアメリカと密接な関係を持つこの国、厳しいタイトル争いをしていたソビエトの崩壊で永久チャンピオンの地位を確保したのだが、永久チャンピオンは願望ではあるが、崩壊しない世界帝国はいまだに実現していない、、、。その崩壊過程では様々な不幸な出来事が生じたのが人類の歴史で証明されている。そしてよりましな世が実現すると良いのではあるが、、、、。そろそろ人類は、国や民族によるチャンピオン争奪に終止符を打ち、人類の共存共栄の時代への歩みを始めないければならない。何しろ70億を超える現在の地球上の人類の共通の祖先が、5万年ほど前にアフリカから脱出した150人余りの人々に行き着くのだから、、、。

 永遠の帝国を維持したい勢力にとって、それを脅かす次期チャンピオン候補をつぶすことが、己の使命と考えているのかもしれないが、一度はソビエトに軍拡競争を仕掛けて、社会主義経済を崩壊させ、冷戦に勝利した。次は人口も多い経済的潜在力を持つ中国が標的なのだろう。そのためには、地理的には日本が何と言っても必要なのは、ペリー来航以来のアメリカの世界政策の延長上の真理である。鎖国の250年間で培われた権力になびく国民性、”盆上の豆”と揶揄される傾向、変節を発想の転換と言いくるめる悪知恵、江戸末期の攘夷がすぐさま鹿鳴館時代の欧化政策に代わるし、70年前の”鬼畜米英”が、アメリカ民主主義万歳となる。そんなこの国の体質を熟知したジャパンパンドラーズという名の日本占領継続を試みる者たちの計画書が、経済的にはTPPだし、軍事的には日米安保だし、政治的な代理人が、その反共ゆえ重宝され、巣鴨から釈放されて、宰相に上り詰めた岸氏だし、その孫にあたる現総理が、代理人の地位を保つためには、アメリカ議会で約束したことを何としても実現しないと、首を据えかえられることになるだろう。